新暦と旧暦
数え年の話ついでに新暦と旧暦に関連する話をば。
例えば、桃の節句。本来は旧暦の3月3日なので、桃の花が咲く頃になりますよね。
旧暦5月5日は梅雨の真っ只中。鯉のぼりは元々は梅雨空の中を泳ぐものだったのですが、新暦の5月5日はカラッと晴れていることが多く、青空の中を泳ぐイメージに変わってしまっています。
関連して、「皐月晴れ」という言葉ですが、「梅雨空の合間の、ほんのちょっとした晴れ間」のことです。それが新暦の「5月晴れ」となると雲一つない青空をイメージする人が大半ではないでしょうか。
そして七夕。旧暦の7月7日は、新暦(現代歴)の8月。ですから晴れている可能性が高いのですが、新暦の7月7日はまだ梅雨明けしていないことが多く、曇りや雨が多めですよね。わざわざ、晴れが少ない時期に設定しないわけですが、旧暦から新暦にそのまま持っていったからおかしなことになっています。
余談ですが、「男心と秋の空」という、平安時代頃からある言葉に対し、昭和50年代後半くらいからか、「女心と秋の空」という言葉が生まれていますね。芸能人が間違って覚えていてマスメディアを通じて広まってしまったような気がします。米国での「ウーマンリブ」運動の影響で生まれた言葉な気がします。(「男心と秋の空」は、通い婚が貴族の結婚形態だったころに生まれた言葉です。)
最後に、旧暦といえば「旧暦2033年問題」というのがあります。
現在、日本では公式には旧暦が廃止されており、(公式には新暦のみのため)旧暦を公式に運用する法令も組織もありません。
日本の旧暦は、「天保暦」という暦で閏月の命名ルールが定められているわけですが、このルールで何月かを決められない現象が2033年に初めて起こります。天保暦が定められて以来、初めてのケースだそうです。
公式な暦なら、現在の春分の日や秋分の日のように閣議決定で決めてしまい公告すれば確定するのですが、公的には廃止された暦なので旧暦の月名を決める公的な仕組みがありません。
さて、どうするのでしょう? どこかの団体が提唱して合意形成を図っていくのでしょうか。