表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
厨二病勇者で何が悪い!  作者: 由貴ヒロ
第二章 狂い始めた歯車
21/26

ウンディーネの蘇生

『凪、起きて』


 そこには狐の姿のウンディーネがいた。


『ウンディーネ!ああ、ウンディーネがいる!』


 訳が分からなくなって、泣き叫ぶ。涙で視界が霞みウンディーネがよく見えない。


『僕のためにこんなにボロボロになって戦って、大変だったんだね』


『でもね、ウンディーネ……たった1人、私にはウンディーネしかいない。だから、どれだけボロボロになったっていい』


『そうかい、そうかい。でも僕は君が大っ嫌いだよ』


 冷ややかな声が頭の中でグルグルと回った。嫌い?何で?どうして?考えようとしても、それを何処かで怖がっている。私は一歩後ずさった。


『…………え?』


『当たり前だろう、誰のせいで消滅する羽目になったんだい?僕が攻撃されなければいけなくなったんだい?』


『……やめて……やめてよ……』


『何を勘違いしているんだい?大切な人?ふざけた事を。君は僕の受け皿でしかない。それに僕を危険に晒しておいて今更何のつもりさ?』


『それは……でも、私は守ろうとしたんだ!大切だと思うものを!昔の私とは違う!』


『君は昔と変わらない、少し能力を持ったくらいで守れてなんていないのさ。現実から離れたことにばかり気を取られて本当に大切な物を見失って。何かに憧れているだけの、弱虫だ』


 弱虫……その言葉が何度も頭の中で再生される。

ガラガラと音を立てて、私の何かが壊れていく。

そのまま、ウンディーネは煙となって消えていった。


 


ガバッと起き上がる。ハァハァと自分の息が上がっているのがよく分かる。

──なんだ、夢か

 額には汗で髪が引っ付いていて、頬には涙が伝っていた。涙を手で拭って立ち上がる。ねぇ、ウンディーネ、私の事をどう思っているの?暗闇の中に声は消え、手の中にある石は一層光を増していた。


この頃は亀更新になってしまっていますが、何とかエタらぬよう頑張らせて頂きます。挿絵、番外編のリクエストあればなんなりとお申し付け下さい。Twitterの方でも募集しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