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魔物


昨日の夕食は孤児院で仲間と一緒に楽しく食べた。

食事は仲間同士。大人数が揃うと楽しいよね。

あぁ。正確には仲間とは言えないけどさ。

話が弾むし料理が1・5倍は美味しくなるもん。


その時に思い出したこと事があってね。

前から凄く気になってた事をなんだ。


 あっ!思い出した~。

 そうだった!会えてよかったよ!。

 ケリの事だ。


俺が15歳になったんだから。

一つ歳下のケリオサは、今年で14歳でしょ!。

冒険者ギルドに登録して仮冒険者になってるんじゃない?。

駄目だなぁも~~、自分の事ばっかりでさ、、。

ホントに大事な仲間の事を忘れてたよ。

だから。

近くの椅子に座って、目の前の食事に夢中な後輩。

串焼きをモグモグ食べてるケリオサに声を掛けたんだ。


 ケリ!ちょっと良いかな?。

 俺から聞きたい事があってさぁ。

 あっ、あっはは。御免、。

 

   ウグッ、、うえーっ!。

   なんだい?僕に用かいシン。


ケリ。急に声を掛けて御免よ~。

あ~ケリが胸をトントン叩いてる。

串焼きの大きな肉が喉につっかえた?。

危うく食べ物で窒息しちゃうところだったね。


 あはは、、、もう大丈夫かい?御免ね~。


まだ息遣いの荒いケリオサが俺の方をみた。


   はあ、はーあ、はーあ。

   なにシン?。


 いやぁ~俺ってさ。

 ケリの事をすっかり忘れててさぁ~。

 ケリは、今年で14歳になったよね~?。

 だから、年明けに1人で冒険者ギルドに登録して。

 もう仮冒険者になってるのかなぁ~ってさぁ。

 無事に登録できてればいいけど、ほらあそこってば。

 1人じゃ、、ギルドは怖いかな~ってさ。

 だから、もしもだよ?。

 登録がまだならさぁ~。俺が一緒に行ってあげるよ!。


ケリオサが俺の方を見てウンウンと頷いてる。

あぁ~怖いって事の同意?かな。

それで?登録した?。


 ケリは仮冒険者登録したの?。


まだ答えないから念押しで聞いてみた。


   俺は、、。

   まだなんだ!。

   冒険者ギルドには、まだ登録出来て無いんだよ。

   何回かギルドの近くまでは行ったんだけどね。

   あそこってさ、冒険者の人達って、。

   物凄く怖そうな人が入口の所に一杯居るでしょ?。

   登録しなきゃって。毎回ギルドの近くに行くけど。

   いつも怖そうな人が居て。

   、、。


喋る言葉もつかえ気味で。

ケリオサは俯き加減で元気が無くなったよ。

最後は小声で。

   

   僕1人だと、近づけなくて。

   絶対に冒険者ギルドは怖すぎる!。

   あそこに入るのなんて無理だよ。


ケリオサは。もう泣きそうな位、情けない顔だよ。


 あ~~~~~!。

 分かるよ!分かるなぁその気持ち。

 それさぁ~1年前の俺達とまったく同じだよ。

 俺とアルロの時もさぁ。

 離れた建物の陰からギルドを覗いて。

 うあぁ~ってヤバい人だらけだったんだよなぁ。

 2人でメチャクチャ怖がってたもん!。

 ホントにあそこの感じは、今でもイタだけないヨ!。

 今は俺も多少は離れたけど。

 見た目の、あぁ~。厳つい人だらけだものね~。


ホントに冒険者ギルドの周りは、ダメ!。

一般人には近づき難い場所のナンバーワンだ。


 でもさぁ~。

 俺達2人の時はね。

 運良くね良い人に助けられてさ。

 それも若い女の人だったよ。


  ーーーねえ?あなた達はこんな所で何やってんの?ーーー

 

