帰郷?。
さて、用は済んだのか。
アルロ待っててね。
地下4階で見付けた宝箱の中身で、また失望した。
木箱は駄目っぽいよ。
嫌いだ地下4階。
ヤケクソデ、地下4階はもう無視だよ!走り抜けてやった。
だから、今は地下5階まで進んで来たヨ。
その地下5階でもゴブリン相手に、もう数戦を熟した。
うがぁ~~!。
ここまでで十何回もゴブリン相手に戦ってきたけど。
ホントに何にも出ないじゃんか。
成果は魔石が、、4個だけ!。
あぁ~もう!。
あと少し進んだら、今日はもう帰ろうかな。
十分に短剣の御試しは出来たからね。
これ。使い易くて良く切れるし良いじゃん。
今の俺にはこれで十分だよなぁ。
ラビリンスへの愚痴を言いつつ通路を進めば。
また小部屋への入口が見えて来た。
くそぉ~!今度こそ!。
さっきから右手に握りっぱなしの短剣を前に向けつつ。
小部屋の中を覗くと、居た、ゴブリンだ。
ここまで、一つの怪我も無く来れたけど。
更に気を付けよう。
小盾は、問題無しだ!、良し短剣も大丈夫だな。
うん!油断大敵だ!。
部屋の入口から中を覗くけど。
今までと同じだよ。
盾を前に構えて、短剣を軽く握り右下に向けておく。
そのまま。
1歩、部屋の中へ入るとゴブリンも動き出すが。
いつものゴブリンと違っていた。
走ってコッチニは向かってこなかったんだ。
来ないのか?じゃあ!こっちから行くぞ!。
ほらほら!お前も来いよ!。
するとゴブリンが、、シュっと。
右手を俺に向けて振って来たよ。
何とか小盾を目の前に向けるよ、動きに合わせたけど。
何だ?。
ゴン!。
おっ、左手の小盾に衝撃が伝わって来た。
小盾に何かが当たったらしい。
なんだよそれ!。
アッぶねぇ~なあ!危ないじゃんかよ!。
お前!俺になに投げたんだよ!。
くぅ~!今のは危なかった。
ゴブリンはいつの間にか。
両手に手に小石を握っていたらしくて。
小石を俺に向かって勢い良く投げて来たんだよ。
動きにハッとして。
何とか動かした小盾に当たった。
コンッと音を立てて跳ね返って床に落ちたよ。
落ちた小石が、足元の先をコロコロと転がる。
ゴブリンは左手に、まだ持ってるらしくて。
石を右手に持ち替えているよ。
もう投げさせないからな。
石を持ち替えてるそのスキに。
俺はサッとゴブリンに詰め寄り。
右手の短剣を真横に、左へ向けて振り抜いたよ。
そんなのを俺に投げるんじゃねぇよ!。
御返しだ、これでも喰らえ!。
おらぁ~!。
俺の振った短剣がゴブリンの左の腹を切り裂いたよ。
思いっ切り振った短剣は。
ゴブリンを腹の部分で、上下に真っ二つに切り分けた。
グゲィ!。
うわぁ~!。
ウソだろう!。
こんなの無いよ!無いって!。
俺がゴブリンを真っ二つになんて無い。
出来る訳無いじゃんかぁ~!。
う~~あ!うぁ~!。
うぁ~~!。
確かに、手にクッ!と手応えはあったけど。
「灯り」に照らされてる、目の前の現実が信じられないよ。
床の上で横たわる、緑の液体まみれのゴブリンの体。
俺は息が上がり、1,2歩と下がって床の腰を下ろす。
はぁ~、ふぅ~。
視線の先には。
俺の短剣で切り裂かれた上半身が横たわっているよ。
げぇ~、ゴブリンの顔がコッチを見ているよ。
片方だけ目を開き、口からは変な色の舌が出てるよ。
うひぃ~、魔物の残渣だよ、コレは嫌だな。
はぁ~。
ゴブリンのくせに。
なんで石なんか投げて来るんだよ、マッタク!。
あぁ~、小盾を持ってて良かったよなぁ!。
あんな石が体に当たったら、痛いじゃ済まないよ。
アイツ最初から石を持ってたのかなぁ?。
