地下2階
大雪から4日目の朝。
宿の部屋でお好み焼き風を1枚ぺろりと平らげ。
ラビリンスへ出掛ける準備をした。
昨日は休んじゃったから。
今日からまたラビリンスへ行くこう!。
皮の新しいズボンも問題無し。
ポーチ良し!魔法袋も付けた。
うぅ~ん。
短剣は街中では要らないよなぁ。
ナイフだけ腰に付けて出ればいいかな。
ダンケロさんから貰ったナイフを腰に下げて。
宿の部屋を出ました。
鍵を預けて雪の多く残ってる道へ出ると。
泥濘を避けながら広場へ向かって歩いて行く。
うひょぉ~。
雪が解けて最悪の道になってるし。
さて馬車は止まってるかな。
おっ!2台も止まってるじゃん。
急ごうか。
御者に挨拶して代金を払い乗り込んだ。
暫くすると馬車は動き出し町の外へ。
状態の悪い街道を馬車は低速で進んでゆく。
時折ヌルヌルと車体がよれて。
違和感マシマシで。
お客さんには悪いけど。
街道がこんな状態だからさ。
ラビリンスまで余計に時間が要るんだ。
その心算で頼むよ。
まあね。
道がこれじゃあ仕方がないよね。
この辺りには、まだ雪が多く残ってるし。
その溶けた水の逃げ場も無いよ。
そんな道を馬車はノロノロと。
ラビリンスの入口の穴に向かい。
轍に嵌りながらが進む。
ふぅ。
やっと到着だ。
ラビリンス前に着いたぜ。
降りてくれ。
足元がぬかるんでるからな。
転ばないようにな。
乗り合わせてた冒険者達が。
次々と降り始めたよ。
最後に俺が降りようかな。
ここも。
ホントにドロドロじゃん!。
避けながら進まないと大変だなコリャ。
最初の時に役人ぽい人が居た小屋は。
窓も閉まっていて留守っぽいけど。
あれから人は居ないみたいだ。
何であの日は居たんだろう?。
不思議だけど、まあ良いけどさ。
小屋の前を。
ピョンピョンと歩き易い所を探しながら。
ラビリンスへ降りる階段前に到着した。
あぁ~何だよコレ!。
階段もドロドロじゃんか!。
コレを降りるのも気を抜けないなぁ。
滑り落ちない様にしなくちゃ。
階段で余計な時間が掛かったけど。
地下1階に降りて来たよ。
ふう。
今日はどの穴に入ろうかな?。
順番だど此処から3番目だよな。
それでいいかぁ~。
魔法袋から短剣と小盾を出して身に着ける。
腰に短剣、左腕に小盾だ。
3番目の通路に少し入って。
「灯り」の魔法を使ったけど。
今日から俺は。
頭にも帽子をかぶってるから。
帽子の天辺に「灯り」を灯したんだ。
あぁ~。
これだと光が今までと何か違うなァ。
帽子の鍔で足元が影になっちゃうし!。
目の前の所が少し暗くなっちゃうかぁ!。
如何しよう!うぅ~ん難しいなぁ。
でもなぁ他は、、。
視界が万全じゃ無いけど。
暫くはこのままで行ってみようか。
何となく気になるけど。
通路をそのまま歩き出したよ。
すぐに暗闇から1匹のゴブリンが現れて。
俺に向かって走って来た。
おっと!準備しないと!。
この短剣で彼の世へ送ってやる!。
腰の短剣を引き抜き準備した。
魔物との遭遇が早いじゃないかよ!。
うん、こいつは素手のやつだな。
ギャギャ!。
ギャ。
いきなり現れてきやがったな!。
素手で今の俺に向かって来るなんて。
バカなヤツ。
両手を俺に向けて走ってきて。
ゴブリンの走るスピードは案外速くて。
最後は身体ごと飛び掛かって来たけど。
左手の小盾で横殴りにして。
ゴブリンんの両手を払ってやったよ。
おらぁ~。
お前達なんかに捕まるもんかよ!。
手を叩かれたゴブリンは。
俺の目の前で体勢を崩したから。
そこに合わせる様に上手く。
右から短剣を左へ向けて勢いを載せて。
切り払った。
グ。
ゲェ~!。
短剣がゴブリンの右脇の胴体に。
半分ぐらい食い込んだ。
あぁ~止まっちゃった!。
ヤバいヤバい!。
くぅ~!コノ!コノ!