 こんな風に。

 後ろからいきなりだったなぁ。

 覗いてる俺達が可笑しかったらしくてね。

 まぁ、その女の人も冒険者でさ。


 事情を説明したら、手助けしてくれてね。

 ギルドの中に無事入る事が出来たんだよなぁ~。

 登録も出来てギルドの人にも紹介されたよ。

 ホント感謝だよ!。


ケリオサに。俺とアルロの時の事を説明して。


   へぇー。

   シンとアルロも同じだったんだね。

   でも僕には誰もいなくて。


 よ~し!。

 ケリ。明日は俺と冒険者ギルドに行こうよ!。

 でぇ~~。仮冒険者の登録をしてこよう!。

 それで登録できたらさ。

 その後は俺と一緒に簡単な依頼を、あれ?。

 依頼、依頼?。

 あぁ~依頼かぁ~何が良いかなぁ~?。

 初心者でも安全なヤツ?でしょ。

 俺もロクに依頼仕事をして無いしなぁ~。

 俺とアルロは最初から2人だったし1人のは?。

 なんだろう?思いつかないやぁ~。

 うぅ~ん。

 あぁ~。

 受付にヒビカさんが居たらアドバイスを貰えば良いかな?。

 あっ、でも。


ヒビカさんに会うと、また、、野芋堀とか?。


 まさかねぇ~。


いやぁ~!出来たら他が良いんだけどなぁ~。


 とにかくだよ。

 明日は朝から俺と冒険者ギルドに行こうよ。

 ケリはソレで良いかい?。


ケリオサが俺の方を見て泣きそうに喜んでるよ。

あはは、目に涙が溜まってるじゃんか。

零れ落ちそうだ。


   やったぁーー!。

   それなら僕も、明日から冒険者になれるよね!。

   ありがとう、シン!僕は最高に嬉しいよ。

   あーーーー冒険者だ。

   なれるんだ、やったぁー!。


ケリオサは椅子から立ち上がって両腕を天に向けて。

大喜びしてるよ。

そんな風に喜んでるケリオサをみんなが見てる。

あ~服で涙を拭いたなぁ。


そんなケリオサの姿を見てた。

ケシーレさんが声を掛けた。


   まあ。

   アルロの言った通りになりそうね。

   ケリオサあなたもこれで前に進めそうで良かったわね。


   ふふふ、シンあなたも有難うね。

   あなた達がみんな仲間思いで嬉しいわ。

   ケリオサの事は、、。

   アルロも気にしてたんだけど、時間が無くてね。

   アルロはアルロで。

   初心者のラビリンスから戻ってみたら。

   あれよ。教会の神父からの話でしょ。

   受けた依頼が大教会への届け物なんてねぇ。

   無事に帰って来たのに。

   翌日には王都へ向かう事になったの。

   アルロも自分の時間が無くて。


ケシーレさんが俺を見て笑った。


   でもね。

   アルロは旅立つ前にこう言ったのよ。


    今。僕がケリオサの事を何も出来なくても。

    ロドラからシンが帰ってくれば大丈夫ですよ。

    必ずケリオサに聞きますよ。

    仮登録できてるかと。

    そして、シンが手助けしますから安心ですよ。


   こんな風にね言ったのよ。


ケシーレさんも話しながら笑顔で俺に言ったよ。

横に座ってるリビエさんも笑顔だ。

   

