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棍棒の音


屋台の横に魔法袋から折り畳みの椅子を出して。

サッと座れる様にして、それに腰かけた。

 

 いやぁ~こんな待ちの時も便利だ。

 これも良い買い物だったね。


まあ、所詮は折り畳みだから小さいけど。

食事とか休憩なんかの短時間なら十分だよ。

そして。

ジュウジュウと耳に届く肉を焼く音と。

美味しそうな匂いを楽しみつつ。

俺は屋台の横から。

目の前を歩いている人間の観察タイムだ。

町の人に交じって冒険者達も行き交う。

ソロの人。2人組。3人組とかで色々だよね。

ホントに装いと言い、装備と言い、、派手?。

皆がメッチャ自己主張が強めだ。

そんな光景をキョロキョロと眺めていると。

広場の方から騒がしい声が聞こえて来た。


   あー思い出すだけで、、。

   チクショー!。

   あん時によぉー、パパッと上手く行けば。

   今頃ギルドの買取でよぉー。

   

男の声だ。

コッチニ向かって4人組の冒険者が歩いてくる。

はてな?何の話だろう?。

先頭を歩いてる人が、天を見上げて喋ってた。

余所見は危ないけど。


   俺だってムシャクシャしてんだからさ。

   もう言うなよ!。

   俺も悪いと思ってるんだから!。

   あーぁ。こんなだからラビリンスは厄介だ。

   アレが、、。

   魔石1個だけになっちまうなんて、、。

   悪夢だ。


後ろを歩いてる人が文句を言った。

あぁ~これは、何か失敗でもしたのかなぁ~。

魔石1個?。


   それは、、分かってるって。

   お前だけの責任じゃないさ!。

   3日かけての今回のラビリンス潜りは。

   たまたま運が無かったって事だろうな。

   アレが、、コレに化けるとはな。

   初めてじゃないけど、ガツンと堪えるぜ。

   はぁ。


そんな話をしながらトボトボと歩いて。

先頭の人がピンポン玉位の魔石を左手に持って。

クルクルと手の平で転がしてる。

おお~魔石!でっかいジャン!。

目を見開いてその仕草を眺めてると。

俺の斜め前に4人組が来た。屋台の前だ。

ここの料理を買うのかな?。


   おやじ。

   4人分を焼いてくれ。あー味濃いめが良いな。

   くぅー相変わらずここのは旨そうだぜ。

   おっと!その今焼いてるのも別でくれよ!。

   その焼いてるのは2人前だろ?持って帰って食うから。

   そいつは持ち帰り用に包んでくれよ。

   さて6人前、、全部で幾らになる?。


え~~~!だめ。

今、屋台で焼いてる肉は俺の分だよ!。

店主さんが出来立てを食えって、言ってくれたんだ。

それを焼いてるんだからね!。

横入りで横取りはダメダメだよ!。

俺だって。メッチャ腹が減ってるんだからね。

そんな無茶は言わないでほしいよ。


   悪いな~あんたら。

   今焼いてる肉は横の兄ちゃんの分だからよ。

   こいつを仕上げてからの調理だな。

   だから暫く待ってくれよ。


店主さん!言ってくれてありがとぉ~。

これで一安心だ。


   そうかよ!そいつは仕方ねえな。

   小僧!2人前たぁー豪勢に行ってるじゃんかよ。

   普段なら何とも思わねーが、今は、、。

   ちーとばかり羨ましいぜ。

   お前には、、。

   良い事があったらしいな。 

   

ヒョイッと。

屋台の横で椅子に腰かけた俺の方を向いて。

先頭を歩いてた人が俺に声を掛けて来た。  


 えっ?。

 俺にですか?。

 良い事は、、うぅ~ん。

 まあ、馬車旅で魔物が出なかった事、、。

 そんな位ですけど。

 

斜め上を見上げながら。

そんな風に返事をしたよ。

首を傾げて、考えて見てる俺を見て。

   

