16話「巫女」
姉様は、国でいや世界で一番強い人だと思ってる。
心も身体も才能も、全てにおいて完璧な人。いや女性だ。
私はそんな、姉様に憧れ姉様と同じく巫女になった。
いま、私は巫女になったことを後悔している。
確かに、私が巫女になったことにより人を救い、幸せにした。
私が、出会った、ただ一人を除いて。
巫女「姉様ごめんなさい」
そう、呟いた。
心の叫びが、出てしまった。
それが、姉クリファナの不幸を更に呼ぶこととは知らずに・・・
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崖に囲まれ、白と青の装飾が施されている橋が一つだけ架けられている。
橋の向こう側には、白の城壁で囲まれている大きな城のようなものがある。
中には、大きな中庭があり聖地と呼ばれている。
その、中庭に続く廊下にて
クリファナ「あの?」
巫女を管理している、巫女協会の協会長『リーン=アスト』に話しかけた。
リーン「何でしょうか?」
クリファナ「クリスが、巫女になったって本当ですか?」
リーン「ええ。とても、可愛く・・・明日にでも本部に呼ぼうと」
クリファナ「いえ。その必要は、本部には私、一人で――」
リーン「何を言っているのですか?クリス殿も呼んだ方が――」
クリファナ「では、今日から私が」
リーン「しょうがありませんね。その件は無しに。グヘへ」
クリファナ(ゲスが。・・・私がどうなろうと。決して私の妹クリスには、手を出させない)
そう言って、リーンと別れる。今日の夜にまた会う約束して。
巫女とは、本来。国を民を守る存在だ。
決して守っていないわけではない。だが今、この国で巫女は二人しかいない。
25年前は、十人は居た。
なら、なぜ今いないのか。
答えは、簡単だった。
魔物が強くなり、人では対処が出来なくなる。
また、圧倒的な権力(巫女協会の協会長など)による、搾取。
そんな、ものに耐えられる者は居なかった。
そして、居なくなった。
5年前までは、居なかった。
新たな、巫女クリファナが現れるまでは、
クリファナは悟った。巫女は、国を守るのではない。
権力者を守る存在だと。
そして、絶望した。
だが、逆に可能性を見出した。
巫女は、自分一人で大丈夫だ、いや一人で良かったと。
スキル<並行存在>によって。
自分の力を十個に分割し、意識、思いも十に増えた。
本体が消えれば、並行存在も消える。逆に並行存在が消えても本体に致命的な損傷はない。
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カナカリス「う、ううう」
目が覚めて、身体を起こす。
巫女「起きた?」
カナカリス「は、はい」
驚いた。起きたら、美人の女性が心配してくれたのだから。
巫女「良かった。あなたには、辺境の地アーロス=ダレスに行ってもらうわ」
カナカリス「え?」
カナカリス(なんでだ。――そうか、父様も母様も亡くなったから)
巫女「そして。そこで、ダナダス学園に入って、生活してもらうわ」
カナカリス「は、はい。分かりました」
巫女「ごめんね。もっと怒ると思ってたんだけど、納得してもらえて嬉しいわ」
カナカリス「いつ。行くんでしょうか?」
巫女「いま。生活は、保証するわ。執事もいるからね」
カナカリス「そ、それはどういう」
巫女「また、逢えたら。事前詠唱転移」
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