流石!アルロは違う。

ホントならアルロがやってただろうけど。

代わりに明日。

俺がケリオサをギルドへ案内するよ。

そして冒険者へと登録だよ。


 アルロ~!。

 代わりにやっとくからねぇ~。


俺の声を聴いてテーブルに着いてるみんなが笑った。


   シン兄ィ。明日は頑張ってね。

   シン兄ィ。ケリ兄ィを冒険者にするの?。


チビ2人に。


 ああ。

 明日からケリオサは俺と同じ冒険者だよ!。

 でもまだ半人前だけどね。

 あぁ~~~~ちょうど良かったなぁ~。

 料理多めに持ってて良かったぁ~。

 今夜は、、ケリオサの前祝じゃん。

 ささ!ケリオサ。

 一杯食べてくれ!。


俺の言葉に。

また、みんなが大笑いしてくれた。


   シン。

   先にお礼を言っちゃうよ。

   有難う。


 あはは!どういたしまして。


昨日の夜。

そんな出来事が有ったんだけど。

その後は夕食が済んで孤児院を後にした。

俺はまたジャスリーさんの宿屋に泊まる事にしたよ。


翌朝。孤児院へ向かう道を歩いてる時に。

昨夜の事を思い出してた。


 あぁ~~~ぁ。魔法袋もポーチにも、中身がぁ~。

 両方とも軽くなんてなって無いけど。

 あぁ~俺の気持ちが、、心がスカスカだ。

 また補給しておかないとなぁ。

 ヤッパリ食べ物は大事!種類も多めにだ。

 余裕を持って買っておこう。


お気に入りの食べ物がゴッソリ減っちゃったよ。

つい、楽しくて一杯出しちゃったからさ。

パンなんて、追加の追加で、今朝の分だからって。

何故か笑顔でラツェが言うし。

はぁ~バスケットで3個も提供しちゃったよ。


ラツェは。

今でも、たまに孤児院に泊まりに来るんだって。

俺より年上なのにさ、お調子者だよね。

ブツブツ文句を言いながら修道院の門を抜けて。

裏の孤児院を目指す。


 今日は面白くなりそうだなァ。

 へへへェ~冒険者ギルドへ行ってケリの登録でしょ。

 ソレから、、何をしようかなぁ?。

 ダンケロさんの所に行くのもアリだし。


ソンな事を考えながら歩いてると。

孤児院の入口にはケリオサが立っていたよ。


 あれ?。

 ケリは何でそんなとこに居るのさ。

 外は寒いのに、中で待ってればよかったんだよ。


   あはは!。

   シンが来るのを待てなくてね。

   だからここで待っていたのさ。

   だって!冒険者登録が出来ると思うとね。

   嬉しくって堪らないのさ、分かるでしょぉー。

   昨日の夜もね中々寝れなくて、、。


朝からニコニコのケリオサだ。


 ケリオサだけなの?。


   うん!女の子達3人は宿屋の手伝いに行ったよ。

   僕以外はいつも通りの仕事さ。

   あぁー今日が良い天気で良かったー。

   シン!早く行こうよ。


ジャスリーさんのトコだね。

あれ?来る時に3人とは擦れ違わなかったなァ?。

不思議だけど、まあ良いか。


 よ~し!ギルドへ行こうか!。


   うん。お願い。


そこから直ぐに向きを変えて、また歩き出した。

男2人でギルドへ向かうと。


 ケリオサは冒険者の準備とかしてるの?。


何となく聞いたけど。

俺の時は農家の手伝いとか、、。

ダンケロさんのトコばっかりだったからなぁ。

あぁ~ロイスさんに皮の上着を貰ったんだ!。

それにダンケロさんにも、ナイフを貰ってるな。

ここ1,2年を振り返ってみると。

俺って運が良いのかなぁ~。


   仮冒険者ってさ良く分からないからさ。

   何も準備は出来て無いよ。

   ケシーレさんもリビエさんも分からないって。

   だからコレからだよね。

   あー道具とか、何が居るのかなー。

   僕は、、お金ないけど。


 まあ最初は町中の依頼だろうから。

 心配しなくても大丈夫じゃ無いかな。

 俺達なんかは、アルロと2人で最初の内は。

 農家の手伝いと、、。

 ダンケロさんの所ばっかりだったよ。

 あそこで美味しいご飯も食べたし。


   えぇーそんな事があったの?。

   良いなーソレ。

   美味しい御飯、、、夢みたいじゃない。


俺達みたいな孤児院育ちだと、そうだよね!。

美味しい食べ物が最高だ。


 あはは!紹介するからさ。

 ケリオサも仕事を貰えば良いんだよ。

 ダンケロさん良い人だし、弟子の人もだよ。

 まあ、もの凄く熱い時も有るけどね!。

 

2人でお喋りをしてたら直ぐに冒険者ギルドが見えて来た。

今朝もギルドに近づくと、、。

数組の強面の冒険者達がたむろしてる。

一般人と初心者避けだよ。

ホント最悪!。


 さあ行くよ。

 冒険者ギルドに入るからケリもついて来て。


すたすたと歩いて行き。

ウザイ冒険者達の近くを抜けて。

ギルドの入口の1段をサッと上がった。

数歩進んで扉を抜けてギルドの中へ入るよ。

直ぐ後ろにはキョロキョロしてるケリオサ。

あはは挙動不審だよケリ。

広いフロアーには人気が少なかった。

でも。

右手のテーブルには数組の冒険者がいて。

グループで談笑してる?。

見過ぎると危険だから前を見て。


 さあケリオサ。

 冒険者ギルドの中に入ったよ。

 ほらほら!。

 アソコに並んでるのがが受付窓口だよ!。

 中に受付の人が座ってるんだよ。

 お~ぅ、、。

 