俺もグラつきながら。
左足でゴブリンを蹴飛ばして。
何とか距離をとって離れたよ。
メッチャビビって。
ちょっと焦ったけどね。
相手のゴブリンと言えば。
横に倒れ込んで息絶えていた。
今のは。
上手く行かなかったなぁ。
ゴブリン相手でこれかぁ~。
階位が上がったし少しは変わるかな何て。
考えてたけど、変わらないや。
その場で小盾と短剣の確認もしたよ。
道具のは問題無しだな。
倒したゴブリンの。
ラビリンスへ消えていくを見ながら。
通路の前後の確認もするよ。
他の魔物は現れてはこなかった。
一安心だ。
あぁ~魔石が残ったな。
小さいけど。
足元の魔石を拾い魔装袋に入れる。
そして、また通路を奥に進んでゆくよ。
暫く行くと今度は部屋を見つけた。
そっと入口から中を覗くと。
今度はスケルトンが1体だな。
それもボロボロの短剣を持ってるやつジャン。
あいつにも、。
小盾で短剣を持ってる腕をバンとやって。
短剣でパキンと骨を折っちゃえば。
俺の勝ちだけど油断大敵だな。
俺が部屋に入るとスケルトンが動き出す。
お前たちスケルトンは。
カシャカシャと五月蠅いんだよ。
ゆっくりとした足取りで。
スケルトンの動きは遅いけど。
剣を振り上げて向かってくるよ。
俺が前へスッと距離を詰めると。
スケルトンの剣が降り下ろされてくる。
振り下ろした時には俺は横の避けてるよ。
タイミングのズレた剣が床に当たる。
ギィ~ン。
お前の剣なんて。
遅くて俺でも避けれるんだよ!。
俺は右側に避けたから。
スケルトンの背中に向けて短剣を振った。
お腹当たりの骨を何個か粉砕したよ。
カン、ガラボキボキ。
そんな音を残して崩れ落ちるスケルトン。
足元でバラバラの骨が動いてるよ。
そんなに骨が動くとキモイっての。
止めだ、それ!。
頭蓋骨に向かって。
右手の短剣を振り下ろした。
バキン!。
切ったって言うより割った感じの音がした。
崩れたスケルトンの骨から。
少し離れて小部屋の中を見回したけど。
何にも無さそう。
短剣を鞘に戻して深呼吸だよ。
はぁ~~!ふ~ぅ~!。
俺ってスケルトンの方が戦い易いかなぁ。
うぅ~ん。動きが遅いからかぁ。
何だろうなぁ。
あぁ~こいつは。
魔石も残ってるけど短剣も残ってるよ!。
文句を言いつつ。
短剣と魔石を魔法袋に入れてから。
通路に戻って先に進んで行った。
ラビリンスの奥へと。
それからは。
通路でも3回もスケルトンに遭遇したよ。
わぁ!2体で同時に向かってくんな!。
このこの!くらえ!。
カン!ポキ。
小盾で相手の剣を弾き飛ばしたり。
小盾で押し返して転ばせたり。
短剣で体の骨を折りバラバラにして。
頭蓋骨を短剣で吹っ飛ばしたり。
たまに上手く行かないけど。
なんとかそいつらを何とか倒して。
通路の奥を目指してる。
2体組のが連続で2回とかキツカッタよ。
休む間もなくの連戦で。
4体とも短剣持ちでさ怖かったの何の。
でもその後には。
ボロボロの短剣が2本残ったよ。
それに6個の魔石が魔法袋に残った。
そして小部屋を見つけて覗くと。
中にはスケルトンが1体だけだった。
中に居るのは1体だけだ。
ここを攻略出来たら休憩しようかな。
今までと同じで良いと思うけど。
注意していかなくちゃ。
怪我なんてしたくないよ!。
痛いのは嫌いだからね。
そんな事を思いながら部屋の中へ入った。
ガシャガシャ!。
俺に向かって歩き出すスケルトン。
