表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生からの異世界召喚~苦労人系魔王の新人冒険者観察~  作者: へたまろ
第3章:ジュブナイルとチョコのダンジョン攻略

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/80

第22話:エピローグ そして伝説に……

「なるほどのう……道すがらに、レベルを上げながら進んだと」

「ええ、かなりの強硬策でしたが」

「しかし、四日で制覇か」


 そうか……なんだかんだで、そんなに経ってたのか。

 途中で無駄に、良い寝具で一泊したしな。

 カナタが取り出した。


「で、ドロップ品や素材は何があるんだ?」

「あっ……」


 そういえば、魔物を倒して先に進むことばかりに集中して、ほとんど何も得ていない。

 女神の涙以外……だと……


「これくらいです」

「熊の掌?」

「えっと、エンペラーダンジョンベアです」

「ばっ! おまっ! 毛皮とか、牙とかあっただろう!」


 はい、おっしゃる通りです。

 カナタにそれ渡されて疑問も持たずに、鞄に入れてました。

 まだ、傷んでないようで何よりです。


「私が一人で戦ってた時、暇だったじゃないですか! あの時に、拾えばよかったんですよ」


 それ以外に何も持ってないことを言うと、ギルマスが呆れた様子で首を横に振っていた。

 そして、チョコが喚きだす。

 いや、それいったら、途中でモンスタールーム一部屋俺に任されたんだけど?

 あんとき、お前も暇だっただろう。

 まあ、言い争っても仕方ない。


「そうだろうなって思って、色々と拾っといたよ! 熊と、熊と、あとそれから熊に、熊と」


 カナタが鞄を呼び出して、中から俺たちが倒したであろうダンジョンベアをポイポイ取り出している。

 凄くシュールな光景だ。


「マジックバックってやつか……でも、ここわしの部屋……血とかで汚れるし、匂いもつくから裏の解体場で出してくれんか?」

「そう? でも、もうノミとかは手遅れかも」

「手遅れかあ……」


 緩いな、ギルマス。

 カナタに何か弱みでも握られているのか? 

 それとも、本当に子供に弱いのか?


 まあ、カナタのお陰で少しはお金になりそうだが……

 どう考えても、俺に使ったポーションの補填にもなりそうにないんだが?

 

「とりあえず、それは査定に出すとして、詳しい話くらい聞かせてくれるんだよ」


 ワクワクしたおっさんとか、別に誰も得しないんだけどな。

 まあ聞きたいなら聞かせてやるのが、冒険者稼業ってもんよ。

 いいか、耳の穴をかっぽじってよく聞くんだ。

 あんたにゃ聞く権利じゃなく、義務があるんだからな!

 俺たちが、どんな酷い目にあったか。

 酷い目……酷い目かぁ……

 かなり酷い目にあったけど、結果だけ見たら報われているというか。

 お釣りが出るくらいの成果だったが……それでも、語らないわけにはいくまい。


「とっても疲れました」

「そっか……疲れたかあ……」


 おい、熊!

 お前、女子供に緩すぎやしないか?

 チョコが我先にと語りだしたが、情報量少なすぎるだろう。

 ギルマスの知りたいことの、一割も含まれていないと思うぞ?


「何回か死にましたが、終わってみたら楽しかったです」

「死んだの大変だね。でも、楽しかったかあ……良かったな」


 今の俺のステータスなら、この熊を討伐出来る気がする。

 心情的にも……


「おいおい、ジュブナイル! ゆらりと立ち上がるな。怖すぎるぞ」

「チッ!」

「お前、わしに舌打ちしたやつ、ギルマスになってから三人目だぞ?」


 三人もいるのか。

 他の二人とは、仲良くなれそうな気がする。


「あとの二人は、嫁と娘だが……」


 やめろ。 

 悲しくなる。


「とりあえず、レベルが上がった結果はどうなんだ?」


 マスターに言われて、さきほど鑑定してもらったステータスを確認する。

 鑑定士の職員が鼻水飛ばしてたから、それなりに上がっているのだろう。



レベル33→99

HP421→63103

MP0→0

筋力211→1103

魔力0→0

体力188→1103

敏捷131→1103


 うーん……生命力が魔王クラスじゃないのかこれ?