おっと~。

真ん中の窓口に見知った女性の職員さんがいた。

朝からラッキー!。

それに。

まだ朝なのにギルドの中が空いてるじゃん。

並んでる受付窓口にも。

冒険者の列も無くて変なプレッシャーも無い。

俺がキョロキョロしても変じゃ無いし。

だから中の見通しが良くて。

ヒビカさんを運よく発見したよ。


 ケリオサ!。

 ほら、シャンとしなくちゃ駄目だよ。

 あの真ん中の窓口の女の人は知り合いなんだ。

 あそこの窓口に行くからね。


   あっ、うん、シンに任せるよ。

   あぁー僕、冒険者ギルドに入れたんだ。


ケリがなんか言ってるけど。

スススッとヒビカさんの窓口へ取り付く。


 ヒビカさん、お早うございます。

 俺。ロドラから無事に帰って来ましたよ。

 それで今朝は、仲間の登録をお願いしたいんですけど。


ヒビカさんが妙にニコニコしてる。

ん?。


   お帰りなさいシン君。

   私は、、、、待ってたわ。

   さあ!すぐに依頼を書くからね!待っててね。

   あ~!あの子にも頼まれてるから、、。。

   ふふふ。

   これからは、、また食べれるわ!。

   依頼表は、、。


俺の目の前で、、依頼表を作ってる?。

、、まさか。

うぉ~~書くスピードが早!。


   はいこれ!。

   今日の分の依頼票ヨ。

   あぁー数は、、掘れるだけで良いからね。

   出来たら大きいのが望ましいけど。

   あなたが消えてた、、。

   この2週間は辛かったわ。

   お店からメニューが減っていくのよ。

   あぁー!あれは駄目。


違う!。

違う、違う、違う、違う、違う、違う。

絶対に違う。

目の前の依頼表は受け取らない!。


 あの~。

 ヒビカさん。

 俺への依頼の前にお願いがあります!。

 仲間の仮登録をお願いしますよ。

 今日は。

 14歳の仮冒険者への登録に来たんですよ。 

 はら!はら!。ここにケリオサ前に来て。

 この子の仮登録を頼みたいんです!。 


オドオドしてるケリオサが窓口の前に立った。

ヒビカさんは驚いた顔をして俺を見たよ。

だから俺じゃ無いってば。

ケリオサの背中を軽く叩いて話させる。

 

   あっ。

   僕。ケリオサって言います。

   仮冒険者の登録に来ましたのでお願いします。


ここでヒビカさんの状態異常が解けた。

最低の魔法だよ。


 はい!。

 仮登録ね全然大丈夫よ!

 ケリオサ君。君はシン君と同じ孤児院の子かしら?。


   はい!3歳から孤児院に居ます。

   今年で14歳になりました。 


 そうなのね。

 仮登録の手続きを恥じますね。


 じゃあ最初に。

 この板の上に手を載せてくれるかしら。

 利き手が望ましいけど。

 はい良いはよ!。

 次はこの細い金属棒にね、この針でね。

 あなたの血を少し付けてくれる?。

 うーん!指先でするのが楽かもね。


ケリオサが俺を見たよ。


   言われた通りにすれば大丈夫だよ!。

   俺もアルロもやったよ。

   すぐ終わるからさ。


俺の言葉で安心したケリオサが、、。

小指に針を刺したよ、小さな血のボールが出来て。

小指が金属棒にツンと触れたら。

金属棒が少し光って見えたよ!。

相変らず謎な仕組みだ。


 うあぁ~小指は痛そうだなァ。

 ケリってさ、そうゆう所は俺と違うよなぁ。


   えぇーそうかなぁ?


