因果②(ミレーユ視点)
あれからミレーユは妊娠のことを徹底的に調べた。
だが、民間に伝わる話は個人差によりまちまちで、余り当てにならない物ばかりだった。
それでも分かったのは、腹が膨れるのは大体四~五ヶ月前後で、出産に関しては十ヶ月前後だという事だ。
つまり、まだ腹が膨れていなくても、疑われる段階ではないという事だった。それに、男性は総じて出産に関する知識が少ないという事も分かったので、今ならまだ誤魔化しが効く。
「今から妊娠すれば何とか間に合う……」
しかし、安定期に入ったと嘘をつきベッドへ誘ってみたが、アルビオンがミレーユを抱くことはなかった。
体を労わってくれるアルビオンの優しさが、ここにきて邪魔をしてくる。
だが、自分から強引に何度も誘うことは出来ない。余りに誘いが増えればふしだらだと思われるし、疑われてしまっては元も子もない。
「どうしよう………」
やはり今からでもきちんと話すべきなのだろうか?
だが、その勇気が中々湧いてこない。
告白する機会を逃したのは自分でも分かっていたが、今更とても言える状況ではなかった。
日増しに増える義母や義父からの出産用品。
以前のミレーユなら大喜びしたに違いない品々は、今はミレーユを追い詰めるだけになっていた。
「はぁ……」
贈られた品々が増える度、家に居ても気が滅入るばかりで、ついつい街へと散歩に出てしまう。
アルフレッドに見られたらまた嫌味を言われるかもしれないと思ったが、部屋にいるだけ息が詰まりそうになるのだ。
「工事、大分進んでいるわ……」
つい足を向けてしまうルビーの屋敷。
工事は佳境に入っているのか、今度は外観に足場が組まれていた。
もう、ミレーユの知っている憧れの屋敷ではなくなってきている。
「…………帰ろう」
見ると悲しくなるのについつい毎日見に来ていたが、どうも工事関係者に不審に思われているようだった。
カンザナイト家に告げ口されると面倒なので、来るのは今日で最後にした方がいいだろう。
「本当なら今頃はあのお屋敷でお茶を飲んでいるはずだったのに……」
生まれてくる子どもの為に縫い物をしながら、可愛いティーセットでお茶を飲む。
そして、仕事で帰ってくるアルビオンを温かい食事と共に出迎えるのだ。
だが、現実はどうだろう。
子どもは出来ておらず、毎日狭い家で朝を迎える。
食事は出来合いの物が大半で、妊娠を理由に触れ合いも殆どない。
せめて子どもだけでもいれば違ったのだろうが、今はそれが何よりも問題だった。
「どうにかしなきゃ……」
呟いた瞬間、ミレーユに大きな衝撃が走った。
「……いたぁ…ッ!」
「すみません!」
転びそうになった体が大きな腕によって支えられた。
慌てて顔を上げれば、背の高い男性がミレーユを抱きかかえている。どうやら彼とぶつかってしまったようである。
「ご、ごめんなさいっ!前を良く見てなくて!」
子どもや屋敷のことに気を取られて前方不注意だった。
「いや、俺の方もついつい貴女に見惚れてしまって………」
言いながら困ったように笑う男性は、良く見れば非常に整った顔をしていた。
鼻梁の整った顔は精悍で、スラリとした体躯は騎士のように逞しかった。
「あの……」
「女性に対して不躾でしたね、すみません。実は知り合いの方に非常に似ていたもので…」
そう困ったように鼻の頭をかく青年。
その仕草が、アルビオンに少し似ていると思った。
よく見れば、髪も瞳の色もアルビオンと同じで、妙な親近感が芽生える。
「そんなにお知り合いの方と似てましたか?」
「それはもう!一瞬本人かと思ったくらいです」
けれど、その知り合いというのは隣国の高位貴族で、こんな場所にはいない筈なのでおかしいと思ったそうだ。
「これも何かの縁です。良ければぶつかったお詫びにお茶をご馳走させてください」
「でも……」
特に転んだ訳でもないのに、奢って貰うのは気が引けた。
それに、これでも一応ミレーユは既婚者だ。
誰かに見られて噂になっても困る。
「すみません、もしかして恋人がいらっしゃるんでしょうか?」
「えっと、その…、既婚者なんです……」
「…それはっ!」
少しだけ目を見開いた男性は、直ぐに事情を察して恐縮してしまう。
「失礼しました。何だか俺は先ほどから失礼しっぱなしですね」