動きを合わせる様に俺は小盾を構えつつ。
相手の左側に回り込む形でユックリ動くよ。
スケルトンが剣を振り下ろしてくる。
同じ動きだから合わせやすい。
小盾で剣を擦りながら弾いてやると。
ボロボロの剣はラビリンスの床を叩く。
ギィン。
スケルトンの少し左前に立ってる俺は。
右手の短剣を横の振り抜き骨を砕く。
その時の手応えは凄く軽くて。
パキン!。
ガラガラガラ。
体を支えてた骨が砕けて。
一気に崩れて行くんだよ。
それでね。
頭蓋骨がコロコロと転がるよ。
床で横向きの頭蓋骨へ。
喰らえ兜割だ!。
短剣を軽く振り落とすと。
バキ。
そんな音を残してバラバラに割れていく。
ふぅ~今回も上手く倒せたな。
やっぱりスケルトンの方が倒しやすいか?。
なんか、そんな気がするけど、、。
まあ、まだそんな余裕は言ってられないかな。
それから。
部屋の様子、四方を確認だ!。
キョロキョロしながら動いて。
壁や床に頭の上の「灯り」を向けていく。
ヤッパリ地下1階じゃ何にもなしかぁ~。
つまんないやぁ~。
スケルトンは、、消えてるな。
魔石も無しかよ。
流石に地下1階から御宝は無しだね。
ケチらずに何か出ればいいのにさ。
通路に戻って先に進もうか。
また薄暗い通路を1人で進んでゆく。
単体のスケルトンの骨を砕き魔石に変え。
うるさいゴブリンの横っ面を小盾で殴り倒し。
何体か短剣で首をはねてやった!。
そんな戦闘を繰り返して進んでると。
通路の風景が変わった。
お!。
コレは下へ降りていく階段かな。
やった、地下2階への入口だろこれ!。
でも下に居るのもスケルトンなんだよなぁ。
強さって同じかな?。
まぁ~た。
何も聞いて来なかったからなァ。
ラビリンスに、つい勢いで来てるけど。
今回もここの情報は、、、。
なにも知らない!。
せっかく見つけた階段だし。
大丈夫でしょ!。
ちょっとだけ行くだけ行ってみよう。
ちょっとだけ。
下への階段を進んでいると。
踊り場が見えて来た。
階段はそこから90度左に曲がってる。
あれ?さっきまで見え無かったよねぇ。
なんだろうコレは。
踊り場に立って。
階段の上の方と下の方を見てみたけど。
変な感じはしないんだ。
もうそろそろ昼だろうから。
ここで休憩しながら食事にしちゃおう!。
こんな所なら魔物も湧かないよね?。
踊り場の隅に魔法袋から。
折り畳みの机と椅子と出して立てた。
ヤッパリこの方が楽だよなあ。
両方買って大正解だったな。
布を地面に敷いて座るより良いよ。
今日は何を食べようかな。
ポーチの中に手を入れて考えてる。
木皿を1枚と木箱を出して。
よしきめた!。
串焼きを食べよう。
お腹も減ってるし。
3本くらい食べちゃおうかなぁ。
串焼きの入った包みを1つ取り出して。
3本を皿に乗せて、残りは又包んで仕舞った。
この味の串焼きも美味しいな。
塩と、後何か味が付いてるけど、、。
何だろこれ?。
こんなの1本なんて。
あっと言う間に食べれちゃうじゃん!。
ポーチから水の入ったペットを出して。
水を飲むよ。
ペットボトルってさ便利過ぎだよね!。
奇麗に使えば何回もる買えるしさ。
丈夫で長持ちで。
まあコソット人目を避けて。
宿で隠れて入れてくるのが面倒だけど。
何だか場違いな状態の食事風景。
でも本人は最高にリラックスできてるよ。
ウキウキしながら食事を済ませると。
この階段を降りれば地下2階か。
これまで以上に気を付けて戦わないとな。