ケリオサのギルド彰が無事に出来た。

細い金属の棒だ、色は俺の黒と違う!。

ケリの色は、、銅色ポイかな


   はい!。

   コレが君のギルド彰だからね。

   ケリオサ君。

   くれぐれも無くさない様にしてね!。

   再発行には、少なく無いお金が掛かるから。

   後は信用も下がるわ。

   細かい事はシン君に聞けば分かると思うから。

   ここでは説明しないでおくわ。


   シン君!後輩の面倒を見るのよ。


 ええ!そのつもりです。

 今日もこれから、、、この依頼票で。

 仕事をしてきますよ。


へ~そうなんだ知らなかったよ。

再発行ねぇ~。


 ヒビカさん登録手続きを有難う御座いますね。

 ケリ無事に済んだよ!おめでとう。


   有難う!シンのお陰だよ。

   あーーーヤッタ!これで僕も冒険者だよ。

   

ギルドの中、周りを窺うけど大丈夫だ。

まだ空いてるよ。


 ヒビカさん。

 ギルドに道具とか武器って売ってましたっけ。

 ナイフが1つ欲しいんですけど。


   あそこの所に売店が有るからね。

   ナイフも売ってるわよ、小物も売ってるからね。


ヒビカさんが指さす所を見たら、、。

あ~~ホントに売店が有るじゃん。

今まで俺も知らなかったよ。


 あんな所に売店が有ったんですね?。

 初めて気が付きましたよ。


   まあ品揃えは少ないけどね。

   売店が在ると便利でしょ?。


俺が黙って頷くと、、。

ヒビカさんは座った姿勢から俺を見上げて。

 

   さっき、掘って来るって言ってくれたけど。

   シン君にはコレを受けて欲しいのよ!。

   私達の気持ち、あなたなら分かるでしょ!。

   また野芋を一杯掘って来て欲しいの!。

   マダマダ野芋のシーズンだけど供給不足でね。

   受けてくれる人が少なくてね、分かっるでしょ!。

   ね!お願いよ、、掘ってきて。

   待ってるのは私だけじゃ無いの、、。



そう言ってヒビカさんは後ろを見たよ、、。

あぁ~あの人かぁ~。

いつも手伝ってる女の人も俺の方を見てたよ。


 分かりましたよ。

 今日。これから掘って来ますからね。

 期待しててください!。

 この子と2人で依頼を受けますからね。

 じゃあ芋堀道具を借りて、外へ行ってきますね!。


そう言うとヒビカさんの目がウルウルしてる。

ホントに不思議だよ、ラッエも好きだし。

ケシーレさんもリビエさんも、、。

女子組全員だもの。

そんなに野芋が好きなのかなぁ~。

まあ美味しいのは確かだけどさ。


 ケリ!売店に寄って買い物をしてから。

 芋堀道具を借りて出発ね!。


   僕は良いけど?。

   野芋堀ってさあ?町の外へ出かけるって事?。

   それだと。

   あー僕初めてだよ町の外に出るの。

   そっかぁー!僕はもう冒険者だものね!。

   出れるんだぁー。


 そうだよ!ケリは冒険者さ。

 あそこで少し買い物をして出かけるよ。


ヒビカさんに挨拶をして窓口を離れた。

さあ!売店で買い物だ。

売店の武器売り場は狭い。


 えっと~、有った、これこれ!。

 ここだと意外と大きいのが3本並んでるな。

 ケリオサはどのナイフが良いと思う?。

 俺が御祝に買ってあげるよ!。

 だからこの3本から選んでよね。


俺を見てケリオサが驚いてる。

冒険者ギルドの売店の商品。

ナイフの値段は銀貨18枚から30枚の間だよ。


   えっ?。

   シン!ナイフの値段は凄く高いよ?。

   ねえ銀貨だよ?。

   30枚だよ?。

 