こんな事は初めてじゃん。
はぁ。さてと、今日はこれで最後だな。御終いだ。
もう地上に帰ろう。
また目の前からゴブリンの残渣が消えていくと。
その跡には魔石が一つ現れた。
あぁ~!まただよ。
床から立ち上がって。
落ちてる小さな魔石を拾いあげる。
指で摘まんだ魔石は、ホントに小さいよ。
それをポーチに仕舞いこんで。
部屋から通路へ出て地上を目指す。
駆け足で階段を上り。
もう周りには見向きもしないよ。
俺はラビリンスの入口を抜けだした。
はぁ~やっとだ。
何とか地上へ出て来これたな、ふぅ。
雪は全然減って無いや。
ここで長靴に履き替えよう。
後はギルドへ行って。
小盾の返却だけしようか、、。
鉱石とか魔石の買取は、、いいや!。
無しだ。
考え事をしながら町へ、ギルドへ向かう。
急いで用を済ませていく。
そして宿へと歩いて行くよ。
宿の着くと1階の食堂で食事を済ませて。
急いで階段を上がり301号へ戻る。
凄く寒いけど部屋着に着替えて。
ベッドの横の丸椅子へ腰掛けるよ。
はぁ。
今日の成果はゴブリンの魔石が5個だけだった。
もしかして、明日もコンナなのかな?。
うぅ~。
まあ、ここではこんなのが普通なんだろうな。
明日、軽く地下5階まで行って、様子見をして。
同じ様に駄目そうなら。
昼前に切り上げてしまうのもアリだな。
もうジャーレンタへ帰る準備をしようかな。
うん!決めたよ。
そうなると、早めに休んだ方が良いね!。
また着替えてベッドに潜り込んで寝てしまおう!。
うぅ潜り込んだベットが冷たいよ。
そうして迎えた翌日。
雪道を長靴を履いて進んで行く。
初心者のラビリンスは今日も平穏だ。
地下5階でゴブリン相手に数戦を熟して見たけど。
あぁ今日も駄目だな!。
何だか幾ら戦っても、何も出る気がしないよ。
うぅ~止めた!今日はもう上がろう。
こんな日は、、休養に当てるのも良いよなァ。
よし!宿に帰って寝ちゃおうかな!。
あっ!。
馬車の時間だけギルドで聞いておかないと駄目か。
えぇ~と、明日の朝の奴で良いなァ?。
スイスイと地上に出てギルドの裏の買取所に向かう。
借りている小盾の返却と、馬車の時間の確認だよ。
すいませ~ん。
借りた小盾、これ返却します、代金もこれです。
あと。
ジャーレンタへ向かう馬車の時間って。
朝の何時ごろですかね。
おう!もう良いのかよ。
はは、買取も無しかよ!。
ジャーレンタか?、朝でも少し遅めで大丈夫だな。
馬車の乗り場はあそこだ!。
此処に来た時の広場だな、、正門側だぞ。
分りました!有難うございます。
ここでの用は済んだかな?。
さてと、宿に帰ろうか。
あぁ~。
また明日の昼用に串焼きを2本買っておこう。
ポーチに1本入ってるけど。
無事に屋台に寄り道をして食料を確保したよ。
途中で、道具屋と鍛冶場の煙突を眺めながら道を進む
え~と、あの2軒で、いま要る物は無いと思うけど。
また考え事を始めてしまう。
悩みつつ歩いていると宿の前まで来てしまった。
フロントで部屋の鍵を貰い階段を上がっていくよ。
へへ!モロゾフさんにも挨拶できたし。
俺ってさ、完璧だよね。
部屋に入って直ぐに。
「清浄」
楽な服に着替える、とは言っても。
余分な服なんて持ってないからね。
変わらず何時ものだ。
ジャーレンタに帰ったら。
古着屋さんで、少しは良い服を買いたいなァ。
良いよなぁ買っても?。
ここで、御金は十分に稼げたし。
望外以上の物も手に入っちゃったし!。
あっ!そうだ!経験は?。
ギルド彰!。
アローヌ王国
シン 男 15歳 冒険者
階位 1
体力 29
体力 25
