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随筆の世界  作者: やま
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第二章 題名は唯一の良心であります。繰り返しの恐怖

連続で投稿するのはこれでお終いにします。何章まで続くかははっきりと判りませんが、私が事切れるまで、お付き合いいただければと思います。

【第二章 題名は唯一の良心であります。繰り返しの恐怖】

 気がつくと診療所の前に立っていた。ボーっとする癖がひどく、そのためにここへ、なまくら診療所へ来たというのに。はは、そして私は己が滑稽さに苦笑する。中は冷房が吹いていて、夏に抗っているようであった。私は涼しさに甘えながら受付で物腰柔らかくいくつかの会話をし、待合室にて座る。急に不安を感じ、私は財布に現金が入っているか確認した。1、2、3、4、5、6、7枚。7000円しかない。いや、70000円もあった。物騒な世の中であるというのに、甚だ不用心な人間である。「~~さん(私の名前は、これまたボーッとしていたので聞こえなかった。名前が聞こえたと言うよりは、名前を呼ばれたという事実に気づいたのである。)、診察の順番でございます。」「はい。短く返事をしてから、私は低い腰のまま診察室のドアを控えめにノックした。」「どうぞ。今日はどうされましたか。」どうにもならないからここへ足を運んでいるのだ。運命に逆らうのは命知らずの所業であるぞ。私は医師に、これと似たようなことを伝えた。医師は落ち着いた声で緊迫した声で私に答えた。「それは~~(貪欲な病名だ。)でありますね。さあ、お薬を一錠飲みましょう。」私はツルツルとしたカプセルを一錠渡された。かと思えば、私はそのカプセルを後生大事そうに抱えたまま在宅していた。またボーッとしていたのである。これはこれは重い症状ではないか。今すぐカプセルを飲まねばならぬ。そう思うと私は洗面台の蛇口を必要以上にひねり、水をドボドボと出す。カプセルを口に含み、その口ごと蛇口へ当て、水を頬張った。この間2秒であった。ふう、と一息ついた。これでしばらくボーっとする現象は起きないであろう。推測であるが。なんだ、推測か。それでは実際のところはわからぬのではないか。しかし分からないのであればこのカプセル(今は多分な水とともに食道を抜けて胃に達している。)にすがるのも悪くはない。突然、ガタンと背後で音がした。うちの飼い犬だ。しつけのなっていないバカ犬である。名前は~~(また聞こえなかった。薬がまだ効いていないのだろうか。)である。この犬ころが立てかけてあった古い箒をなぎ倒したらしい。「このポンコツが。」私はそいつをしばき倒すが、こいつがなかなかしぶとい駄犬である。ぎゃんぎゃんと喚きながら庭の方へ走って逃げてゆくので、私も何気なく小走りで追いかけた。庭は、なんとまあ、空が緑と赤と青とピンクで混ざり合い、宙に雲の形をした吸血鬼が何匹も徘徊しているではないか! 恐ろしく、あまりに怯えてしまい、私はひざ小僧を擦りむいてしまった。すると傷口はあっという間に塞がり、そのまま膝の皮が延々と伸びて終いには私そっくりな人形ができてしまう。「るまい、これはるまいなのか? 私は、一体どうしたというのだ! 私の名前が思い出せない!」昔読んだあらゆる本の活字が血液に取って代わって脳内を循環し、私の思考を徐々に支配し始める。かくして、私の眼前は暗転する。気がつくと診療所の前に立っていた。ボーっとする癖がひどく、そのためにここへ、なまくら診療所へ来たというのに。はは、そして私は己が滑稽さに苦笑する。中は冷房が吹いていて、夏に抗っているようであった。私は涼しさに甘えながら受付で物腰柔らかくいくつかの会話をし、待合室にて座る。急に不安を感じ、私は財布に現金が入っているか確認した。1、2、3、4、5、6、7枚。7000円しかない。いや、70000円もあった。物騒な世の中であるというのに、甚だ不用心な人間である。「~~さん(私の名前は、これまたボーッとしていたので聞こえなかった。名前が聞こえたと言うよりは、名前を呼ばれたという事実に気づいたのである。)、診察の順番でございます。」「はい。短く返事をしてから、私は低い腰のまま診察室のドアを控えめにノックした。」「どうぞ。今日はどうされましたか。」どうにもならないからここへ足を運んでいるのだ。運命に逆らうのは命知らずの所業であるぞ。私は医師に、これと似たようなことを伝えた。医師は落ち着いた声で緊迫した声で私に答えた。「それは~~(貪欲な病名だ。)でありますね。さあ、お薬を一錠飲みましょう。」私はツルツルとしたカプセルを一錠渡された。かと思えば、私はそのカプセルを後生大事そうに抱えたまま在宅していた。