烏野サイド 4
今日も日課の小説の更新状況をチェックする。
18話目の投稿を確認。
順調だ。
僕は、狐火に連絡を取って、ナツメ君の様子を聞くことにした。
携帯で電話をかける。
しばらくコールした後、狐火が出た。
「様子はどうだ?」
「……少し気になることがあった。 もしかしたら、俺は刺されるかも知れねぇ」
何……?
「刺される?」
「あの部屋には監視カメラが仕掛けてあんだろ? それを見てたら、ナツメが隣の住人に助けを求めてたんだ。 そんで、しばらくしてあいつが郵便受けから何を持ち出したと思う? 包丁だ」
包丁だって!?
「まさか、ナツメ君がお前を刺すなんてことは……」
「どうだろうな。 追い詰められたら何をするかなんて分からねぇぜ。 お前が続行というなら俺は付き合うが、どうする?」
……大丈夫だ。
小説の主人公は作者の分身だ。
ナツメ君の書く主人公は、どんなに非力でも苦難を乗り越える。
絶対に、大丈夫だ。
その時、テーブルに置かれいたコップが、ピシリ、と音を立てた。
「何だ……」
パアン! とコップが縦に割れた。
「……!?」
これは、何かの予兆か?
嫌な予感がした。
だが、今日はラジオの公開日だ。
今更辞めるなんて選択肢は、ない。
交互にしたらめちゃくちゃ面倒くさい笑