空中都市 ディノ
お読み頂きありがとうございます。
少しずつの話の分割になっているので1話が短めになっています。ご了承ください。感想が貰える作品を書けるよう頑張ります。これからもよろしくお願いします。
後戻りは出来ない。どうやって切り抜けるべきか。
「そちらの空中都市に用があって訪れた。通しては貰えぬだろうか。」
「然し、此処は限られた者しか通せぬ。ましてや貴様の様に怪しく、翼持ちでも無いものなど……」
『凪、凪、大丈夫? そろそろ僕の魔法も切れそう。こういう時こそ精霊の紋章を見せるんだよ、この世界で紋章は大切だからね。後、早くお願いね?』
「分かった。」
小声で返事をすると、早速実行した。
「これでもだめか?」
「何を……んっ!!」
腕の紋章を見た途端驚く様な声を出した。効果は
絶大な様だ。
「こっ、これはこれは上位精霊宿しのお方でしたか。我々の無礼お許し下さい。」
「まぁいいよ、それより早く通して。」
「はっ、只今!」
急に態度が変わり、丁寧な対応になったかと思うと早速何かを唱え始めた。
「これで準備は完了です。どうぞ、お気をつけて。」
これで私は此処へ来てから初めての街、空中都市ディノに行ったのである。
ディノはウンディーネが言っていた通り大きな街だった。翼の生えた人間が楽しそうに会話をしてたり、広場では子供が走り回ったりもしている。大きな街で、店がとにかく多い、というのが印象的だった。
『此処は貿易の中心だからね。店が多いし、賑わっているんだ。とにかく、早めにお願い。魔法が切れるのも時間の問題さ。』