「いえいえ…」
正直に言えば、彼の誘いに少しだけ乗りたい気持ちもあった。やはり、素敵な男性にお茶に誘って貰えるというのは気分が良い。
それに、男性がミレーユを見つめる瞳には奇妙な熱が篭っていた。
もしかしたら、似ているという女性は彼の想い人なのかもしれない。
こんな優しそうな男性に想われている、ミレーユに似ている見知らぬ女性が少しだけ羨ましかった。
「怪我もないですし、本当に気にしないで下さい」
「………分かりました。俺が言うのも何ですが、お気を付けてお帰りください」
「ええ。ありがとうございます」
心配そうに見送ってくれる男性に数度の会釈を返し、後ろ髪を引かれる思いでミレーユはその場を後にした。
角を曲がる直前、チラリと視線を送った先には、未だにミレーユを見送る男性の姿があった。
それをちょっとだけ嬉しく思いながら、ミレーユは帰路に着く。
「うふふ……」
男性のことを思い出すと、少しだけ陰鬱とした気分が上昇した。
けれど、家に帰ればそれも直ぐに霧散する。
義母に贈られた育児用品で狭くなったリビングに、一気に気分が落ち込んだ。
子どものことを考えるだけでこの場から逃げ出したい衝動に駆られるのだ。
「………いい加減ちゃんと言わないと…」
けれど、疲れているのに率先して家事を引き受けてくれるアルビオンには中々言えない。
アルビオンはこんな事で怒ったりはしない。
そう思っているのに、彼の悲しそうな顔がチラついて中々言葉に出ない。
そして今日も結局、ミレーユはアルビオンに告げることが出来なかった。
子どもが出来ていないと知ってから、そろそろ二週間が過ぎようとしていた。
お腹が大きくなってもおかしくない時期になり始めていた。
仕方なく、ゆったりとしたワンピースを着て体の線を隠すようになった。
「……馬鹿みたい…」
居もしない赤子の為の服を縫いながら、いい加減アルビオンと話さなければいけないと思う。
だが、やはり怖くて、真実を告げる言葉が出てこない。
子どもがいないならやっぱりルビーがいいと言われたらどうしようという気持ちが湧いてきてしまうのだ。
それというのも、カンザナイト家が叙爵するという話が囁かれるようになったからだ。
その噂話を教えてくれたのはアルビオンだった。
先日倒れてから、工場ではなく店舗での仕事に復帰したアルビオンは、何とか義父やアルフレッドと上手くやっていた。
そんな時、トラーノ商会で懇意にしている貴族の一人が教えてくれたのが、その叙爵の話だったのだ。
貴族からは、何故ルビーではなくミレーユを選んだのかと嘲笑を受けたようで、アルビオンは酷く怒っていた。
だが、恐らくそう思っているのはその貴族だけではない。アルビオンは言わなかったが、義父もアルフレッドも、そして商会の従業員も全員がそう思っているのは明らかだった。
『爵位が何だって言うんだ?!そんなものよりも愛するミレーユや子どもの方が大切に決まっている!』
だから周りから何を言われても気にしないで欲しいとアルビオンは言った。
恐らく知り合いに揶揄されることを懸念して教えてくれたのだろうが、益々その言葉にミレーユは追い詰められて行く。
「……どうしたらいいの………」
ルビーの影はどこまでもミレーユに付き纏った。
常に彼女と比較されてしまう。
唯一しないのは夫であるアルビオンだけだ。
だから、ちゃんと彼に子どもの事を話さなければいけない。
優しい彼はそんな事で怒ったり、見捨てたりしない
そう、彼はこんな事でミレーユを捨てないと信じている。
……いや、信じなければいけない。
でも………
「私もルビーみたいに捨てられたら……」
結婚式の三日前にルビーに別れを告げたアルビオン。
あの時は幸せな気持ちで一杯だったが、今度はミレーユがルビーの立場になるかもしれないのだ。
そう………、この時ミレーユは初めて気付いた。
アルビオンが結婚を考えるほど愛していた女性を簡単に捨てられる人間なんだと言うことを……。
「ダメだわ………、言えない……」
以前のミレーユなら自分だけは違うと言えた。
ルビーだから捨てられたんだと断言出来たはずなのに、今は怖くて震えることしか出来ない。
何故なら、彼は大して瑕疵のないルビーを捨てた。
………だったら、嘘を吐いていたミレーユは?
