戦闘スタイル
草原に伸びる街道を進む1台の馬車。
カラゴロと車輪の回る音と共にラビリンスへ向かってる。
馬車は轍を右へ左へと揺れながら人を前へと運ぶ。
ニュル、ユラ、グラ。
なんとも。スムーズには進んでくれない。
少しでも大きな段差を車輪が踏み越えれば。
ガタン、ドン。
うがぁ痛い。
顎が、歯がガチンぅて。
も~!、最近は。ラビリンスへ向かう道が荒れて来てるな。
馬車移動なんて。ただでさえキツいのに。
これじゃせっかくの景色も、ロクに楽しめないじゃないかよ。
俺は。今日もロドラのラビリンスへ向かってる。
馬車の一番後ろの座席に座って大自然を体に感じてるよ。
冬だけど草原に広がる緑は心と目に優しいもん。
3日前にラビリンスでスケルトンを倒し。
残渣として見付けた宝箱から、2個も魔道具を手に入れたけど。
その1つ、魔法袋は使わずにポーチの中で眠ってるよ。
でも。騎士の指輪は、俺の右手の人差し指に嵌めて使ってるんだ。
「微」増加の効果は、、うん微妙に分るかなって感じだね!。
微妙、、。
俺の今が相手にしてるのがスケルトンだと、体が骨でしょ。
短剣で攻撃すると、パキって折れるんだもん。
前と変わってないと思うんだ。
だから。装備してても今は良くは分かりません。
は~ぁ。
どうしようかなぁ~。
馬車の後ろに流れてく風景を見ながら。溜息が出ちゃうよ。
今は、地下3階でスケルトン相手に戦ってるでしょ。
相手は2体出てくるのが多くなって。苦戦までじゃ無いけど、、。
ちょっとメンドイんだよな。
だから戦い方の思案中なんだけど~。
おーい。無事にラビリンスに着いたぞ。
さあ、降りてくれ。
この馬車は。
少ししたらロドラへ向けて出発だからな。
ロドラへ帰る奴は乗ってくれ。
えっ?もう着いちゃったの?。マジかぁ~。
馬車を降りて。ラビリンスの入口の穴へ向かい歩きはじめた。
でも、まだ悶々と考え中だよ。
穴の縁まで来たら。
螺旋階段を降り始めた冒険者達の。最後の順番で並ふよ。
俺は今でも。下に降りるのが遅いから、危険回避だよ。
最後に1人。ゆっくりと降りて行くんだ。
前の冒険者から遅れたけど、無事に穴の底の降り立ったよ。
さて今日は何処に入ろうか、、。
う~ん。あそこの5番目の穴に入ってみようかな。
あっ。
ギルドのジュナリアさんに、ここの穴の事を聞いてみたらね。
下層に、下に行けるのは、運だっていわれたなぁ。
どの通路が地下10階以降まで繋がってるかは、今でも不明だってさ。
俺は不思議に思い、ソレって何でですかって聞いたら。
ラビリンスの通路はね。
全部が地下の最深部まで伸びてる訳じゃ無いのよ。
ただ。入口の数は決まってるけどね。
去年の事ヨ。
あなたも聞いてるかもしれないけど。
ロドラのラビリンスはね。
3パーティーが地下8階を超えて最深部目指して行ったんだけどね。
入口の穴は。3パーティーがそれぞれが違う通路だったわ。
それにね。
後日、2組が同じ通路で同じ様に最深部を目指したんだけど。
1組は地下5階で行き止まりになってたの!。
2組目は、地下7階で行き止まりだったわ。
その時は。2組とも地下8階にも辿り着けなかったのよ。
だから、ロドラのラビリンスは今でも変化しているの。
正解の通路を進めるのはね、、運次第なのよ。
誰もが、ラビリンスの通路を進んでスケルトンを倒し。
奥に向かって行ってみないと分からないの。
私達の知らない間。いつの間にか変化してるの。
ラビリンスって不思議よね?。
ふふ、シン君。
はぁ~運ねぇ~。
そんな事になってるんですかぁ~。
俺はまだ地下3階を巡ってるんで、先の話ですけど。
はぁ~大変だなぁ~。
そんな事言わずに、頑張ってよ。
あなたも冒険者なんだから。
