35話「イナビリティ」
『イナビリティ』
それは、伝説魔法である。
圧倒的な力を持つ伝説魔法に対抗する為に、生み出された魔法。
伝説魔法の全てを無効化するという、圧倒的な力を持つ魔法である。
無効化。
それには、大きな『代償』がある。
そう、代償だ。
イナビリティの代償は魔力量ではない。命を捧げることが『代償』なのだ。
ローラ=バントは、その代償を逆転させたのだ。
揺るぐはずがない、必ず執行される『代償』だが、ローラにより『代償』が逆転する。
それは、『代償』が『補償』になるということだ。
どうやってそう思うだろう。
理由は、あった。
注意
30話「二人の願い」を参照して下さい。
そう、『願い』だ。
【*】という、『謎の存在』である。
人は、『天の声』そう呼ぶ。
彼らは、ローラ=バントに、スキル<転禍為福>を与えたのだ。
<転禍為福>。
それは、SKPを10000消費することで、-(マイナス)を+(プラス)にすることが出来るのだ。
例えばだが、身体を逆転する。大怪我だったのに、凄く元気になる。
これが、<転禍為福>の力である。
ならば、命を捧げる『代償』は一体。
なんの『補償』に逆転したのか。
それは、『もう一つの命』である。
クリファナ「――!?」
執事「驚いているようですね」
クリファナ「な、なにが起きたの?」
執事「私の、思っていた以上の出来事ですよ」
クリファナ「貴方は、一体・・」
執事「私は、ローラ=バントですよ」
クリファナ「貴方の魔核と魂が今、二つになったのは・・貴方の力かしら?」
執事「隠しても、意味は無いでしょうしね・・。
これは、スキルですよ。
私が、授かった。スキル。
ついさっき、授かったんですよ。
私が、見た限りだと『代償』を『補償』に変えるらしいですよ?
命を『代償』に使う、伝説魔法。イナビリティの『代償』を『補償』に変えたんです。
そしたら、もう一つの命を授かった。
そのおかげで、SKPはもう0に近いんですがね。
言っておきますが、このスキルはSKPには適用されないので安心して下さい」
そう、長々と語る。
そして、・・・・
クリファナ「では、私も・・・」
執事「!?」
執事も、驚くほどの速さでクリファナは間合いを詰める。
今まで音速で動いていた者が驚くのだ。
音速の上。そう神速だ。
とっさに、足に力を入れ対応するが速さは圧倒的にクリファナが上である。
今までの、戦いの経験があるため辛うじて戦えているが執事も限界が近い。
だが、そんな時にも二つ目の命は意味を見出す。
魂それは、魔核それは、一体何なのか・・・
それを知る者は少ない。
そして、知る者からしたら執事はきっとこう見えているだろう。
揺れ動く、二つの力。魂、魔核、それらがある音を奏でる。
絶望に満ちた、月の音を・・・。
その音は、こう見えてしまう。
実際とは、違う結果だとしても『憑依悪魔人』に見えてしまうのだ。
だが、本来。
知る者が圧倒的に少ない。
人という、枠組みを超え、呪縛から逃れた、『超越化』である。
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