「どうすれば、どうすればいいの……っ」
相談しようにも、友人はもう誰もいなくなった。
結婚するまであれだけ応援してくれていた彼女達は、今もう誰も相手をしてくれない。
両親もあれ以来素っ気無く、とても相談出来るような状況ではなかった。
「誰か、誰かお願い……、助けて……」
誰もいない狭い室内には、ミレーユの嘆きだけが木霊した。
「最近元気がないようだけど、大丈夫かい?」
「大丈夫よ、アルビオン。心配しないで」
日が経つにつれ元気がなくなっていくミレーユを心配して声を掛けてくれるが、今のミレーユにはその気遣いが何よりも辛かった。
不安は日増しに膨れていくだけで、一向に解決策を見出せないほど切羽詰まってきている。
「体調が悪いようなら医者に掛かった方がいい。不安なら俺も付きそうから」
「大丈夫だって言ってるの!」
「……ミレーユ」
「あぁ…、ごめんなさいアルビオン。……その、心配してくれるのは嬉しいんだけど、少しつわりがきつくて…」
「そうだったんだね。ゴメン、気付いてあげられなくて…。今日の朝食は大丈夫だった?」
「ええ、大丈夫よ。ありがとう…」
また余計な嘘を吐いてしまった。
こうして益々真実を話せないまま、自分の首を絞めていく日々。
今日は何とか誤魔化せたけれど、いい加減それも限界が近かった。
「アビィ…、ちょっとこれから出てきてもいいかしら?たまには実家に顔を出したいの」
「それなら俺も一緒に行こうか?」
「ううん、一人で大丈夫よ。アビィはお仕事頑張って」
「ああ。借金ももう直ぐ返せそうだし、君と子どもの為にも頑張るよ」
虹色シルクのウェディングドレスがかなり良い値段で売れたらしく、慰謝料の借金もかなりの額を返済し終わっている。
後は少しずつ返していけばいいと義父が言ってくれたらしく、今のアルビオンは生まれてくる子どもの為に頑張っているところだった。
今日も本来であれば休みなのだが、昼から工場の方に顔を出す予定らしい。
だが、折角昼まで一緒に居られるというのに、ミレーユは落ち着かない時間を過ごしていた。
以前までは一緒にいるだけで幸せだったのに、今はずっと顔を見ているのが辛い。
まさかアルビオンと共に居て、こんな気持ちになる日が来るとは思わなかった。
おかげで、外に出る口実に実家の名前を出す羽目に陥った。
「じゃあ、行ってくるわ」
「俺も直ぐに出るけど、やっぱり一緒に行かないか?」
「直ぐそこだし大丈夫よ。お昼も実家で食べてくるから」
「分かった。気をつけて…」
心配そうに送り出してくれるアルビオンに見えないよう安堵の息を吐き出し、家を後にする。
当然来るなと言われている実家に行くわけにはいかない。
アルビオンが出かけるまでどこかで時間を潰す必要がある。
「そうだわ、公園にでも行こう」
貴族街と商業地区の間には憩いのための大きな公園が設けられていた。
小さな村が丸々入るほど大きな公園は、木々の間にベンチが設置されており、休憩するにはもってこいだ。
それに何より、奥まった場所は人目に付きにくく、一人で過ごすにはちょうど良い場所だった。
「言わなきゃ……、今日こそは言わなきゃダメよ。…ううん、やっぱり残念なことになったと言った方が…」
もう黙っていることが限界だった。
例え怒られたとしても、今日の晩には絶対に言わなければいけない。
「……何を言うんだい?」