またボーッとしていたのである。これはこれは重い症状ではないか。今すぐカプセルを飲まねばならぬ。そう思うと私は洗面台の蛇口を必要以上にひねり、水をドボドボと出す。カプセルを口に含み、その口ごと蛇口へ当て、水を頬張った。この間2秒であった。ふう、と一息ついた。これでしばらくボーっとする現象は起きないであろう。推測であるが。なんだ、推測か。それでは実際のところはわからぬのではないか。しかし分からないのであればこのカプセル(今は多分な水とともに食道を抜けて胃に達している。)にすがるのも悪くはない。突然、ガタンと背後で音がした。うちの飼い犬だ。しつけのなっていないバカ犬である。名前は~~(また聞こえなかった。薬がまだ効いていないのだろうか。)である。この犬ころが立てかけてあった古い箒をなぎ倒したらしい。「このポンコツが。」私はそいつをしばき倒すが、こいつがなかなかしぶとい駄犬である。ぎゃんぎゃんと喚きながら庭の方へ走って逃げてゆくので、私も何気なく小走りで追いかけた。庭は、なんとまあ、空が緑と赤と青とピンクで混ざり合い、宙に雲の形をした吸血鬼が何匹も徘徊しているではないか! 恐ろしく、あまりに怯えてしまい、私はひざ小僧を擦りむいてしまった。すると傷口はあっという間に塞がり、そのまま膝の皮が延々と伸びて終いには私そっくりな人形ができてしまう。「るまい、これはるまいなのか? 私は、一体どうしたというのだ! 私の名前が思い出せない!」昔読んだあらゆる本の活字が血液に取って代わって脳内を循環し、私の思考を徐々に支配し始める。かくして、私の眼前は暗転する。気がつくと診療所の前に立っていた。ボーっとする癖がひどく、そのためにここへ、なまくら診療所へ来たというのに。はは、そして私は己が滑稽さに苦笑する。中は冷房が吹いていて、夏に抗っているようであった。私は涼しさに甘えながら受付で物腰柔らかくいくつかの会話をし、待合室にて座る。急に不安を感じ、私は財布に現金が入っているか確認した。1、2、3、4、5、6、7枚。7000円しかない。いや、70000円もあった。物騒な世の中であるというのに、甚だ不用心な人間である。「~~さん(私の名前は、これまたボーッとしていたので聞こえなかった。名前が聞こえたと言うよりは、名前を呼ばれたという事実に気づいたのである。)、診察の順番でございます。」「はい。短く返事をしてから、私は低い腰のまま診察室のドアを控えめにノックした。」「どうぞ。今日はどうされましたか。」どうにもならないからここへ足を運んでいるのだ。運命に逆らうのは命知らずの所業であるぞ。私は医師に、これと似たようなことを伝えた。医師は落ち着いた声で緊迫した声で私に答えた。「それは~~(貪欲な病名だ。)でありますね。さあ、お薬を一錠飲みましょう。」私はツルツルとしたカプセルを一錠渡された。かと思えば、私はそのカプセルを後生大事そうに抱えたまま在宅していた。またボーッとしていたのである。これはこれは重い症状ではないか。今すぐカプセルを飲まねばならぬ。そう思うと私は洗面台の蛇口を必要以上にひねり、水をドボドボと出す。カプセルを口に含み、その口ごと蛇口へ当て、水を頬張った。この間2秒であった。ふう、と一息ついた。これでしばらくボーっとする現象は起きないであろう。推測であるが。なんだ、推測か。それでは実際のところはわからぬのではないか。しかし分からないのであればこのカプセル(今は多分な水とともに食道を抜けて胃に達している。)にすがるのも悪くはない。突然、ガタンと背後で音がした。うちの飼い犬だ。しつけのなっていないバカ犬である。名前は~~(また聞こえなかった。薬がまだ効いていないのだろうか。)である。この犬ころが立てかけてあった古い箒をなぎ倒したらしい。「このポンコツが。」私はそいつをしばき倒すが、こいつがなかなかしぶとい駄犬である。ぎゃんぎゃんと喚きながら庭の方へ走って逃げてゆくので、私も何気なく小走りで追いかけた。庭は、なんとまあ、空が緑と赤と青とピンクで混ざり合い、宙に雲の形をした吸血鬼が何匹も徘徊しているではないか! 恐ろしく、あまりに怯えてしまい、私はひざ小僧を擦りむいてしまった。すると傷口はあっという間に塞がり、そのまま膝の皮が延々と伸びて終いには私そっくりな人形ができてしまう。「るまい、これはるまいなのか? 私は、一体どうしたというのだ! 私の名前が思い出せない!」昔読んだあらゆる本の活字が血液に取って代わって脳内を循環し、私の思考を徐々に支配し始める。「待て。この展開は何度か経験した気がする。よく言われるデジャブという代物か。」カプセルの副作用か、急な眠気に襲われ、そのまま永眠した。

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