   ほーお。

   魔物が出ないなんて、ツイてるじゃんか!。

   そりゃぁー楽な旅だったろうなぁ。

   小僧!俺達なんかなぁ、、、。

   はぁあぁーー、、。

   いや!何でもない。


店主さんが興味が出たのかな、後追いで聞いたよ。


   兄ちゃんの方は、まあ良いけど。

   あんたらは、、一体何か有ったのかい?。

   今の言い方じゃあ。俺方が気になっちまうよ!。

   なあ?兄ちゃんよそう思うだろ。


えぇ~!俺にも話を振って来た。

ソンな事を言われてもなぁ。


 あはは。

 いや~!俺なんかが聞いたら悪いかもだし。

 俺は気にしない事にしますよ。


自ら危うきには、、近寄らずだよ。

危険回避。


   なんだよ兄ちゃん!。

   だらしないぞ!話に付いて来いよなー。

   先輩の冒険者の話だからな。

   良い勉強になるかもしれんぞ!。

   だから聞かせてくれよ!気になっちまって。

   オチオチ料理もしてらんねーよ!。

   なあ。


屋台の横から顔を出してきて。

関係無い筈の俺に同意を求める店主さん。

ああ、流れ弾が俺に掠ったよ。

さっきの感じだと嫌な予感がするんだけど。

俺は不参加の方向でお願いします。


 いやぁ~?。

 そこの所は、どうなんでしょうかねぇ~。

 微妙な問題かと思うんですけど?。

 ヨクナイ事みたいだし。


回避だ!。


   おいおい!なんだよぉもー!。

   その変な言い方はよぉー!。

   ガキのくせに妙に賢そうで何もんだ!。

   あー微妙とか言ってんじゃないよ。

   そんな言い草を俺にするとな。

   この肉が不味くなるぞ。


鉄板焼きの道具の鉄ベラ?でカンカンと。

目の前の焼けた鉄板を叩いて威嚇してきた。

いやいや!ソレ関係ないジャン!。

俺は無罪でしょ!肉も無罪だよ。

 

 そんな事言わないでよ~。

 肉は美味しく焼く様にお願いしますよ。

 あ~!俺も話が聞きたくなって来たかも。

 後学のために良かったらですけども。

 ちょっと聞きたいです。


脅しに屈した。

もうさ、しょうがないから。

店主さんに合わせて話をしたよ。

俺と店主さんとの今の話の掛け合いに。

4人組の冒険者さんは、嫌な顔をしている。

でも、、。


   なに簡単な事なのさ。

   今回、俺達のラビリンスへの宝探しは、、。

   はぁーぁ。

   最後で失敗したって事だ。

   8階まで潜って見付けた小部屋の中で。

   魔物を倒した後、銀色の小箱を見つけてな。

   ラビリンスの銀の宝箱だぞ。

   あーーーくそーぅ。

   思い出しちまったぜーー。

   目の前でこの手に。

   かぁー、、。


右手に拳を作り、左手の手の平を叩いた。

パチンと良い音がして、、。

そのまま。

後ろの仲間をチラッと見た後にまた話し始めた。

見られた方はシカメッ面だ。


   銀の宝箱、、。

   見付けた宝箱には罠が掛かってやがってなぁ。

   地下8階の宝箱の罠となりゃーよぉ。

   シコタマト色んな罠が有りやがるのよ。

   毒とか小爆発だとかな、、。

   空っぽの偽物とかだと最悪だぞ。

   