 もう、外傷で死ぬことない気がする。


「ぷっ、生命力がむさいおっさん(63103)になってる」

「お前、鑑定の時になにかしたか?」

「するわけないじゃん! おっさん、一人でいってたのに」


 そうだな……でも、その場にいなくても何かしそうな雰囲気はあるが。


「他はのきなみ良いおっさん(1103)なんだから、気にしなくていいんじゃない?」

「お前、本当に何もしてないのか?」

「別にぃ(めっちゃ微調整頑張った甲斐あった)」


 なんか、小言で呟いてガッツポーズしてたが。

 本当に、本当に何もしてないんだろう。

 そんなこと、外的要因でどうにかできるもんでもないし。

 しかし……人外クラスの4桁ステータスどころか、生命力やばいな。


「私も凄いです!」


レベル2→82

HP8→531(ウザイ)

MP2→1616(イライラ)

筋力2→222(プププ)

魔力3→1082(天罰)

体力2→311(どうでもいい)

敏捷1→592.4(ごく潰し)


「なんか、私のステータスカードの横に変な文字が増えてるんですけど」


 やっぱり、カナタが何かしたんだな。 

 そして、ステータスに小数点は存在しないはずだ……


 スキル欄も凄いな……根性とか気合ってスキルだったんだな。

 おおよそ、祈祷師には必要のないスキルだが。

 

 ギルマスにステータスを開示しながら、ふと横を見るとカナタがいなくなっていた。


「あれ? カナタは?」

「ああ、さっき解体所に素材を卸しにいったぞ?」


 ギルマスは、カナタが出て行ったところをしっかりと見ていたらしい。

 それから、ダンジョンであったことを事細かに伝えた。

 なぜか、ギルマスが嬉しそうに話を聞いていたが。


 ああ、フェイクのことは黙っておいた。

 色々と考えた結果だ。

 女神様からの口止めもあったし。


 そして、いつまで経ってもカナタが戻ってこない。

 話も終わったので、解体所の方へとチョコと迎えに行く。


「カナタさんは、難しい話が苦手なんですね」

「そうか? あいつのことだから、とことんおちょくってふざけ倒しそうだが……お前は、女神様との話し合いのときに寝てたからしらないか」


 解体所では、職員が大量の熊を必死に査定して、バラしていた。

 すげー量だな。


 熊ばっかり……

 マスターのお友達って紙が貼ってある熊を見て、職員が疲れた顔で笑っていたが。

 マスターの兄って、酷いこと書くな。

 変異種の腕が4本あるやつ。

 確かに、顔は似てるが。

 

 しかし、肝心のカナタがいない。


「おい、ここにこれを持ってきた坊主は?」

「ああ、ジュブナイルか……まったく、とんでもない量を持ち込みやがって。三日はかかるからな」

「いや、そうじゃなくて……ガキが、これ持ってきただろ?」

「ああ? ああ、その子なら消えたよ」

「はっ?」

「文字通り、熊だけ出してふわっと」


 なんの冗談だ! 

 まさか、挨拶も無しにどこかに行く気か?


 いや……ダンジョン制覇という観光目的は達成したわけだし。


「カナタさん、消えちゃったんですか?」


 チョコが、悲しそうな表情を浮かべている。


「じゃあ、お疲れ会はどうなるんですか? ジュブナイルさんと二人っきりとか、他の人に勘違いされるの嫌なんですけどお?」


 あっ……


「じゃあ、解散」

「なんでですか! そこは、強引に誘う流れでしょう! っていうか、カナタさんとも一緒に食べたかったのに」


 それは、高い酒目当てじゃないのか?

 とりあえず、あいつはこういうやつだ。

 別れを惜しむタイプじゃないのは、分かってたが。

 いきなり不意打ちで、消えるってのはあんまりじゃないか?


 なぜか、またどこかで会える気がしてならないが……


「わーったよ、とりあえずうまい飯でも食って解散すっぞ! ちなみにパーティも解散だからな!」

「なんでですか! ここまで来たら、一蓮托生でしょう!」

「知るか! 俺は、カナタに巻き込まれただけだ! 元々、チョコとはパーティなんか組んでねぇし」

「カナタさんみたいな、冷たいこと言わないでくださいよ」

「あいつと、一緒にすんな!」


 それから解体所を後にしようとしたら、会話を聞いていた職員が一部支払いを先にしてくれた。

 美味いもんでも食えって。

 いや、俺たちの稼ぎなのに、なんでカンパしてる雰囲気出してんだお前?


 見たことない奴だな……


「これっ! おまっ、カナ……」


 手元のお金を確認して思わず顔をあげたら、すでにその職員は目の前にいなかった。


 掌には金貨が三枚……そのうちの一枚は見覚えがある。

 初めて手にしたそれ。

 困った時用の、虎の子の一枚。


 カナタとチョコとダンジョンに挑む前夜に食べた食堂で、勝手に使われたはずの金貨だ。

 どうせ死ぬと思って、敢えてカナタには何も言わなかったが……

 

 ふん……本当に、可愛げのないガキだ。


「次会ったら、この金貨で美味いもん食わせてやるよ」

(はは、それじゃ足りないかもねー)


 思わず空に向かって呟いたら、返事があったような気がした。

 気のせいとは思えないな。


「ジュブナイルさん、早く行きますよー!」


 チョコは、元気だな……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