人魚と水
足が勝手に進んでいく。これもウンディーネの力なのだろうか。自分の体が自分のものでは無いようで、とても気持ちが悪い。
『ウンディーネ、足が勝手に動くんだけど……』
『ああ、乗っ取ってみたんだ』
なんか恐ろしい事をさらっと言いました…?
まぁ、この際どうでも良い。割り切ってスルーしなければこの世界を生き抜くことは出来ないだろう。
『ほんとに大丈夫なのか?』
連れてこられた(?)場所は初めに私が目覚めた時、横にあった湖とよく似たものだった。
『ここは?』
『ここは人魚の住む入江だよ』
『で?あれって』
『それは……』
ウンディーネが言いかけた時だった。
「あら?人間なんて久しぶりじゃないの!どうしてこの場所がわかったのかしら?」
「うふふふ、姉様ったら興奮し過ぎですわ。人間が驚いていますし」
「あらやだ、私ったらほんとに」
何やらガヤガヤと騒がしい声が聞こえる。
『来たね、人魚だよ』
「こんにちは、人間さん。私はこの人魚達の姉のような者よ。今日はどんなご要件かしら?」
青い目をした癖っ毛の人魚が声を掛けてくる。私が話すより前にウンディーネが話し始めた。
「相変わらずだね、ルーナ」
「その声……ウンディーネね!どうしたの?その姿」
「色々あってこの子に宿ってるよ」
「ふぅん……死んだのかと思っていたわ。人間の姿も維持出来ないなんて私達としては死んだも同然だけど」
「そういう所は昔から大嫌いだよ」
険悪なムードが流れ始める。身体の中でウンディーネがイラついているのが分かった。
今回は少し長めの投稿です。お正月も終わり、2017年が本格的に開始しましたね。
そして、受験シーズン到来です。
受験生の方、頑張って下さい!
私も頑張っていきます。では、2017年もよろしくお願い致します!!




