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作家の条件  作者: oga
2/15

烏野サイド

 僕の名は烏野冥。

年は31才で、好きな食べ物はプリン、嫌いな食べ物は羊羹だ。

羊羹を食べるときは、舌に触れないよう、丸飲みするように食べる。


 そんな僕だが、大手出版社のライトノベル専門の編集者として働いている。

この部署にいる編集者は、全部で10人。

月一冊をノルマに、みな独自の方法で、有力な書き手を見つけて担当するというスタイルを取っている。

ただ、出版社のカラーというものがあり、内容についてはそこまで逸脱したものには出来ない。

ウチの場合は、比較的若い層をターゲットに絞っているから、分かり易い内容というのが基本だ。


「……てか、早くうん〇出てこいよ」


 今トイレで格闘中だが、便秘気味で中々出れない。

便座に座ってウンウン唸っていると、同じ部署の人間がこんな話をしながらトイレに入ってきた。


「今回の大賞どう思う?」


 恐らく、毎年我が社で行っている新人賞について話しているのだろう。

大賞は全部で4本出ることになっており、賞を取れば自動的に書籍化も決まる。


「……正直、ビックリするようなタイトルは無かったな。 まぁ、書籍化して元は取れるかな~、くらいの感じよな」


 ……新人賞は出版社の路線に合わない作品は、どんなに面白くても排除される。

それが選考基準にもなっているからだ。

だから、今まで無かった新しい作品などは、絶対に選ばれることはない。


「まあ、異世界ものを優等生が書きました、的なな」


  これに関しては、僕らにも責任がある。

ラノベの大半が異世界ものになってしまったのは、僕ら出版社がそういう作品しか出さないからだ。

当然、それに影響受けた読者の中から書き手が生まれる。

それが悪いとは言わないが、それでは、世の中全ての読み手をビックリさせるような作品は生まれにくい。


「新人も学生とかザラだからな。 ヘタに難しいこと要求すると書けなくなっちまうし。 あと烏野、編集長が呼んでたぜ」


 ……なっ!?


 



 帰り道、スマホで書き手を探しながら歩いていた。

小説家に〇ろう、というサイトだ。

ランキングに乗るような作品は、やはり異世界ものばかりのため、新規の連載小説から探すことにしている。


「魔法大国で成り上がり。 ブックマーク0か」


 新規のトップに来ていたので、試しに読んでみる。

タグに非チート、と書かれていたのが興味を引いた。


「……! これ、面白いぞ」


 光る物がある。

そう思った。

それから、しばらく彼の動向を見守ることにした。










 



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