表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で、君を守る召喚獣になる  作者: 田中ゆうひ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/23

ダンジョンの秘密

 街への帰り道を歩きながら、僕たちは目を見合わせて笑った。


「これでゴブリンの耳が6つで60ルア。ナイフが2本で10ルア。そして銅貨が3枚で30ルア」


「全部で……100ルアね!」

 レインが指を折りながら、目を輝かせて答えた。


「すごい。目標達成どころか、100ルアだよ!」


「ふふふ、これはもう贅沢していいレベルかもね。晩御飯はご馳走ね!」

 嬉しそうにスキップするレインを見ながら、僕も自然と笑みがこぼれた。


 今日の戦闘は、確かにうまくいった。


 ――特にあの瞬間。


「そういえば、ハルトの《ウォークライ》、本当にすごかったわよ」


「えっ、そうかな。ありがと」


 褒められて素直に嬉しい。だけど――


「でもさ、なんていうか……ちょっと残念な気もするんだよね」


「どうして?」


「ほら、ウォークライのあの叫び声ってなんだか獣みたいでしょ。もうちょっとこう……シュッとしたやつがよかったな。剣から光が出て敵をビシッと威圧するとかさ」

 自分でもちょっとバカっぽいこと言ってるなと思った。


「なに言ってるの、ハルトは召喚“獣”なんだから、獣みたいな咆哮はピッタリよ?」

 レインは目を細めて、いたずらっぽく笑った。


「ギャップがいいのよ、普段は落ち着いてるのに、いざとなると“ガオー!”って叫ぶところ」


「……いや、それ絶対馬鹿にしてるよね」


「ふふふ、さあ? どうかしら?」


 やれやれ、と苦笑いしながら歩き続ける。


 ふと、レインがダンジョン内で言っていたことを思い出した。


「そういえばさ、ダンジョンの中の死体は“ダンジョンが吸収する”ってレイン言ってたよね。

 あれってどういうこと?」


「ああ、それね」


 レインは少しだけ歩くペースを落とした。


「ダンジョンって、たぶん……生き物に近いんだと思う。前にそう言ったのを覚えてる?」


「生き物?確かに最初の日にそんな話をしたね。」

 そういえば、そんな話を召喚された直後にしたような気がする。

 あの時は色々といっぱいいっぱいだったので記憶が曖昧だ。


「うん。だから、倒された魔物や冒険者の死体は、ダンジョンが“消化”するんじゃないかって」


「……人間も?」


「人間も」


 短く答えたレインの横顔は、いつになく真剣だった。


「だからこそ、死体をそのままにしておくとダンジョンの糧になる。魔物だろうと人間だろうと」


 僕は思わず、ダンジョンの方を振り返った。

 なんだか、背後に巨大な生き物の口が迫ってるような、ゾッとする感覚がした。


「そういえば、あのダンジョンって最近“湧いた”ばかりだって前に言ってたよね? なんでいきなり地上に現れたりするの?」


「それもね、ダンジョンは地下でずっと“成長”してて、ある程度まで育つと地表に“開く”らしいの」


「つまり、あれは成体ってこと?」


「まだ“若い”けど、十分に育ったってことよ」


「……ってことは、ダンジョンに潜るって、でっかい生き物の体内に入るようなもんじゃん……こわ」


「怖いでしょ。でも、面白い説もあるのよ」


「面白い?」


「ダンジョンって、昔の人が作った“畑”だって言う人もいる」


「畑?」


「うん。魔物は作物で、冒険者は収穫者。つまり、あれは人が“意図して”作った構造体なのよ。魔物という作物を“育てる場所”ってこと。だから死体は肥料として消化される」


「……ええ、そっちも十分怖いね」


「でしょ?」


 レインは肩をすくめて笑った。


「結局、どっちにしても“資源でもあり、リスクでもある”ってことよ。前に言ったでしょ」


「なるほどね。勉強になったよ」


 考えれば考えるほど、ダンジョンというものの奥深さに触れた気がした。


「ともかく、今日は勝って、生き残って、稼いだ。それだけで十分よ」

「うん、確かに」


「だから、今日は食べるわよ~!」

 レインは拳を突き上げて、元気よく言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