開演『Clase Reed Online』
文書中にwwや顔文字が入ります。苦手な方はご注意ください
※ホモはないですがユウが割と本気で桜を狙ってる感があります。少しでも苦手な方はお気を付けくださいw
「……」
「……………」
「…………………」
「………………………どこだよここ」
これが俺たちの交わした、CROでの初めての言葉だった。
「え、どこここ。俺らクリミア草原でレべ上げしてたよね!?どこここ」
「落ち着け桜人。冷静になれよ」
「英輔は落ち着きすぎなんだよ!あとここでは桜人って呼ぶな!桜だ!」
「桜も本名言っちゃってるよ…ここでは零、でしょ?」
「悠r…じゃなくてユウ!お前もなんでそんな冷静なんだよ…」
「俺には桜がいるからね。何があっても平気だよ」
「ホモホモしいぞユウ。」
「ホモホモしいってなんだよ…それじゃあ俺もホモホモしいってことだろ…」
「よくわかってるな桜」
「うっせーよ!」
「ほらほら2人とも落ち着いて」
俺ら…俺、桜人と零こと英輔、ユウこと悠里は先ほどまでLMO(Lonly Memory Online)をプレイしていた。
色々なVRMMOをプレイし、満場一致でハマったゲームで、俺らはかなり上位の位置にいた(その代り勉強は疎かだったが)
それでも別にトップを目指していたわけでもなく、ギルドも3人揃って中位あたりに所属していた。
今日はこの間のアップデートで追加された新エリア、「クリミア草原」でレベル上げついでに攻略を目指していたはず……だったのだ。
敵を倒して進んでいた時、急にあたりが輝き始めた。光がやんで目を開けると大きな建物だらけの街にいた、という状況だ。
「ほんとにどこだよここ…」
「人がどんどん増えてるね…でもみんなキョロキョロしてるしもしかして俺らと同じ状況?」
「聞けばいいだろ聞けば…あ、すいませーん」
マイペースで男前な零はすぐに近くの人を捕まえて声をかける。俺はコミュ障だからできない技だ。
「…………そうですか、ありがとうございます」
戻ってきた零は心なしか顔色が悪い。
「どーした零」
「……トンデモナイことに巻き込まれたかもしれねぇ」
「とんでもないこと?」
「ああ…」
零は大きく息をはき、俺達をしっかり見て言い放った。
「どうやらここは『Clase Reed Online』の中らしい」
「……CROって…あの鬼畜ゲーの?」
「ああ」
なぜだ…なぜよりによってCROの中なんだ…
「でもCROってこんなに人口いないだろ。1000人くらいって言ってなかったか?ぱっと見5000人はいそうだけど」
「俺らと同じくLMOから飛ばされたんだろう。…にしても妙だな。CROとLMOは作製会社が違うし、バグにしてはおかしすぎる」
ちなみにCROの作製会社はEREMENTY社、アメリカの会社だ。LMOは日本の大規模会社作製だったはずだ。名前忘れたけど。
「確かにそうだね。データの混濁ってのでも信じがたいのに、他社のゲームと混ざるなんてありえなさにも程がある」
「…ユウが言うと説得力あるよね」
「どういう意味だ」
「べっつに~」
ユウがさらにまぁまぁ、と笑う。
丁度その時
ピーンポーンパーンポーン
大きなアナウンスが鳴り響く。
「お?謝罪のアナウンスか」
ざわざわとしていた街が静まる。
『えーっとテステス、マイクのテスト中ー』
思いのほか呑気な声が聞こえ、ざわめきが取り戻される。
若い男の声が広い土地全体に響き渡る。
『えっとねー。まず初めに、これはバグでもなんでもありません。こういう仕様です。ここはCROとLMOの混濁した世界なんですよ~!』
あたりのざわざわがさらに大きくなり、ほとんどの人の顔が不安に染まり始める。
『それと…ここで死ぬと君たちの身体は仮脳死状態になるから気を付けてね。でもあくまで"仮"だから。1人でもこのゲームをクリアできたら、皆元の現実に帰れるよ。それじゃー説明はめんどくさいから省くわ。頑張ってねー』
ブツッという音がして、マイクが切れたのだと理解する。でも俺の思考はそれどころじゃなかった。
あたりが一気に騒がしくなり、女性の叫ぶ声、男の怒鳴り声がこだます。
ふざけんな、ここからだせ!
早く元の世界に返してよ!
耳が痛い程に声が空に消えていく。
「桜、桜大丈夫?」
はっと我に返るとユウが俺の顔を覗き込んでいる。
零も少し顔が曇っていて、不安なんだということが読み取れた。
「おう、全然大丈夫。」
「嘘。顔色悪いよ」
「ここゲームの中だぞ?ww顔色なんてわかんないだろww」
「いや、確かに顔色が悪い。ユウはよく桜のこと知ってるよな~」
「当たり前でしょ?」
「ユウ怖い」
今のは結構ガチで怖かった。うん。
今はゲームの中の世界で、俺は赤髪を横で結っている。身長は160過ぎと小さ目だった。
ちなみにユウは銀髪で身長は170前半、零は黒髪に180あるかないかという大きな身長を持っている。うらやましい限りだ(ギリィ
容姿は髪の色だけを選ぶことができ、それ以外はランダムで決まる。体型もランダムだ。(全員痩せ形でよかった)
「それで、さ。どうする?アナウンスが本当だとしたらかなりやばいぞ。仮脳死状態って…」
「あれを鵜呑みにするのもどうかと思うが、信じるしかないよなぁ…」
「ていうか……CROはやばいよ…俺らレベル1に戻されてるし…」
「問題はそれだ。」
こんな会話をしたのが5か月前。
現在のステータスがこの通りだ。
プレイヤー名:桜
レベル700
HP:9999
PW:869
MP:770
CR:320
DF:680
――装備――
武器:エクセリア(大剣:レア度★★★★★★★★)
上半身:駆け出し剣士の鎧(上)
下半身:駆け出し剣士の鎧(下)
ど う し て こ う な っ た \(^o^)/