「子どもが出来ていなかったという事よ……」
不意に聞こえた声に反射的に答えて、ミレーユは慌てて口を塞いだ。
驚愕の面持ちで振り返れば、ベンチの後ろに一人の男が立っている。
「あなたはこの間の…ッ!?」
「驚かせてゴメンね。つい見掛けたので声を掛けようと思ったんだけど……」
先日ルビーの屋敷の前でぶつかった男性だった。
どうやら彼は、偶然見掛けたミレーユを追ってこんな公園の端まで来てしまったようだ。
言葉を濁す彼は、恐らくミレーユの独り言を最初から聞いていたに違いない。
「お願い!誰にも言わないで!」
「大丈夫、誰にも言わないから落ち着いて。そもそも俺は君以外にこの国に知り合いなんていないから安心して」
必死で黙ってくれるように請うミレーユを落ち着かせるように、彼はミレーユの隣へと座った。
「ほ、本当に誰にも言わないで。お願い」
「言わないよ。これでも自国では騎士をしてるんだ。口は堅い方さ。それにさっきも言ったが、誰かに言おうにも、君と共通の知り合いなんて一人もいないよ」
確かに彼の言う通りだった。
彼はアルビオンの顔も知らないはずだ。
その事に安堵の息を吐き、ミレーユは改めて隣に座った男性を見る。
相変わらず整った容貌をしている彼は、前回は下ろしていた髪を後ろへと撫で付けていた。それが彼に似合っていて、思わず見惚れてしまう。
「そう言えば自己紹介がまだだったよね。俺の名前はエリック」
「エリックさん?」
「ああ、隣国のギルレイドで騎士をやっている。と言っても、庶民出の一般兵だ」
普段は街の治安を担当している部署に所属しているらしい。
「もしかして今回は旅行で?」
「いいや、今回はある方の付き添いで……」
そこから言葉を濁した彼は、守秘義務があるからと詳細は話さなかった。
簡単に説明してくれた内容によれば、どうやら高位貴族が結婚するに当たり、その下見に寄越されたという話だった。
「わざわざ隣国から結婚の下見なんて大変ね……」
「休憩時間はこうやって街を散策出来るし、旅行気分で結構楽しいよ。それより君こそ大丈夫?大分悩んでいるようだけど……」
気遣うエリックの言葉に、ミレーユは思わず俯いた。
出会って二度目の彼にするような話ではないと分かっていたが、ずっと誰かに話を聞いて貰いたかった。
この国に知り合いのいない彼になら話しても大丈夫かもしれない。
いや、もしかしたら何かいい案が思い浮かぶかもしれない。
そう考えながら、縋るようにミレーユは子どものことを話した。
「なるほど……、それは辛いね……」
義両親からのプレッシャーに押しつぶされそうだと泣けば、エリックはとても同情してくれた。
「でも、旦那さんにちゃんと話した方がいいよ」
「分かってるの…、でも言えなくて……」
言えば捨てられるかもしれない。それが何よりも怖い。
「あとは、残念なことになったと言うしか…」
「そうね。やっぱりそれしかないわよね……」
エリックと話しながら、ようやく踏ん切りがついた。
他者から見ても、やはりそれしか方法が残されていないのだ。
「話を聞いてくれてありがとうエリック」
「……ごめんね。もっと良いアドバイスが出来れば良かったんだけど…」
「ううん。人に聞いて貰ってスッキリしたわ」
「そうか、それなら良かった」
そこでこの話を一旦を終え、気分を変えるようにそこからはこの国の名物料理や土産物の話をした。