目指せ!手に入れろ!。宝箱に魔道具よ。
でも。慎重さが大事なんだからね!無理はしちゃだめ。
いい?。
ええ勿論。
情報有難う御座いました。じゃあ行ってきます。
まあ、地下8階なんて。今の俺には関係ない話だな。
それよりもだよ!。
今の自分。俺の戦い方だよ。
戦闘は。小盾と短剣が基本で、後は氷魔法で打開してく形だよ。
まだ地下3階はイケてるけど。
今より魔物の数が増えると、キツクテ無理だよなぁ。
痛い事は駄目!怪我なんかしたく無いよ。
俺の冒険は、、安全第一にだから。
今日も、とにかく。
どこまで行けるか。5番目の通路を進んでみるかな。
いつもの様に。
頭に被ってるの帽子の先に「灯り」を灯し。
さあ。
今日も、ラビリンスで小遣い稼ぎと御宝探しの始まりだ。
5番目の通路に入り込み、歩き始める。
地下1階では。武器無しスケルトンを3体倒して魔石が2個出た。
価値の有る剣も1本残ったよ。
そして地下1階の最後の戦闘から。
30分もしないで地下2階への階段は見つかったよ。
お~~!階段だ。今日の俺は幸先良いかも。えへへ。
地下2階に降りて、直ぐに敵が現れた。
通路の先に剣持の2体のスケルトンがカシャカシャと音を立て。
俺目掛けて走り寄ってくる。
あっと言う間に。そいつらとのと戦闘になった。
俺は5mくらいの距離で、愚痴りながら魔法を使うよ。
さっきの言葉は訂正かな。
あ~ヤッパリ。運が悪いかもなぁ~。
お前ら!おらっ~喰らえ~。
氷、氷、氷。
俺の放った氷魔法で1体の左腕を吹き飛ばした。
パキン、ガシャ。
カーン。
自分でも信じられないけど。3個目の氷が。
もう1体の頭蓋骨に命中して、頭蓋骨が後ろに飛んでったよ。
ラッキー!1体は崩れたから、片手の奴だけになった。
片腕の1体だけだ、慎重にやろう。
おら!おら!切り倒してやるぜ!。
うぉ~、アブね~。
カシン、カン。
俺より先に。
スケルトンの剣がススッと2度も突き込んで来た。
気持ちとは裏腹にビビりながら。
スケルトンの攻撃を小盾で逸らし、俺も短剣を振る。
何度目か。
スケルトンの動きを左手の小盾でイナシて。
その合間に短剣を振り上げると。
パキパキ。
カシャーン。
上手くスケルトンの左側の肋骨や鎖骨を切り飛ばせたよ。
すると目の前のスケルトンが剣を振り上げたまま。
体が左側に倒れて。床の上でバラバラになった。
ふう~、やっぱり2体だと手こずるよなァ。
あっ、スケルトンの頭蓋骨を割らないと。どこいったかな。
あった。先ずはお前からだ、オラよっと。
目の前に転がってる頭蓋骨に短剣を振り下ろす。
バキ。
1体目は終わり~、あ~。さっきのは何処に飛んでったかなぁ~。
通路を少し進むと2体目の頭蓋骨を発見したけど
カタカタと顎を動かしていてうるさかったよ。
うるさいっての!おらっ。
バキ。
戻って魔石を探さないとなぁ~。
今回のスケルトンからは1個だけ魔石が見つかったよ。
ボロイ鉄剣も1本残った。宝箱は無しだった。
ふ~。プレッシャーが凄くて気疲れするよ。
俺はまた、通路を奥へと歩き出した。
地下3階へと移動の途中で小部屋を2つ見付けて。
それぞれで、剣持スケルトン1体と戦って倒したよ。
残証品は魔石を1個と鉄剣も1を回収した。
う~ん、順調の様な、違う様な?。この微妙な感じ。
通路を進む足取りが遅くなる。
あ~もう!。
次のスケルトンで試してみようかな。
上手く行けば楽が出来るかも知れないからな。
通路を独り言を言いつつ進んでると。
奥からカシャカシャと音が聞こえて来た。
よ~し!今回は。こいつで行ってみよう!。
久々のFN1910だけど。
コレって相変わらず小さいのに、ズシッと重いや。
あ~~魔法弾の威力は、う~ん。