   そんでぇーだな。

   うちだとアイツ、手先が器用なんで任せてるんだ。

   カンなんかも良くて、斥候役でな。


また後ろを振り返ってる。

あっ。

一番後ろの人が腕を組んで睨んでる。


   でぇー、アイツがよぉ。

   宝箱の前に座り込んでな。

   掛かってる罠を外しに挑んだ訳よ。

   んで、運の悪い事に。

   銀の宝箱には鍵穴が2個も付いてやがって。

   厳重と来てやがった。

   でもしばらくしてな音がした。

   カチャっと。

   鍵の開錠の音がしたんだ。


お~開いたのか!。


   上手く罠を躱してな、1個目の鍵が開いたんだ。

   あと残りの1個の鍵を開けられれば、、。

   御宝を頂きだ!。


あぁ~あと1個。


   2個目の鍵は時間が掛かったぜ。

   でもアイツは開けた。


また振り返ってる。


   カチャっと2回目の音がしたんだ。

   上手く罠を作動させずに2個の鍵を開けた!。

   さあいよいよだ。

   4人で小さい宝箱を囲んでなぁ。

   あぁー、、。

   最後もアイツに宝箱の蓋を開けさせたけど、、。


   あぁーーーー。

   駄目だぁー!。

   ちくしょーーーー!。


説明、、最後の方の声が小さくなってるよ。

話してた人、、。


   何でああなった!くそー!。


今は大声で叫んでる。


   うるせーよ!。

   俺だって必死に罠を外したんだよ。

   しょうがねーじゃねーか。

   宝箱の鍵は2個とも罠を躱して開いたんだ!。

   でも最後のあれは罠じゃ無くて、、、。

   運が悪かったとしか説明しようがねーだろが。


後ろの人も切れてるよ。


   あーーあ。そんなに悔しいんなら。

   今度は俺にやらせないで、お前が試してみろよ。

   良いモンが出るかも知れないからな。

   まあ。

   今回より悪い結果になるかも知れんが。


一番後ろの1人を除いて。

前に居る3人がガックリと下を向いた。

今の言葉は心に突き刺さるように効いたらしい。

でもまた話し始めてくれた。


   銀の宝箱は。

   蓋を開けたら、、。

   スーーーと消えて行っちまった!。

   消えたんだよ。目の前からな。

   あーー消えちまったんだーー!。

   俺達の前からラビリンスの何処かへな!。

   小僧良いか?地下8階の宝箱だぞ!。

   地下8階だ!あの宝箱の中には、きっと、。

   良い魔道具とか。すげー魔法の武器、、。

   今持ってるこの魔法袋よりデカいのだって。

   あぁーー駄目だ!。

   俺の御宝が消えちまったーー!。

   俺のーーー。


説明をしてくれた人は。

頭を抱えて悶え、大声で叫んでるよ。

この状況、、ヤバくない?。

すると。

一番後ろで腕を組んでた人が、、。


   たとえ宝箱から御宝が出ても。

   お前のとは決まって無いだろうが!。

   このボケガぁーーー。

   あー。いつまでもウルセーんだよ!。

   もう。グダグダ言うんじゃねーよ。

   もう我慢できねぇーー!これでも喰らえや!。

   おらぁーぁーー!。


バコォー。


 うえっ?。


何で今の、、。

後ろから前に少し歩いて来て、、、。

説明してた人の右太ももに、バコォーンと。

良い音のローキック?を1発決めた。


横の仲間を1人巻き込んでね。

ローキックを喰らった人が倒れたよ。

あれは痛いなんてモンじゃ無いね。

俺だったら、、、たぶん逝ってしまう。

あ~巻き込まれた仲間も可哀そうに。

倒れた人が起き上がりそうだけど、、。

頭を振って、、蹴った人を探してるよ。

あっ。


土埃をパンと払いながら。

起き上がって蹴った人に近づいて行く。 


   おいおい。

   いきなりじゃねーかよ!。 

   俺が言った事はどこも嘘じゃァねーだろうがぁー。

   銀の宝箱なんて、、久々だったのにな。

   だからこうして憂さを晴らすしかねーんだ!。

   ありゃーよ、御前に言った訳じゃねーけどもよ。

   分かんだろー?。

   この最悪な気分がよぅ。


話しながら左手をサッと相手に向けて振り上げた。

さっき、起きる時に土を握ってたもんね。

あれで目潰しになるかな。


   この期に及んでの、起きざまの汚なさ。

   そんな小細工なんか御見徹しだ!