気持ちが落ち着いたせいか、久しぶりに人と楽しく会話する事が出来た。
「じゃあ、俺はここで…」
「ええ、またね」
エリックは当分この国にいるらしく、いつもこの時間くらいに公園を散歩しているという。
もし良かったら次は観光名所を教えて欲しいというので、再会するのが楽しみになった。
それに、次に会う頃には、子どもの問題も解決しているはずだ。
相談に乗ってくれた彼に良い報告が出来るように頑張ろうと思った。
だが、そんなミレーユの決意は直ぐに挫かれることになる。
「え?工場に泊まり込むの?」
「そうなんだ…。どうやらシュバルツ領から大量の絹が入ってくるようで、取引先がそれに対抗したいと言い出した」
カンザナイト商会がシュバルツ産の絹を取り扱い始めたらしい。
今まではトラーノ商会の独壇場だった絹市場が一気に塗り替えられそうになっている。
「まさかあそこまでシュバルツの製糸技術が上がっているなんて…っ」
アルビオンとの婚約破棄により、カンザナイト商会は一時的に絹の取引を控えていた。だが、ここに来て一気に攻勢を掛けてきたようだ。
「ダリヤさんがシュバルツ公爵と仲がいいとは聞いてたけど…」
ルビーの兄であるダリヤは、傾国と言われるほどの美貌の持ち主だ。
婚約破棄の席で初めてまともに顔を見たが、噂以上に美しい男性だった。言葉を話すのが不思議なほど人形のように整った容姿の彼は、その容貌を武器に貴族や王族にも顔が利くという。
だが、シュバルツ公爵は男性であり、所詮は学生時代に言葉を交わした程度だとアルビオンは思っていたらしい。
「大丈夫なの?」
「まだ製糸技術に関してはうちが上だ。だからこそ、今のうちにどうにかしたい」
その為に、新しい絹の開発に力を入れたいとアルビオンは言った。
「そういう訳だからすまないミレーユ。当分家を空けることになる。だからもし良かったら君の実家か俺の実家に身を寄せて欲しい」
身重の妻を一人にしたくないというアルビオンの気持ちは嬉しいが、どちらの実家に行っても針のむしろに座るようなものだ。
「私は一人でも大丈夫だから気にしないで」
「でも、君や子どもに何かあったら…」
「その事なんだけどね、アルビオン…」
話すなら今しかない。
そう決意し、ミレーユは口を開いた。
だが、慌てた様子で駆け込んできたアルフレッドに、ミレーユは口を噤むしかなかった。
「兄さん!シュバルツの蚕の種類が判明した!直ぐに来てくれ!」
「分かった!」
迎えにきたアルフレッドと共に、アルビオンは荷物を持って玄関へと急ぐ。
「すまないミレーユ!話の続きは手紙で頼む。それと、何かあれば直ぐに知らせてくれ!」
慌ただしく駆け出して行くアルビオンの背を見送り、重いため息と共にミレーユは腰を下ろす。
どうしてこんなにタイミングが悪いのか、自分の運の無さにため息が止まらない。
今日中にちゃんとアルビオンに言ってしまいたかった。
「残念……」
だが、今朝ほどの焦燥感はなかった。
エリックと話せたことで、ミレーユの中で大きな踏ん切りが付いたのだ。
「またエリックと話がしたいな…」
もしかしたら明日も会えるかもしれないと、彼の顔を思い浮かべてミレーユは小さく笑った。
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