目覚め。そして邂逅
どうも、からあげ大佐です。
創世輪廻譚の第一話になります
森の中で目覚めた少年と謎の少女の出会いの話になります。2回目の投稿にしてこれから長いこと書いていくストーリーものになります。長い目で楽しんで読んでくれるとありがたいです
毎週木曜日の21時に投稿するのを目標にして頑張ろうと思います。遅れたりしても許してください
誰かの声が聞こえた気がする
誰かが呼んでいる気がする
誰かを、探していた気がする
静かな森だった。穏やかだった。
小鳥の鳴く音も聞こえた気がする。
木々の葉の間から溢れる光を目に受けて
俺は目を覚ました
「ん..んん...ここは....俺は....?」
森の中で俺は倒れていた、
そして記憶が何もなかった。
(ここはどこなんだ...いや...そもそも俺は誰だ?...なんでこんなところに....)
上半身を起こし周りを見渡す。
詳しい現在地はわからないが、
ここは森ということはわかる。
あたり一面木々が生い茂る森。
「....とりあえず...森の中で倒れてたってどうしようもないもんな...」
立ちあがろうと手を地面に置く、
何かに触れた、硬い金属のような...棒状の何か。
「ん...?」
手元を見ると、それは剣だった。
(これは..俺の剣...なのか?)
握ってみるとよく手に馴染んだ。
少し重たいが、持ち上げることもできる、
鞘から抜くと刃は綺麗な青色だった。
とてもよく手入れされている。
「俺の...なんだろうか...こんな森の中で丸腰なのは心細いし...持っていくことにしよう...かな」
立ち上がり剣を腰に携え歩き出す。
長い間倒れていたのか少し足がふらつくが、
すぐに慣れてしっかり歩くことができた。
「それにしてもどこなんだここは...森...うん...森...なんだけど...」
どこまで歩いても森、森、木、森。
そんななか突然、木々の間からざわざわっと、
何かが接近してくる音がした。
「な、なんだ?!」
柄を握りその方向を見る。
飛び出してきたのは可愛らしいうさぎだった、
丸い目でこちらを見た後、跳ねてどこかに行った。
「.....うさぎ...か....ん?...うさぎのことは覚えてるんだな...」
その背後からまた音がした。
「また、うさぎか?」
そう思い振り向く。
草むらから出てきたのはうさぎではなかった、
その生き物は全身が真緑で、尖った耳。
手には棍棒を持ち、ギャッギャッと声を出し、
ギョロギョロした目で、こちらを睨む。
何よりも気持ち悪いのはその生物が、
人の半分以下のサイズをしていることだ。
化物「ギャッギャッ!」
「う、うわぁっ!なんだこいつ!気持ち悪い!」
その生き物は棍棒を地面に叩きながら、
左右に飛び跳ね、こちらを挑発するように、
にまぁっと笑みを浮かべる。
「敵...だよな...やれるのか...俺に...」
震える手で柄を握る。
その瞬間、敵意を感じ取ったのか、
それともタイミングが同じだったのか、
化け物が飛び上がり棍棒で殴りかかる。
化物「ぎゃぁっっ!!」
「うっっくっ!!」
ギリギリで避けたが後ろに尻餅をつく
小人のようなサイズで人の頭の高さまで跳び
鼻先を掠めるように棍棒を振り翳す
握る棍棒は太く重い
頭に直撃すればタダでは済まないだろう
ギャッギャッ!
驚いて尻餅をついたところが面白いのか、
化け物は彼のことを笑い始める。
「くっそ...何も覚えてないってのに....こんなところで...終わってたまるかッ!」
だが意思とは反して体は恐怖ですくんでいる。
立ち上がることができない。
後ろに後退りすることしかできない。
化け物はそんなのはお構いなし、
どんどん距離を詰めてくる。
「くそっ!くそっ!」
ギャァ〜
楽しそうに棍棒を振り回し、
何度も殴りつけてくる。
腕で最低限顔は守るが、
腕、体、足、全身ボコボコに殴られる。
「ッッ!...いてぇっ!!」
その後退りもおしまいのようだ。
背中が木の幹についてしまった、
これ以上下がることはできない。
痛みで立ち上がるのも難しくなっている。
ここで終わりなのだろうか。
ギャァ!!
