空中都市の門番
『僕は水神。龍の目って言うのは獄炎の一種だと聞いたことがあるから……』
つまり、ウンディーネの水神で龍の目の力を中和するってことか……?
『そう、街に行くまでの間なら普通の人間と変わらない目に出来るかも。』
流石です。ウンディーネ様。これで準備は整った。最初の街を目指して私達は歩き出す。
── ウンディーネは街まで近いと言っていたが徒歩となると物凄く遠いのである。かれこれ二時間は歩いているのだが、一向に見えてこない。
「ウンディーネ、ウンディーネ。」
『なんだい、凪?』
「本当にこっちの方向であってるのか? 一向に見えてこないんだけど……」
『合ってると思うんだけどな、僕が行った時は三時間くらいで着いたはず。』
三時間……後一時間歩けば着くという事か。そう考えれば少しは楽である。自然と足取りも軽くなった。
「ところで、どんな街なんだ?」
『確か名前が【空中都市ディノ】とかで宙に浮いていたはず。大きな街だよ。』
空中都市!さすがはファンタジーの国。夢がある!でも空中都市って事は……
『地上からでも行くための転移紋章が書かれているから行けるよ。』
ウンディーネは私の心配を察知して教えてくれた。
そして約一時間。ウンディーネの言う通り、きっかり三時間で到着した。空中都市というのはその名の通りで、大きな城が地面と共にぽっかりと浮いている。"大きい街"と言うのが良く分かった。そして、それが浮いている下には大きな穴が空いていた。落ちたら死ぬだろうと直感で分かる。もう一度死ぬのは懲り懲りなので用心しなければならない。ウンディーネの言っていた通り地上には大きな紋章が描かれており、翼の生えた門番の様な男が二人どしんと立っている。
「貴様!誰だ!こんな所で何をしている!」
……やばい。門番に見つかってしまった。
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