序章 ~episode00~
Close Reed Online。
VRMMOの中で3番目に作成されたゲームである。
通称CROと呼ばれるそのゲームは、鬼畜過ぎるとしてある意味有名だった。
通常のレベル上げという概念が辛すぎるのである。
CROでのカンストレベルは700。かなりの高位レベルで、上げるのが大変。
それに付け加え、敵のモンスターがめっぽう強い。
チュートリアルのスライムですら死亡者が続出するレベルである。
この鬼畜さから、人はどんどん減っていく。今では1000人ほどしかプレイ者はいないらしく、みんな別のゲームに移ってしまった。
しかしこのゲームにも面白い見どころがある。しかしそれもまた、人を減らす原因となっていた。
『完全武器レベル制度』
これがこのゲームオリジナルのレベル上げ制度だ。
しかし、プレイヤーが何かするわけではない。ただ単に運がいいか悪いかで決まる。
この『完全武器レベル制度』の説明をしよう。
まず、CROには武器ドロップというものがほとんどない。武器同士を鍛錬して合成させる、というものもないのだ。
武器を鍛錬するには、鍛錬スキルを熟得したプレイヤーにアイテムや金を渡して合成してもらう方式になっているのだ。
なら武器はどうするのか。ほとんどは大量の金をNPCの武器屋に渡して買うことになっている。
しかし。ごくごく稀に、モンスターがドロップすることがある。
それらの性能は全て、装備するまでシークレットで隠されていて、どのような武器なのかは運次第。
プレイヤーのレベルは全てその装備した武器に合わせられるシステムになっている。
例えば、レベル1のプレイヤーが、レベル50のドロップ武器を装備した場合、そのプレイヤーのレベルも一気に50まで上がるという方式である。
ただその代り、レベル50のプレイヤーがレベル5の武器を装備した時は、プレイヤーのレベルも5まで下がることになる。
また、ドロップ武器を装備できるのは1度きりとなっているため、幾度も変えれるものではない。
性能が分かり、気に入らなかった武器以外で装備できるものはNPCから買えるもののみとなる。
武器屋の武器は、高額なものほど性能は高い。しかしその分かなりの金額がいることとなるのだ。
もともとお金の稼ぎにくいこのゲームは、攻略組ですら中級武器しか扱えていない。
そのため、人口は激減した。今ではプレイヤーを見かけるほうが珍しい程だ。
これは、そのCROをプレイしていなかった、ゲーム好きの少年の物語である。
閲覧ありがとうございます!
更新スピードが遅い場合もありますが、よろしければ付き合ってやってください<m(__)m>