化け物も最後の一撃を喰らわそうと距離を取る。
助走をつけ、飛びかかり、殴りかかる。
「くッッ!!」
思わず目を閉じる。
その刹那、声が聞こえた。
女の声...背後から走る音とともに、
「大丈夫!!私が来たからね!」
その声に思わず目を開く、
聞き覚えはないが、「大丈夫」
その言葉にとても安心してしまう。
魔法の言葉のようだと思った。
「『三速』!!」
目を開いて最初に飛び込んできたのは、
綺麗な赤い長髪だった。
その綺麗な髪の持ち主は鎧を身に纏っていた。
剣を握り、抜き、そして振るう。
その一連の動作はただの予想に過ぎない、
なぜならばあまりにも速かったからだ。
「なっ...あっ...ぇっ?」
空いた口が塞がらないとはまさにこのこと。
目で追えたのは、剣を抜くところのみ、
次の瞬間には横にいたはずのその少女は、
化け物のよりも奥に立っていた。
飛び跳ね、空に浮いていたはずの化け物は、
首を切断され地面に落ちていた。
この少女が切断したのだ。
「ふう...大丈夫?」
ゆっくりとこちらを振り向きながらそう語りかける。
剣をクルクルと回し腰に差しながら
「私が来たからもう安心していいよ!」
あまりの光景に呆然と座り込む■■■■■に、
赤い髪の少女は優しく手を差し伸べた。
優しいねぇ
「あ、...ありがとう...」
その手を取ろうと俺は手を伸ばすが、
手を握ることはなかった
なぜなら...差し出した本人がその手を引っ込めたからだ。
「おっとと!私としたことが自己紹介がまだだったね!知らない人の手を握るなんて不安だもんね!」
差し出した右手を引っ込めそう言って、
右手の平を左胸に合わせる。
(少し...調子が狂うな...まぁ...命の恩人に変わりはないのだが...)
確かに困惑はしたが、なぜか妙に納得し話を聞くことにする。
エキナ「私はエルシア王国。王国騎士団、黄凰支部所属の聖騎士、エキナ!よろしくね!あなたの名前を聞いてもいい?」
そう名乗って、再度手を差し伸べる。
今度もすぐには手を取れなかった。
一度に色々言われてパニックになったからだ。
色々なことが一度に起き過ぎている。
(エルシア..?...ここの名前か?...聖騎士...黄凰?...わからない...)
パッと手を取らない彼を不思議に思ったのか。
少し気まずそうな顔をしている。
「えっ....と....」
「あっあぁっごめん。ありがとう」
ようやく手を取り立ち上がる。
足はまだ震えているが、
他に人がいるということが先ほどより安心できる。
全身あざだらけでとても痛いが、
もうそんなのはどうでも良くなりそうだ。
「君の名前は?どうし」
「綺麗な人だな....」
思わず口に出てしまった
彼女、エキナはポカンとしている
やってしまったという感じだ。
「綺麗...?...あ...ありがとう...」
モジモジと髪をいじる。
「あっいやっ違うんだ!すまない!」
(まて、ここで否定するのはまずくないか?綺麗ではないと言っているみたいじゃないか。一気に情報が入ってきてパニックになっているのか....)
しばらくの間沈黙が続いた。
体感はとても長く感じたが、
本当は数秒といった感じだろう。
「ぁ...えっと...俺の名前は..申し訳ない...何も記憶がないんだ。ここがどこなのか...俺が誰なのか...なんにも覚えていない....」
変に隠すのも良くない。
包み隠さず正直に話した。
「記憶がない...それは大変だね....とりあえず森は危険だから支部に連れて行ってあげるね。市民の保護が聖騎士の務めでもあるからね!」
服の埃をぱんぱんと払う。
「ありがとう...ってさっきの化け物は?!」
知らない場所、知らない生き物。
首を切られただけで動く可能性もある。
急いで駆け出し化け物の首が落ちた場所を見る
「化け物って....あぁ!魔物のこと?それなら大丈夫だよ!ちゃんと首を刎ねたからさ!」
化け物...いや魔物がいた場所に、
魔物の死骸はなかった。
その代わりに、徐々に塵になり、
崩れ消えていく魔物の体があった。
切られた断面から徐々に崩れていく、
明らかに知っている生物の死に方とは、
全くもって異なっていた。
「なっ...これは....?...なんで...崩れていくんだ?」
流石にこれを見過ごすことはできなかった、
疑問に思ってしまう。
「魔物は死ぬとこうなるの。こういうことも覚えていないんだね...よしっ、私がわからないことは全部教えてあげる!でも名前がないと不便だね....」
腕を組みうーんと唸り始める。
「記憶なし...名無し...無し...シナ!シナってどう?!」
まさに名案!といった感じで、
エキナがパッと顔を上げ、そう投げかける。
「...シナ?」
「うん!あなたの名前!」
どう?どう?いいでしょ?っと言いたげに、
顔をじーっと見る。キラキラした目でじっと見てくる。
「い...いや...それはちょっt」
「うん!けってーい!それじゃあ行こう!シナ!」
シナの言葉を遮って名前を決定してしまった。
「あ...はい...」
(シナ...シナねぇ...まぁ...思い出すまでの間の辛抱かな....はぁ)
そうして2人はその場を後にする。
森の中の道なき道をエキナの案内で、
騎士団の支部に向かって歩き出した。
第一話はどうでしたか?感想や意見を書いてくれると励みになります。シナとエキナはこの後街に向かいながら森の中を歩いていきます。ただただ面白く、楽しく読んでくれるとありがたいです。というかそう信じます
また次回もよろしくお願いします




