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キャラハンと清明:結婚生活の準備編  作者: 木苺
   (その3)妻の時間・夫婦の時間
33/33

で?・・その後

とまあ てんやわんやの末、おなじみクラン4人組立会いの下、清明とキャラハンの話し合いがもたれた。

 と、さらりと言えるほど すんなりと進んだわけではない


なにしろ、清明は、自分が覚えていない発言によりキャラハンを傷つけたことがあるかもしれないと気づきはしたが、

それでも 状況改善のために、自分からキャラハンに連絡を取ることを拒んだからだ。

 つまり キャラハンから清明に接触があってから、

 話し合いの場を改めて設定するときに、クラン仲間の立ち合いを頼むというのである。

 これ以上 キャラハンに 言い負け無いためにもと。


◇ ◇


「私との面会を断った彼女に なぜ 私から会いに行かねばならないのです!

 まずは 私の訪問を断った彼女の方から謝りに来るべきでしょう」清明


「しかし アポイメントも取らず、自分勝手におしかけたのはお主じゃろうに」コンラッド


「それでも 婚約者なら応じるべきでしょう!」清明


「そうやって 婚約者だから夫だから俺を優先しろという、お主の発想・行動そのものにキャラハンはついて行けない、付き合いきれないと思ったのではないか?」


「だったらもういいです!」清明


というわけで、清明が 意図的にキャラハンを無視すること1か月、

そして 2か月目、

 キャラハンは 休暇をとって旅に出ることを決めた。

  もう いろいろなことに疲れ果てたからと。


旅支度に約1か月かけ、キャラハンは旅に出た。

 その旅立ちを見送ったのはボロン。


それからしばらしくして、

 そろそろ季節も変わろうとする頃のこと・・


(キャラハンと会うのをやめて3か月?4か月?

  そういえば コンコン会からの連絡が最近無いですね。)


月明かりに誘われて、散歩していた清明は 空を仰いで思った。

 (キャラハンと一緒に満月を見たことはなかったな)と。


(私から キャラハンに連絡を取るのはしゃくですし

  ほんとは 私からキャラハンの動向をたずねるのも、 なんだか私が負けたみたいで嫌なんですが)


それでも気になる、というわけで 清明は 久しぶりに 龍の庭に遊びに行くことにした。

 「月がとってもきれいだったから」という理由で。


「龍の庭」に遊びに行くと、コンラッドとゴンが ダーさん達と一緒に月見の宴を張っていた。

 といっても 神獣とその眷属ともいえる人外の集まりであるから

 のんびりと寄り集まり、親しい者は体を寄せ合い、座っていただけだが。


「こんばんわ」清明


「おー 久しぶり」コンラッド


「ボロンとミューズは?」


「ボロンはね ドワーフギルドでお仕事

 ミューズはね キャラハンと一緒に旅行中」のんびりと答えるゴン


「なんですって!」殺気だつ清明


「あ ごめん。正確には ミューズは 傷心旅行に出かけたキャラハンの護衛」ゴン


 ・・以下略・・


結論から先に言うと、嫉妬に駆られてキャラハンのもとに押しかけようとした清明、

しかし 清明は 自力では 龍の庭の外に出られない。

 いつも スカイかミューズの魔法で転移させてもらっている清明なのだから。


そこで 二人に「呼びかけ回線」(=魔法陣を使った念和の一種)を使って助力を願おうとしたが、二人とも回線に出てくれない。


仕方がないので コンラッドに助けを求め・・

 龍の庭から自力で出られないだけでなく、キャラハンの行方すら知らない・わからない清明



結果として、清明は 思慮分別を発揮して、

クランメンバーの立ち合いの元 キャラハンとの会合に臨むことにした。

 そこに至るまでにも それなりの時は流れた。


◇ ◇ ◇


一連の騒ぎが一段落し、龍の庭では、二人の間を取り持った、コンラッド・ミューズ・スカイ・ボロンへの慰労会が開かれた。

 参加者は 上記4人とゴン。


普通 慰労会というのは 目上の者が部下の労苦をねぎらうために開くのだが、

今回は 4人の奮闘を知るゴンが主宰した。


なにしろ キャラハンと清明は、まだ自分達のことでいっぱいいっぱい。

 キャラハンはクランメンバーに深く感謝していたが、慰労会を主催できる立場ではない。

 清明は、そういう気の使い方をするタイプではないし、今はそこまで考える気持ちのゆとりもなかった。


しかも ボロンたち4人は むやみに愚痴をこぼしたり、愚痴を言うために集まるタイプでもない。


なので ゴンが4人のための「お疲れ様会」を開いたのだ。

 それともう一つ、

 今まで ずーっと 『これは大人の話だから、ゴンが知るにはまだ早い話だから』と、脇におかれていたが、

 一段落ついた今だだからこそ

 もうちょっと話が聴けたらいいなぁという気持ちもあった。ちょっぴりだけど。



しみじみと苦労を語るコンラッド

「なにしろ キャラハンの気持ちがすっかりがれてしまったからなぁ。

 表面的な行動は ふだんどおりであっても、最後は

  『もういい どうなってもいい 

   私は 休暇をとります!』

 という結論に達してしまったんじゃよ。」


「だよね、はじめてキャラハンが、『今』の自分の感情を清明にぶつけた時

 清明から ばっさりと、『キャラハンは事業欲を満たすために清明と結婚しようとしているだけだ』と誤った解釈で決めつけられ、非難され、切り捨てられたのだもの。

 そりゃ 二人の関係に絶望して 努力する元気もなくなるよね」ミューズ


「それでも キャラハンはいつだって、困難に向かって真正面から向き合ってきた人なのに、なぜ 今回はあきらめたの?

