決闘~終焉~
「はぁ?お前と俺が決闘?」
不快な笑い声が大きくこだます。
「武器も持ってねぇやつが戦闘プレイヤー語るなって言ったよな?日本語通じてるか?」
「ああ通じてる。俺も自分の武器くらい持ってるからな。装備はしてないが」
「人前に武器すら持ち歩けないとはとんだチキン野郎だな。お望みとあらば叩きのめしてやるよ」
その言葉とほぼ同時に、『ディガーナ様から決闘を申し込まれています。応戦しますか』との文字と、YES、NOの選択肢が現れる。
YESを押す前に、アイテムイベントリを操作して、剣豪シリーズとエクセリアを装備する。
一瞬で変わった装備に、野次馬から動揺のざわめきが聞こえ始める。
そりゃそうだ。まだ誰も持ってないであろう装備なのだから。
相手も少し顔色が変わって目を丸くしている。
その様子に少し笑いながらYESボタンを押した。
ブン……という音とともに青い戦闘フィールドが出現する。
街では敵のモンスターはでなくとも、決闘はできる仕組みになっているのだ。
もちろん決闘で敗北しても死ぬことはない。だが精神的ダメージは大きなものだし(LMOで体験済み)、痛めつけるには丁度いいと考えたのだ。
他の見物人はフィールド外で心配そうにこちらを覗き込んでいた。
職人プレイヤーの女の子なんてもう泣きそうな勢いだ。
「……その武器、どこで手に入れた」
戦闘プレイヤーのリーダー、ディガーナはそう俺に問いかけた。
「さあ。こいつに興味あるの?」
「……それにその装備…お前、何者だ!」
『それでは決闘を開始します。5 4 3 2 1 GO!』
GO、と聞こえた瞬間俺とディガーナは飛び出し、お互いの武器をふるう。
敵さんの武器は大きな斧で、リーチ的には向こうのほうが上だった。
それでも長剣を日本刀のかわりに使っている俺は、どう考えても負ける気がしない。そう思って軽く斧の勢いを削る目的で斧に刀をぶつけたのだ。
するとぶつけた瞬間、ディガーナの身体は斧ごと大きく吹っ飛び、フィールドにぶつかってHPが全て消滅したのだ。
「…………は?」
ただ軽く刀を振るっただけなのに、それで人1人をいとも簡単に倒してしまったのだ。
俺も野次馬もディガーナの仲間も、みんな何が起こったかわからずただ茫然としていた。
が、次の瞬間、街は大きな歓声で包まれたのであった。
決闘終わるの早すぎで、自分でも呆れました…まぁこれでいいんだ…(遠い目