可能性帳
「はぁ〜!?何これ!?」
「ちょっ、急いでるのに!!」
「ヤバイ、めっちゃ面白い!」
「『もしも地球以外だったら』とかふざけてんの?」
鈴木副総理の考えた案とは、ケータイ会社協力の元に全てのケータイのロック画面にアンケートが表示するというものだった。
1.地球以外に飛ばされたとするならどんな世界?
2.その世界の生物は?
3.地球との違いは?
4.文化レベルは?
5.どんな事が起きると思う?
6.その他
事件は会議室で起きてるんじゃない。日本全土で起きているのだ。
なら、日本全土を巻き込めばいい。
早くケータイを開きたいと最低限答える人、自分の妄想を書き連ねる人。
色んな答えが返ってくる。
異世界だ!中世ヨーロッパだ!魔法だ!剣だ!とファンタジーいっぱいの答えもあれば、違う星だ!宇宙人だ!宇宙大戦だ!とSF調の答えもある。
少なくとも会議室で頭をひねるよりも多くの可能性が見えてきた。
似たものをまとめ、大きな可能性帳が出来上がった。
「スゴイね」
佐藤総理は、その分厚い可能性帳を見て、感嘆する。
多くの災いが日本を襲い、塞ぎ込んでいたのが現実だが、それでもまだこれだけの希望が日本にあるのだと感じされられた。
「そうですね。この希望の為にも頑張らなければいけないですね」
鈴木副総理も自分で考えたことではあったが、想像以上の結果に喜びを隠せなかった。
「では、これを元に対策を立てて行きましょう」
これだけあれば、想定外のことは最小限に抑えられるだろう。
これ以上の対策の立て方が思い浮かばない以上、これが最善であると思うしかなかった。