スケルトンが相手でしょ。俺でも骨を切れるからな。
取り合えず「1」で撃って見てから考えようかな。
すでに短剣は鞘に納めており。小盾も魔法袋にしまってしまった。
今は右手に黒い銃が握られているだけの状態だ。
1マガジン「30」発。
威力が低くても30発撃てば効果は有るだろうから。
でも2発ずつでやってみようか。
おっと見えた!スケルトンは2体だな。
2体とも剣持じゃん、早速厄介な奴らだよ。
お前ら!魔法弾でも喰らってみろ。
喰らえ!。
俺は右側のスケルトンにサイトを合わせ2回トリガーを引き。
左のスケルトンにも狙いを付けて2回トリガーを引いた。
パシュン、パシュン。
パキパキ。
パシュン、パシュン。
パキパキ。
ガシャガシャガシャ、コーン。
走りながら2体のスケルトンは魔法弾が命中してバラバラになった。
おぉ~~~!凄い威力だ。
派手に大きな音を立てちゃうけど、大丈夫だよね。
それに撃った魔法弾が全弾命中したじゃん。
俺の腕が良い訳無いからな~。当たり所が良かったんだな。
でも。これなら地下3階以降も十分戦えることが分かったよ。
魔物から離れて攻撃出来る事って大事だよな、安全だもの。
魔力も、そんなに使わなくて済むようになるし。良い事だ。
お~良かった~。これで魔力が貯まるぞ。
あはは~やった~。
後は。厄介そうになっちゃった魔石探しだけど。
あ~あ!こりゃ~骨がバラバラで大変そうだなぁ。
あは。
通路に飛び散ったスケルトンの骨を見回しての印象だよ。
「灯り」を頼りに歩き回り探して。
1個だけ魔石を探し出せたよ。
やった、魔石発見!。
それからの戦闘では。
FN1910をメイン武器にして戦いを進めて行った。
呆気ない程順調にラビリンスの通路を奥に進む事が出来る様になって。
移動しながら、何体のスケルトンを相手にしたか分からないほど倒したよ。
見付けた小部屋の中にスケルトンが2体居ても瞬殺出来てしまう。
至近距離だから。1歩踏み込んで外さない様にトリガーを引く。
剣持のスケルトンがバラバラになる。
カタカタとうるさい2個の頭蓋骨を短剣で砕き。
部屋の中を探すと、残証品の魔石が1個出たよ。
あ~今の戦闘で2割5分の確率だ。
これがアルロなら全部出るのかな。
慎重に歩きながら、更に奥を目指す。
スケルトンを見付けてはトリガーを引く。そんな感じ。
音も。剣戦の音はしなくなった。
パシュン、バキ、カシャ、カシャン。
魔法弾の発射音と、骨が砕け、床に落ちる音ばかりだ。
どうやらFN1910の魔法弾は。
拳銃弾と違い、弾の大きさがピンポン玉位有りそうなんだよなぁ。
だから、骨だけででスカスカのスケルトンでも。
魔法弾は骨の間をすり抜けないで。どこかの骨に当たってくれるんだ。
だから俺の腕で外れる以外は、無駄弾が無いんだ。
FN1910、、俺にとって最高だな。
ふふ。
よーし。このまま地下4階への階段まで突き進んでやる!。
マガジンの魔法弾の残弾を確認をして10発を切ったら。
早めに再装填をしているよ。
1回で魔力消費「2」の氷魔法より。
30発で魔力消費は「3」だもの、断然省魔力だよ。
それから通路で1体のスケルトンを倒したけど残渣は無し。
空っぽスケルトンは最悪だ。
更に通路を歩いて行くと。
あ~~~やっとだ!階段発見。
いよいよ俺も地下4階だな。え~と今の時間は?。
魔法袋から時の魔道具を取り出して時間を見ると。
あ~もう、昼を過ぎてる。
じゃあ階段の途中の踊り場で昼にしよう。
今日の昼は何を食べようかな~。
地下4階への階段をトコトコと降りて途中の少し広い所で昼だ。
ここならテーブルも椅子も置けちゃう。
魔法袋から出してっと、あ~座ろっと、何にしようかな~。
