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異界奇行---俺にはキツスギル!  作者: kenken@


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1人は寂しい

今日は朝から1人でテクテクと道を歩いてる、仕事場の南広場の青空市場に向かってさ。


昨日の夜からね、アルロとケリオサが少し熱っぽくて元気が無くなってね。みんなで早く寝たんだけどさ。

2人は朝になっても元気が無くて、まだ熱が下がらないみたいだから、リビエさんが仕事は休みにした。

女の子の中でもね一番年下のジュニューが、昨日の夕方から同じように熱を出して、朝食に起きられなかった

だから3人とも、孤児院の部屋のベッドモドキで体を休めて寝ている、早く良くなってほしいよ

朝になればね。3人とも元のように元気になるかと思ったけどさ、さらに悪くなってて今は息まで苦しそうにしてるんだよ。この前の流行り病みたいにならない様に、俺は神に祈るだけだよ。

ケシーレさんとリビエが、交代で看ててくれるから少しは安心できるけど心配だ。


そんな訳だから今日の露店の手伝い仕事は俺一人なんだよ。一人で仕事するの初めてで寂しいしよ失敗しない様にしないと考えたりで不安だらけだよ。

俺のそんな気持なんか関係ないと言う様に、広場に向かう足を止めて頭上を見上げれば、澄み切った青空が見渡す限りに広がってるんだ。


そして不安ながらも歩いて行けば、いつもの露天が立ち並ぶ青空市場に着いたので、イーガスさんに朝の挨拶をす為に近づくと。イーガスさんは屋台の準備が終わってて、屋台の台の上に置かれた肉の入てる金属トレーに手を翳し「清浄」の魔法を掛けた、他の作業道具の刃物などにも「清浄」の魔法を掛けた様だ。

流石だよね。


「イーガスさん。お早う御座います。今日は俺一人ですけどお願いします」

「今日、アルロとケリオサの2人は、チョット体調が悪くてお休みさせてもらいたいです」


 「おっ、何だって」

 「2人とも病に掛かっちまったのかよ、いつも気を付けろって言ってたのにな」

 「まあなぁ。しょうがねえか。要らなくても来ちまうのが病だからよ」

 「分かった、今日はシン1人なんだな」

 「いつもより軽くで良いからよ、朝一でゴミ掃除から頼むわ」

 「掃除が終わったらまた俺に声を掛けろよ」

 「じゃあ頼む」


そう言ってイーガスさんは、また自分の屋台の準備をする為に俺から視線を外して、屋台の中で動き始めた。よし!1人だけどいつもの通りに広場の外周掃除から始めますか。


今日の広場は、ゴミがいつもより気持ち少な目かな、大きなゴミが無いのが俺としては大助かりだよ。

いつもの3人で掃除する時だと、細かいゴミも結構マメに取るけど、今日は取り切れ無いねしょうがない

道具置き場の隅に戻って広場を見回して確認する、目立つゴミは無し!

集めたごみを隅の木箱に入れて、掃除道具も片付けて掃除終了。イーガスさんに声を掛けに行くかな。

 

「イーガスさん。掃除終りましたよ。細かいのが少しは残ってるかもですけど」


 「おう、シン。掃除ごくろーさん」

 「1人じゃあな。少し位ゴミが残ってもしょうがねえや。勘弁してやる」

 「早速だが「ガガエズ」の金物屋に顔を出してやってくれ」

 「荷物の配達の仕事が入ってるらしいぞ」

 「どこかへの届け物が1件分、荷物は2個有るらしいからな」

 「頼みたい仕事は今の所はそれ1件だからよ」

 「先ずは、金物屋の手伝いを頼む。行ってくれ」


「はい「ガガエズ」さんの金物屋ですね、分かりました。行きますよ」

 

 「おう、配達に行ってこい」


うわぁ~~~!金物の配達を1人でするのか、2個かぁ~~、軽くて小さいと良いなぁ~、、、。

確か「ガガエズ」さんの金物屋の露店はここから近いよね。そんな風に思って歩いて行く。

記憶の中を確かめながら、露店の並ぶ広場を進んで行くと。あった!「ガガエズ」さんの金物屋さんだ

少し骨太の屋台の木組みに、細かな金物を幾つか吊り下げて目立つ様にしてる屋台だよ。

その目立つ屋台近づいて横から俺は声を掛けた。


「ガガエズさん、こんにちは。遅くなりましたが手伝いにきましたよ」

「今日は、俺1人なんですけど、大丈夫ですかね?」

「配達って聞いたんですけど?」


 「おう!シンごくろーさんな。1人か」

 「話はイーガスに聞いてるのか」

 「そおなんだ、配達なんだけどシン1人でも大丈夫だ、そこに有るやつだから持てるだろう」

 「大と中の鍋2個を配達してほしいんだ」

 「届け先はよぉ、東の門の近くに有る薬屋なんだ、白い壁が目立つ4階建ての建物なんだ」

 「薬屋の主人は「シディリー」って言う女性だぞ覚えとけよ」

 「薬屋だからよ軒先に青い瓶の絵が描かれた木の小さな看板が出てるんだがな」

 「シン。見た事無いかな薬屋の看板」

 「どうだ。分かるかな届け先」


ガガエズさんの説明で何となく方向と場所は想像できるけどね。

東門の方には今までも行く用が無かったから、薬屋さんの場所は知らないや、でも孤児院からだと意外と近いんだね。

今居るここは街の南広場の青空市場だからね逆に遠くなってるよ。だってジャスリーさんの宿屋を超えて、孤児院も超えて行ったその先の門の近くの所だもの。

俺達孤児院の子供はさ、外出とか基本自由に行動出来ないからね。街の地理なんてさっぱり分かんないのが普通だよ。でも俺は届け先の薬屋さんの場所のイメージは何となく出来るけどね。


「ガガエズさん。場所は何となく分かるんですけど自信が無いです」

「薬屋さんの建物は東門の傍なんですよね、向こうで街の人に場所を聞いて届けてみますけど」

「時間がかかっちゃうかも知れないですけど、それでいいですか」


 「ああそれでいいよ、分からなかったらな街の警備の人か門番の人に聞いても良いんじゃないかな」

 「時間がかかるのもしょうが無いからな。こっちは大丈夫だ」

 「頼んで悪いけどな鍋を薬屋に届けてやってくれ」


「はい。ガガエズさん。俺が上手く届けいてきますよ任せて下さい」

「でも鍋を手で持って歩くより、背中に背負って行きたいんですが出来ますかね」

「上手く工夫すれば楽が出来そうなんですけど」

「2つを重ねて紐で結んでもらえますか。それを背負って行きますから」


 「おお。ヤッテやるぞ待ってろよ、上手く2つを纏めて背負わせてやるよ」

 「縄は一杯有るからよ、待ってろ」

 「アハハッほらよ。シン、こんな感じでどうだ肩の所の紐で上手く調整しろよ、腰の紐もだぞ」


「良い感じです、これなら両手が空いて危なく無いし、重くも感じ無いから安全に運べますよ」

「ガガエズさん。じゃあこの荷物を薬屋さんに届けに行ってきますね」


 「シン。頼んだぞ気ぃ付けてな」


そんな感じで薬屋さんに鍋を届けに俺は向い歩き出した。












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