魔力 48・89
ーー ーー
俊敏 36
器用 30
ーー ーー
生活魔法・灯り・清浄・口火・清水
あはは!。
何にも変わって無いや!。
魔力が少し溜まっただけじゃんか。
ここじゃ駄目だったのかな?う~~!。
あとは。
ポーチの中の物を少し整理して。
魔法袋の方へ入れ替えておこうかな?。
腰のポーチの中ら魔法袋を取り出して。
中に手を入れると。
頭の中に浮かんできたのは。
麻袋 1
銀貨 8枚
銅貨 138枚
串焼き 2本・1本
魔石 3(極小)・6(小)
・・
金鉱石 26個
溶けた金鉱石 2個
・・
溶けた銀鉱石 7個
あれ?魔法袋にお金をコンナに入れたってか?。
コレは、まあ良いかな。
ポーチの中は、手を入れてみると。
・・
木の棒 1
小石 4個
木の実 5個
・・
服 7枚
布 3枚
布 1枚
敷布 1枚
長靴 1足
時の魔道具 1個
初級ポージョン 1個
・・
・・
・・
金貨 4枚
銀貨 61枚
銅貨 149枚
・・
・・
・・
金鉱石 239個
溶けた金鉱石 28個
銀鉱石 45個
溶けた銀鉱石 27個
銅の塊 2個
鉄鉱石 52個
溶けた鉄鉱石 34個
・・
宝石 緑(小) 1個
宝石 薄青(小) 1個
宝石 飴色(小) 1個
・・
・・
チョコパイ 2個
チロルチョ・ 5個
・・
・・
ポーチの中は。
何だか自分の予想より物が一杯入っていたよ。
あぁ~!金貨が4枚も入ってるじゃんかぁ。
ジョーラスさんに渡した、、あれかぁ。
2個の金鉱石の溶けた奴がイケなかったか!。
御金が手元に有るのは良いけどなぁ。
うん!もう良く分からないや。
もう、お腹一杯だよ、うぅ~夕方まで寝ようかな。
またベッドに潜り込んで寝てしまう。
ん?。
?。
イケね!寝すぎたかな?。
外は暗いや、今は何時だろう。
「時の魔道具」だと今は?。
あぁ~夜になってるかぁ、食事は、、。
魔法袋に串焼きが1本のが有ったよなぁ。
あれで良いや。
夕食は串焼きを1本で済ませてしまう。
おう!そうだ。
魔力を貯めておかないとな。
幾つ残しておこうかな、もう寝るだけだから。
魔力 15・133
へへへ!やっとだ、貯めてた魔力が100を超えたよ。
ぐふふ!1000円越えだよ。
うひひぃ、寝よう。
朝、寒さで目が覚めた。
うぅ~!雪が積もったせいで余計に冷えるよなぁ。
洗面所に行くのが怖いよ。
さあ。
ジャーレンタへ帰る準備だ、着替えてとっ。
荷物はポーチと短剣とナイフだけど。
腰にはナイフだけで良いと思うんだよ。
短剣は魔法袋へ入れて、仕舞うのが良さそうだ。
道中の馬車の中は狭いし。
なにも問題も起きないでしょ。
ねえ。
宿の1階へ降りて食堂で、朝の食事を済ませてから。
フロントへ鍵を返しに向かう。
モロゾフさん、これ301号の部屋鍵です。
はい確かに!。
シンさんは今日まででしたか?。
またお越しください。
えへへ!俺はジャーレンタに帰ります。
マタ来たいですね、その時は宜しくですよ。
じゃあ!さようなら。
はい!、また。
宿を後にして、町の入口の門の方へ歩いて行く。
すれ違うのは、相変らずの冒険者の人達だ。
う~ん謎だ。
結構「清浄」の魔法が使える人が居ると思うんだけど。
なんで、、ああなんだろう?。
どうしても、あの見た目がなぁ!。
独り言を言いつつ、門前の広場に着いたよ。
あぁ~、別々の場所に馬車が2台止まっているな。
さて、どっちの馬車だろう。
御者の人に聞けばいいか?。
まず近い方の馬車へ、その御者の人に声を掛けてみた
あの~、この馬車は何処行きですかね。
おう!?、