   間抜けが!。


さすが冒険者ジャン。

思わぬ攻撃にも、、そうならない観察力。

上半身だけ少し動かして避けて見せた。

でもそれがイケなかったの?。


   間抜けは、、お前だぜ。

   相変わらず、、まだこれに引っかかるのな。

   おらよっと!。


土の目潰しは囮、、。

あぁ~成程。2段攻撃なんだね、じゃあ後は。   

両手を伸ばして掴みかかり、、、。

2人はモロに後ろへ倒れ込んだ。

ドサッと音がして掴み合いだ。

ゴロゴロと転がって屋台から離れた。

でも少し離れた所で。

取っ組み合い状態になった。

残りの2人の仲間の人達だけどそれを静観してる。

我関せずと屋台の前から動かない。

俺も椅子から立って2人の乱闘?を見てる。

良いのかなぁ、立って見てるだけで。

冒険者同士の激しい乱闘?。  

屋台のおじさんも、手を止めて様子見だよ。

ちゃんと肉を鉄板の端に避けて。

焼き過ぎない様にしてるのは流石だね。

激しい取っ組み合いで土埃が上がる。


 あっ!今のは大丈夫なんですか?。

 何かがあの女の人に当たったみたいですよ。

 通りの小石が飛んで行ったのかな?。

 可哀そうに。

 ほら!痛そうにしてますよ、あの人。


すぐ横を避けて歩いてた一般の人が。

喧嘩の煽りを貰ってケガをしたかもだ。

それも被害者は若い女の人だ。

長い灰色のスカートを着てるけど。

足の下の方に当たったみたい。


ソンな事にも気付かず。

2人はまだ取っ組み合いをしてる。

こんな所が冒険者の駄目な所かもな。


 あっ!あれ。あっちから走って来るのって。

 アレって。ここの領兵なんじゃ無いですか?。

 誰かが詰所に連絡をしたのかな。

 あはは!。

 笑ったら駄目だけど。これはヤバいでしょ。

 今のこの状態って。

 確実にあの2人が犯人?ですよね。


お揃いの装備を身に着けた5人組の領兵が、、。

腰には剣を下げ。手には、、2m程の棍棒かな?。

4人が2人を取り囲むと。

ちょっと偉そうな人が。


   

   白昼の往来での喧嘩沙汰とは。

   ジャーレンタの町中で暴れるとはなぁ。

   呆れる程に良い度胸をしている。

   その上。

   婦女子に怪我迄負わせる始末。

   一般人に傷を負わせ。まだ暴れている。

   

