29.5話「転」~影~
カナカリス(な、なんでだ?)
カナカリスは、ゴーレン街に向かっていた。
10分ほどでつくだろうと、考えていたが何故か辿り着けない。
カナカリス「ど、どうなっているんだ?
おかしい。どんどん、街が遠くなっていっている。なんで、これじゃ・・・」
ブシャッ!
何とも言えない。
ただただ、残酷な音がした。
何かが、破裂した音だった。
何だろうか、それと同時に最近嗅いだことのある嫌な匂いがした。
悲しかった、思い出が浮かんでしまう。
何だろうか?後ろを振り向けば分かるだろう。
いや、分かってしまうだろう。
思考は、ループした。
なんで、ここでこの匂いを感じてしまうのだ、と。
カナカリス「・・・・・え?」
振り向くべきなのか。
それを、ほんの10秒ほどで、何回も何十回も思考を巡らせていた。
そして、答えは・・・『振り向く』だった。
カナカリス「・・・人の血か・・・・・」
知りたくなかった答えであった。
だが、血というのは予想で最も可能性があったことだった。
それを、知った今でなお何故か思考を巡らせる。
振り向くべきなのか、と。
今ここで振り向くならば、血がありました。で終わらせれる。
見てはないが、きっともっと奥を見たら・・・『死体』があるだろう。
それも、残酷な死に方をした、人の死体が・・・。
?「ふざけ――な・・で。なんで――ここで――」
もう、見たくない。
嘆きが聞こえてしまった。これ以上は、もう・・・。
見たくない!
それを知っているのに、見てしまうのだ。
何故だろう。
何故か、何故か、思考をひっくり返す何かがあるのだろうか。
彼は、知らないのだろうか・・・
悲しくも、自分が――――。
カナカリス「こ、この人達は何で死んでいるのだろうか・・・」
ほとんど、背景に溶け込んでいる軍服のような物を着ている人達。
今まで、存在に気付かなかった。
暗殺者だろうか?
村の人達だろうか?
だが、どちらにせよこの死に方は酷いものだ。
何人死んでいるのだろう。
見ただけで、10人。きっと、もっと死んでいるだろう。
四肢を切断され、死んでいる人達が・・・・。
顔は、絶望の表情だ。
一体何を見れば、そうなるのか?
悪魔だろうか?
思考を巡らせることを身体は、許さなかった。
考えるより先に身体は、気付いたのだろうか。
だからこそ、彼はそれ以上の思考を放棄し捨て去ることができたのだ。
もし、出来ていなかったのならば・・・
彼は――――では、なくなっていただろう。
そして彼はもう――――になるしか、なかっただろうから。
そこに、ある死体に対し、
気にするな!
全ての、生存機能が、そう叫んだのだ。
カナカリス「嫌なものを見た」
そう言って、街に向かった。
ローラが、いる街に・・・。
街に着いた。
だが、街並みは・・・災害があったかのような有り様だった。
ゴブリン達は、何処に行ったのだろうか?
辺りは燃え、壁は崩れていた。
カナカリス「ローラ!」
出来ることは、ローラを探すことだった。
そして、街に着いてから、10分ほどでローラを見つけた。
街に着いた途端に速度は、元に戻った。
限界値も、残り3であり走ったら5,6分で0になる量だった。
カナカリス「おい。ローラ!探したぞ。はあ、はあ」
執事「カナカリス様。来たのですね」
カナカリス「え?当たり前だろ。俺たち家族じゃないか」
執事「カナカリス様」
カナカリスは、見た。
ローラの足元に。
茶髪で見覚えがある軍服。そして、黒のローブを羽織っている男性を。
本来美しいはずの茶色の目には、光が宿っていなかった。
だが、カナカリスは見て見ぬふりをした。
それで、いいのだと信じて・・・・。
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