 大丈夫!お金は持ってるからさ心配しないで良いよ。

 ケリオサの好みのを選ぶと良いよ?。

 あはは!アルロも絶対にしたと思うからね!。

 この銀貨30枚のは奇麗じゃない?。


俺が指さし、そんな風に言うと。


   銀貨30枚!。

   無理だよ、あぁー高いよ高過ぎだ。

   でもこのナイフ奇麗だなぁ。


 よし!俺がコレに決めちゃうからね!。


   えっ?。

   噓、噓。


えへへ、銀貨30枚のナイフがカッコ良くてさ。

俺が勝手に決めちゃったよ。


 スイマセン!このナイフを下さい。


売店の女の人が俺を見て。


    このナイフは銀貨30枚よ。

    お金は大丈夫?。


 はいこれ!銀貨30枚です。


俺はスッとお金を支払ったよ。


 あと、、ギルド彰を首にかける紐を1つ下さい。


   あぁー、代金は確かに頂きました。

   紐はそこに有るから選んでね。

   紐の代金は銅貨30枚よ。


 ほらケリ!紐も選んで。

 紐でね、ギルド彰を首にかけるんだよ!。


   あっ、、うん、、。


オドオドと紐を選んだケリオサ。

俺はナイフを受け取りケリオサに手渡した。


 コレも俺とアルロからのプレゼントね!。

 あぁ!ベルトが無いじゃん!。

 スイマセン!皮ベルトも1本下さい。


そしてケリオサは腰にナイフを下げたよ。


 それって、大きめのナイフだからさ。

 色々と使い道が有ると思うよ。

 俺のナイフは、、コレね!ダンケロさんの作!。

 えっと~。

 凄い切れるから。


ちょっと自慢しちゃった!。


2人してギルドを出て町中を進み門を抜けた。

今はケリオサと2人で街道を歩いてるよ。

今日も天気が良いし!気分も良い。

でもなぁ~。

ヒビカさんの直接依頼で、また野芋堀だよ!。


   シン、、僕、町の外初めて見たよ。

   道が何処までも続いてるよ、、。

   凄いねぇー。


ケリオサがここでもキョロキョロしてるよ。


 ケリ!。

 ここからは街道を離れるからね!。

 アッチへ!街道を離れて草原の中を進むよ。

 俺の後ろ、足元に気を付けて歩くんだよ。

 足を取られて転ばない様にね。


   えっ!この街道を離れるの?草原って大丈夫?。

   

 大丈夫だよ、今まで魔物は出て無いからね。

 平気、平気~!。

 アッチに向かって、さあ行くよ。


2人連れで街道を離れる。

ケリオサは黙って俺に付いてくる。

気を付けながら草原を進み。

やがて足元は緩やかな下り坂になって行くよ。

低地へ向け進んで行く。

風でユラユラとそよぐ草。


草の揺れる音以外の音が耳に聞こえる。


 ほら!川の音が聞こえないかな?。

 ケリ!。

 今日の目的地の場所だ、すぐにミーレ川だよ。

 今日の目的の野芋はね。

 ミーレ川の川岸の土手に一杯埋まってるんだよ!。

 俺とアルロはさ、野芋の群生地を見つけたのさ!。

 

最後の川岸への段差を2人で降りると。


 ほら!あそこだ、ょ、ぉ?。

 え?。


俺の目に飛び込んできたのは。

川向こうの土手に動いてる異物だ。

耳にも変な音が聞こえてる。


ブブ、ブブゥ。

ゴフ、ブウ。

そんな音だ。


 はぁ~~~ぁ?。

 げっ!。

 アレ!土手の所に何か居るなァ~。

 アレって生き物?。


ミーレ川の土手を掘りまくってる、、動物?。


 あれは、、。


ケリオサが小声で。


   シン!

   アレって何?。なんかデカいよ!。

   もしかしてさぁ、、。

   アレ、魔物なんじゃ無いの?。

   ねえ?僕達危険じゃ無いかな?。


魔物?。

 

 なんだろう?。

 アンナのは、俺も知らないよ。

 魔物?。


2人の視線の先。

ミーレ川の土手に頭から突っ込んで土を崩し。

転がり出る野芋を食べてるの?。


俺とアルロの見付けた野芋だよ!。

てやりたいじゃん!。 

 

イノシシ野郎?、、ナリはデカいけど。

あぁ~4つ足の魔物かぁ。


 ケリ!アンナの2人でヤッツケよう!。


俺がそう言うと。


   えっ!無理!。

   無理!無理!失敗したら。

   僕もシンも大怪我じゃ済まないよ。

   無理だからね!。

 

そうかなぁ~?。

隠れて要相談、作戦会議を開こうか。

 

読んで下さる方々に感謝いたします。

誤字修正と加筆いたしました。


あぁ~魔物、でっかいイノシシに似てる奴。

シンとケリオサは戦えるかな。

15歳と14歳。


お肉!。

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