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遭遇2

 




「あれ?」



 中村は、空中で宙ぶらりんとなった状態で、目をパチクリを瞬かせた。

 周りを見ようにもぶらりと空中に投げ出されてる状態で下手に動けば落ちてしまう可能性もある。



「あれれれれぇぇええええええ!!!????」



 そのまま体が上がっていくので、変な声が出る。



「俺、鳥になった!?」



 どんどんと上がる体は、朱色の巨大な鳥の胴体を超え、その先の図太い枝の上に降ろされる。



『そんなわけあるか!』


「ふぎゃっ!?」



 目の前でまた朱色の巨大な鳥が喋った事に驚いて、仰け反り、そのままもう一度枝から落ちそうになったが、寸前の所で何かに支えられた。



『何度落ちれば気がすむのだ。人の子よ。

 それとも何か?我が知らぬ間に人は空でも飛べるようにでもなったか』


「なにそれ新しい!

 ってか、それ既に人じゃない!!」


『だろうな。

 そんな芸当できば、お前は鳥人(ちょうじん)の先祖返りだしな。

 まあ、素直に落ちていたが』


超人(ちょうじん)って先祖返りか?逆に人類の進化じゃね?」


『ふむ。確かに(鳥の)進化ではあるな』


「だろ!」



 そこまで話して、ふと思い出した。

 そういえば、上から知的生命体と接触したときは、対話が可能な場合、次を約束し、すぐに上に報告するようにと言われていたと。


 ちらりと朱色の巨大な鳥を見れば、明らかに日本語を理解した上で、この地域では考えられないほど温和な性格で、対話も可能。


 要するに、上はこういう生き物を求めていたはずだ。



「あの、このあと暇ですか?」


『…突然どうした』



 急に改まった中村に、不可解げな目を向ける。



「えっと、私の上司?があなたと話したいらしいです?」



 上に報告と言われたが、誰に報告して、誰が話すんだろうと首を傾げながら。



『…なんでそんなに疑問形なんだよ』


「………とりあえず、上に報告としか覚えてないからです…」


『それは大丈夫なのか…』


「先輩に聞くから大丈夫です!」


『それは大丈夫とは言わないだろ!!』


「すみません!とりあえずお願いしまっーー」


『落ちる落ちる落ちる!!!』



 勢いよくガバリと頭を下げ、その勢いで枝から落ちかけたのを慌てて支える。



『お前は学習能力がないのか!!』


「…すみませーん…!」







中村くんが動かしやすくて出しゃばってくるんだけど、どうしよう…。

人が出しゃばる国転移は好みじゃないのに!!!

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