   お前達!こいつら2人を取り押さえろ!。

   良いか!程々に痛めつけてやれ。

   骨の1本や2本が折れても天罰だ。

   やれ!。


囲まれてるのも分からないらしい。

未だに取っ組み合い中の2人に向けて。

4本の棍棒が打ち付けられた。

振り上げて叩きつけた。

バチン!コン!バチン!ゴン!バチン!バチン!。


   ギャァーーー!。

   止めろ止めろ。

   ギャァ!。

   グェ!折れる折れる。

   止めてくれぇー。

   あーーー・

   頼むーーぅ。

   やめてぇー。


見る間に2人は喧嘩どころではなくなり。

身を丸くして棍棒を避けるために転がってるよ。

その転がってる最中に謝ってるけど、、。

まだ棍棒は2人に向けて振られてる。

バチン!コン!バチン!。


   ぐあぁーー。

   うぅー。

   はぁー。

   ボキ。

   ギャァーーー。


あぁ~。見てるだけで痛そうだ。


 うあぁ~~~~!。

 あんなの無理、痛そうだぁ~~。

 ねえ?ねえ?。あなた達は仲間でしょ?。

 あれ助けに行かなくて良いんですか。

 あの2人、間違いなく大けがですよ、、。

 骨折してそうなんですけど、、。

 あ~、何か所も、、。


残りの2人は動かない。

恐ろしくて動けないのかも?。

今出ていくと仲間と言われてしまい。

同じ目に合いそうだもんね。


   小僧!馬鹿を言うなよ。

   今。あの場に出たら俺達まで道連れだぜ!。

   可愛そうだが、あいつらの自業自得だ!。

   これから捕まって詰所の牢獄行きだろうから。

   後で様子見に行くさ

   あいつらのケガも骨折程度なら。

   その時にポージョンで治せば良いさ。 

   まあ。

   お陰で無駄な金が掛かるがな。


 えぇ~可哀そうだなぁ。

 あ~棍棒の動きが止んだ。

 止まったけど、ボロボロですよ2人。


あぁ~最悪じゃ無いか。

ラビリンスで宝箱を見付けても。

御宝を手に出来ず。

失意で町に戻って飯にアリツコウトした時。

屋台で俺と出会ってからの失敗談せしょ。

それから仲間でケンカ。

それに棍棒で無残に殴られて大けが。

今日。あの2人は地獄を見たね。

美味しいサイコロステーキは食べれそうにない。

話をして、そんな事を考えてると。


 あぁ~2人共。

 両手と両足を縄で結わかれちゃった!。

 ここから如何なるんだろう?。

 その間も痛がってたよな。


様子を見ていたら荷車が1台やってきて。

手荒く2人をドスンと載せたから。

その時にも声が聞こえた。


   ギャー!。

   痛いから動かすなぁー。

   頼むから、頼むからー!。

   頼むよぉー痛ぁ。

   ギャァー。

   グゥー。動かさないでくれぇ。

   無理だぁー動かすなぁー。

   アァーそっちに動かさないでくれぇー。

   折れてるからーぁ。

   痛い痛い痛い。

   おーい。居るんだろー見捨てるなァー。

   仲間を見捨てるなよぉー。

   ゴラァー!。


2人を載せた荷車がこっちに向かって進み始めた。

こっちに来るとか、、予想外だ。

そして目の前をゴトゴトト進んで行くよ。


   うぅー。

   おまえら!覚えとけよなぁ。

   グェーー痛ェー。


1人は確実に右腕が折れてたよ。

あの人は後ろの方に居た人だよなあ。

だって肘から先が変な風に曲がってたもんね!。

それに足もヤバいかも知れない。


話してくれた人の方を見ると、、。

顔の頬辺りが腫れてるよ、頬骨が折れてる?。

先の人と同じで腕も折れてて両腕共だ。

剣で切られて無いだけマシかもだけど。

正にボッコボコだよ。

直ぐに助けてあげたいけど、、無理そうだ。

だって、仲間の人も後でって言ってるし。


振り返って屋台の主人に話しかけた。


 おじさん、何だか大事になっちゃったよ。

 あの2人、、大けがしちゃったし。

 大丈夫かな?。


心配なんで聞いてみると。


   あー兄ちゃんは、まだ新人だもんなー。

   そんでビックリしてんのかい。  

   まあ大丈夫だろうよ冒険屋なんてのは。

   なんだかんだ言ってもアンナのが多いんだ。

   喧嘩なんかするのは、しょっ中だし。

   ほれほれ!横を見てみろよ。

   こいつら2人なんて、仲間の事より肉を見てるぞ。

   アン位のケガなら、こいつらの持ってるポージョンでな。

   ササっと治せるんだよ。

   だからな。 

   そんなにあいつらの心配なんかすんな!。


えぇ~~そんな~。

アンナに滅多打ちにされて大怪我なのに。

気にすんなって!。

俺の中の冒険者のイメージが更に急降下するじゃん。

はぁ~、コレから俺の冒険者としての活動、、。

メッチャ不安だよ。どうしよう。


   ほい!お待たせだな。

   焼き立ての肉だ!旨いぞ早く食えよ!。

   おらよっとなー!。


木皿の上の美味しそうなサイコロステーキを睨み。

ふぅ~と息を吐いて、また横の椅子に座った。

肉には長い楊枝が2本刺さってる。

これで食べれば手も汚れないや。

アぁ~良い匂いだ。


 いただきまぁ~す。


大きめの肉を1つ口に運ぶと。

塩気と香辛料がブワッと感じられて。

ほんのりと甘く熱々の肉が最高に旨い。


 おじさん!メチャ旨だよ!最高だ。

 あぁ~、コレを買ってよかった。

 次々と食べれちゃう。

 旨すぎィ~。

 

 あぁ~。

 アルロと早く会いたいなぁ。

 コレを食べたら孤児院に行かなくっちゃ!。

 お土産は。はぁ~魔法袋の食べ物で誤魔化そう。

 それから宿かな、親方にも会いたいけど。


   聞こえたぞ!なんだ小僧は。

   お前は、ここの町の孤児院の出かよ。

   じゃあ、、。


   

2人の冒険者が俺の方を覗き込んで来たよ。


 ええそうですよ。

 修道院のトコの孤児院出身ですけど。

 なにか?。


何だろう。   


まだ。アルロとは会えてない。

それに何だろう。

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