何だよ!脅かすなよ。
あぁ~!ビビったっぜ。
この馬車はジャーレンタへ行く馬車だぞ。
乗るかい?。
あ~乗りますよ!、代金はこれです。
運の良い事に正解を引いた。
荷台へ上がると、既に椅子には2人の乗客が居た。
男の人が2人だ。
お早うございます、宜しくです。
ペコリと頭を下げて挨拶をすると。
おう!。
ああ。
前の方に座ろうか。
空いてて良いや、気楽に行けるよ。
さて!。
そろそろ時間なんで馬車を出すから。
お客さんら、ちゃんと座っててくれよ。
あぁ~そうだ。
最近降った雪のせいで街道がぬかるんでるんだ。
だから慎重に行くから。
到着がいつもより時間が掛かるからな。
その心算でいてくれ。
まあ。
泊りにはならんから。
御者の言葉の後に。
馬車がゴトッと動き出した。
町を出て街道を進んで行くけど、確かにコレはなあ。
進む先を見ると、馬車と人が行き交っているからか。
水溜まりとぬかるみが続いてるよ。
コレは大変だ。
街道の途中にある休憩所も足元が悪い。
馬車から降りないのが正解だな。
御者の人は休憩の度に。
馬車と馬の様子を事細かく見ていた。
昼を過ぎて夕方も過ぎて、辺りが暗くなる頃。
道の先にジャーレンタの町の外壁が見えたよ。
辺りが段々と暗くなる中で。
門や所々に明かりが点き始めて行く。
それが奇麗だった。
やっと帰って来た。
馬車の上で。
椅子に座ったまま伸びをすると。
冬の空は透き通って良く晴れている。
地平から頭上に至るまでだよ。
数えきれない程の、瞬く星が輝いている。
天に一筋の天の川が斜めに掛かっているよ。
広く明るくね。
ああ。ここも何処かの銀河の中の星なんだな。
天の川が見えるけど、、、星の濃さが全然違うな。
かぁ~星が多いや。何だコレ?凄いや。
うぉ~あの星、やけにでっかいジャン。
近いのかな?。
あっ、あれ?。
お客さん着いたぜ。
無事、門の中に到着だ。
ふぅ~!大分遅くなったが無事に着いた。
ジャーレンタだ、さあ馬車から降りてくれ。
さてと。
ホントに随分と遅くなったな。
夜も更けているし。
この時間だからな、どこに行くのが良いかなぁ。
孤児院は、この時間だともう寝てるよなぁ。
やっぱりジャスリーさんの宿屋かな?。
うん!ジャスリーさんの所に行こう!。
歩いても、今だと 早いよな。
久しぶりの町中をトコトコと歩いて行く。
こっちは雪が降らなかったんだな。
道が乾いてて歩きやすいや。
ラビリンスの町と。
そんなには離れて無いと思うんだけどなぁ。
ジャーレンタの方が暖かいのかな?。
アぁ~、もう宿に着いちゃったなぁ。
中の明かりは、まだ点いてるけど。
この時間だと、ここも静かだな。
さてと入りますか。
宿の入口の1段をトンと上がり中に入る。
カウンターの中にはジャスリーさんが立っていたよ。
今晩は!。
えへへ!泊まれますかねぇ?。
1人部屋は空いてますか?。
ジャスリーさん。
おっ!。
シンじゃないか、お前!久しぶりじゃないか?。
アルロから聞いてるぞ。
一人でラビリンスに行ってたんだろ?。
まあ。
お帰シン。
えへへ!帰って来ましたよ。
それで、今晩此処の宿に泊まれますかね?。
馬車が随分と遅れてしまって。
俺もうヘトヘトなんですよ。
ほらよ!鍵だ。
1人部屋が空いてるからな。
場所は、お前も良く知ってる2階の奥の206号だ。
よかったぁ~。
有難うございます、もう寝たいので行きますね。
ジャスリーさんお休みなさい。
ああ!長旅お疲れさん。
早く休めよ。
シン。
辿り着いたジャーレンタの町。
もう夜で何も出来ない
用は明日だ!。