椅子や机を魔法袋に仕舞。
小盾を左手に短剣も腰に装備していく。
帽子の上の「灯り」を気持ち明るくして。
行くかな地下2階へ。
階段をトントンと降りて行く。
最後の1段を降りると、もう通路だよ。
通路は同じ感じだな。
魔物はどんな感じかな?。
それは。
この通路を進めばわかるか!。
ああ、短剣は抜いて持ってよう。
短剣を右手に持ち。
止まっていた足を前に進める。
さっきより気持ち明るく見える通路。
うぅ~ン変わらないなぁ。
げっ!いきなり部屋があるじゃん。
右の壁に穴が開いているよ。
さて地下2階の最初の部屋では。
何が居るかな?。
部屋の中をそっと覗くと。
スケルトンが1体部屋の隅で佇んでいた。
おっ!運が良いかな。
ボロボロ剣持のケルトンだけど。
1体なら多少動きが違っても行けるでしょ。
あとは自分だな。
「灯り」良し。
短剣も良し、小盾も大丈夫!。
行くかぁ~。
小盾を前に構えて部屋に踏み込む。
いつもと同じ様にスケルトンも動き出す。
ガシャガシャガシャ。
音が違う?。
ヤッパリ階層が深くなると。
魔物も何かが変わるんだな!。
スケルトン野郎。
お前!。
ほんの気持ちだけ動きが速いだろ?。
向かってくるスケルトンに文句を言いつつ。
俺に向かって振り下ろされる剣を。
左手の小盾を斜めに当てて。
キン!。
ガシン。
そんな音をっ立てて横へ払い除けたよ。
スケルトンの剣が床を叩いた音も大きい。
盾に当たった衝撃も少し強かった。
何だよ!お前って力も強いのかよ。
いきなり厄介じゃんか。
剣撃をいなされて。
体制の崩れてるスケルトンに向けて。
俺は右から左へと短剣を振るった。
バキンバキン!。
俺の振るった短剣で。
スケルトンの骨が目の前で折れていく。
右腕の骨、肋骨、背骨、肋骨。
カン!ガラガラ。
まだモソモソと動く骨。
カラカラ、カラカラ、カラカラ。
いつまでもうるさいよ。
お前の頭蓋骨もバラバラにしてやる!。
おっりゃぁ~。
バキン!。
頭蓋骨が砕け散り。
スケルトンの骨の動きが止まって。
小部屋の中が静かになった。
ふぅ。
スケルトン1体なら良いけど。
、、。
地下2階、ヤッパリ違ったなァ。
ここの部屋も中を見回して。
何か無いかを探してみるけど。
何も無くて変わらない。
はは、まぁ。
最初だしね。
スケルトンの残証は消えて行き。
短剣と魔石が残った。
おっとぉ~!光ってるじゃんかぁ~。
なんだアレ?。
スケルトンの消えた場所へ向かい。
屈みこんでボロボロの短剣を退けると。
いつもの魔石が1個と、、。
何だコレ?。
変なの見っけぇ~!。
ビー玉みたいな大きさの丸い金属が1個。
それを手に取ると。
軽いなぁ~。
それをポーチに仕舞い。
短剣と魔石は魔法袋へ入れた。
ふふ。
変なのが出たから。
今日はもう帰ろう!。
これ変わってるしなあ。
冒険者ギルドで知らない振りして、、。
聞いて見なくちゃ。
情報収集が大事だよね!
今更ですけど。
そんな事を思いながら。
さっき降りたばかりの階段を駆け上がり。
ラビリンスの通路を上へと進んでゆくよ。
ギルドの買取には1本だけ。
ボロボロの短剣を出して、、。
あとは魔石の買取を頼んで、、。
、、。
今日出たこれは何だろう?。
まだ売らないよ。
何だか楽しみじゃん!。
さて。
何の御宝なのか。
いつも読んでいただき感謝いたします。
誤事修正と色々な修正を随時して行きます。