新大陸上陸
日本が転移してから1ヶ月。
ついに、自衛隊が新大陸に上陸した。
「おおおおお!!!!!」
「うるさい」
巨大な木々に囲まれて感極まって声を上げた中村 翔太は、まだ19歳の少年で、ペンが転がるだけで爆笑できるお年頃だった。
そして、そんな中村を頭をバシッと勢いよく叩いたのは、小林 圭人24歳。
翔太の先輩になる。
「だって先輩!木がでっかい!」
「うん、まあ、それは分かるけど、黙れ」
「はい!」
まだ騒ぐ中村の頭を鷲掴みにした小林が徐々に力を込めていくと、中村は慌てて返事した。
だが、小林も内心、中村の気持ちがよく分かった。
新大陸の木々は、数千年の時を感じさせる巨木ばかりで、事前にロボットの撮った写真を見て知っていたとはいえ、実際見ると圧倒される。
「鳥もでけー」
グゲーと不気味な鳴き声を上げて、彼らの上を通った巨鳥をボケーと口を開けて眺める中村の頭をもう一度引っ叩いた。
「お前なー、ここの生き物は、でかい上に雑食だって聞いただろう。
ぼけっとしてると食われんぞ」
「うげっ!それは勘弁です!」
「それならシャキッとしろ、シャキッと。
観光じゃなくて仕事で来てんだからな」
「はい!」
彼らがそう話している内に船に乗っていた隊員が全員降りていた。
「全員降りたな。
では、確実野宿の準備。始め!」
「はい!」
野太い返事と共に各々がテントを張ったり、動物を狩ったりと動き出した。
もちろん、動物は、疫病の検査を合格していないので食べれないが、政府としてはこの大森林の一部を現代の出島代わりとして、大陸調査の拠点にする為に専門家達が暮らせる町を作りたいと考えており、自衛隊に与えられた任務は、食べれそうなものの採取と生活基盤を作ることであった。
自衛隊の位の偉さが分かんない。