あ~2種類の串焼きを1本ずつで良いか~。
そえと、、。
「創生」
テーブルの上に500mlのコーラが1本現れた。
何となく赤い方じゃないヤツをイメージしたけど。
無事に買えたな。けど幾らだったかな?。
あ~「8」位で買ったと思うけどなぁ~。ん~。
良いや!串焼きが温かい内に食べないと勿体無いモン。
2つの包みから1本ずつ木皿に乗せ。
残りは急いで元に戻して冷めない内にしまった。
さあ食べよッと!。
両手に串焼き!最高。
旨~い。あ~ピリ辛のも美味しくて幸せだぁ~。
取り合えず1本食べちゃって、、コーラだよ。
残りの串を口に咥え、ペットのキャップを捻って開ける。
プシュ。
あ~この炭酸の抜ける音、そして甘い匂い。
一気にゴクゴクとコーラを飲むと。
あ~口の中と喉がシュワシュワする~!最高だぁ~。
く~コーラ旨~ぃ。
そして定番の。
グエェ~~。
久しぶりの炭酸のゲップ出たぁ~。あはは。
グェ~。
ラビリンスの安全地帯っぽい階段の途中の踊り場。
美味しかった食事を済ませて、俺は休憩中だ。
ここまでで結構な数のスケルトンを倒して来てるよな。
もしかして階位が上がって無いかな?。
確認しよっと。
服の中のギルド彰を握り目を瞑る。
おっと~!やっぱ上がってるじゃん。
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アローヌ王国
シン 男 15歳 冒険者
階位 4
体力 59
力 55
魔力 78・1368
ーー ーー
俊敏 66
器用 60
ーー ーー
生活魔法 灯り・清浄・口火・清水
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氷魔法 階位・「2」
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騎士の指輪 「微」 階位・「3」
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<以下の事は>
<何人にも・見えず・知りえず・理法外>
<恩恵>
<記憶> 「創生」・「魔創」
<創生魔法>
「創生」・「制限あり・可能性・小」
未明の時の記憶を再現できる・「一部」。
自らの魔力を対価に創出する、価値は・「小」のみ。
魔石の内包力でも代用できる。
<未明魔創>
「魔創」「制限あり・可能性・中<10」
未明の時の己が購入した物のみ再現される「一部」。
必要魔力「小」
自らの魔力を対価に魔創を行使する・使用者収納可。
<特記魔法>
「1柱の戯れで許された法外魔法」
「1系統の武器・2種」
未明の記憶・懐かしき遊具・性能は異なる。
<FN1910>
32口径、30発装填。
1マガジン30発、魔力3が必要。
3段階・威力調整機能付き。
1段=32口径相当以上 殺傷力 小< 一般使用。
2段=45口径相当以上 殺傷力 中< 要注意。
3段=50口径相当以上 殺傷力 大< 危険。
各弾種・想定アリ。
<ーーーーーーー>
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やった!魔力が「78」になってるよ。
うひょ~、1日で780円だよ!
あっ。
久しぶりにみたなぁ。「魔創」。
大きいので。買ったやつかぁ~。
何個か、、出してみたいのは有るけど、今は絶対に無理だな。
あ~あ。
ポーチから10円チョコを取り出して口に放り込んだ。
そして。
椅子に座りながら。
いつの日かの、と思いに耽る。
あ~。音楽が聴きたいなぁ~。
いつも読んでいただき感謝いたします。
ソロソロ魔物相手に短剣では厳しいのかもしれない。