 それに なぜ 逃げようとするのを引き留めなかったの?


 いつも 僕には 課題から逃げるな。自分にとって楽な道を選ぶなって言うのに」ゴン


「矢つき 刀折れた人間というのは、ほれ、「破れかぶれ」という言葉通り

 もう 心が破れてしまってもとにはもどらんのじゃよ。


 『なにもかも 放り出して逃げ出したい!』 という心境の中でも、さらに頑張り続けて、

 とうとう力尽きてしまった人間にしてやれる援助というのは、


 「遁走すること」により、「このままでは、 その者のうちに秘めたる可能性・新しく人生を再構築する力を根こそぎ他者から奪われてしまう状況から抜けだすこと」を手助けすることじゃ。


 しかも この手助けというのは、

 何も「連れて逃げる」とか言ったことではなく、


 「逃げることによって生じる不利益」つまり、「これまで積み上げてきた実績とか、今その者が手にしている信頼関係とか、いわゆる社会的信用を失うこと」が無いように、

その者の身に立って、根回し・気配りしてやることじゃろうて。」コンラッド


「たしかになぁ キャラハンは生まれて30余年 孤軍奮闘してきたものなぁ。


 それも いつも他者からの干渉により己の努力が踏みにじられ続けている状況で、少しでも 我が手に何かを残せるようにと奮闘するしかない状態で。


 精一杯、「自分への社会的信用を積み重ねること」だけが、「自分の居場所を手に入れることにつながる」という現実的判断に従って行動してきたのに


 それに対する清明によるあの言いがかりは ほんとにひどい。


 あの清明の言葉がきっかけとなって、社会的引きこもりになったり、自殺しなかっただけキャラハンは偉いよ」ボロン


「だから あの状況では、キャラハンが『旅に出る』という選択をしたのは

 とても 賢い判断だと思う。

 別の世界なら、『出家する』という形で、渦中から身を引くこともできたんだろうけど

 この世界でなら『旅行』という手段が 正解かな」ミューズ


「そうよ、追い詰められた人間に

   『努力せよ=己一人の力で力で対処せよ、はたを頼るな!』というのは簡単じゃぞ。


 だが 己が前に進むために力を発揮しても、

 いつも 『それだけ力があるのなら こっちを助けろ』と暴力的に強制され(=搾取され)

 その結果、 体や精神が弱れば、自己責任で充電しろと放置されたり、弱虫めと蹂躙され他人の憂さ晴らしの道具に利用される。


 それこそ 海底地震が起きている真上の海上に居るところを、頭上を爆弾台風が次々と通過し

 やっと台風の目に入ったと思ったら、今度は 海底火山の噴火に襲われ、

 そこを避けて なんとか前に進めば、 周囲で次々と竜巻が発生して、

 予測不能の進路をとる竜巻の動向をにらみ続けながら操船を続け


 やっと 港に着いたと思ったら、運んできた荷を問答無用で運び出されたあげく、

 運送料は値切られ、休息する間もなく 次の荷を船に運び込まれ、

 さっさと出港しろ(=早く次の仕事にとりかかれ)と強制され、

「休みたいなどと言って怠けることは許さん」と縛りあげられて船に放り込まれて 曳舟で無理やり港外まで追いやられようとするのを、必死で阻止して、

「ならば 航海に必要な装備品だけは!」と交渉に持ち込み、

なんとか 次の港まで航海するに足る必需品を確保して(以下略)


 そんな人生でしかないのが、これまでのキャラハンの人生じゃ。


なのに、ようやくついた港で安住しようと努力しているのに(=婚約して結婚準備にかかったら)

清明は 己の感情が第一とばかりに 次々と無理難題を繰り出し

あげくのはてに、文句があるなら結婚はやめよう、だけど俺の仕事は手伝ってね、報酬は払えばよいのだろ、みたいなことを言い出すのだから


もう これ以上つきあいきれない、こんな人生やってられないと

絶望のあまりの悪あがきで、出奔を考えても無理はなかろう。


それを止めるのは 人非人にんぴにんのやることぞ」コンラッド


「なんで そう言い切れたんだい?」スカイ


「わしは その気になれば 人の頭の中も心の中も 見たり読んだりできるのじゃぞ」コンラッド


「ぼくにも その力はあるけど、他人のためには力を使わない。

 他人の状況が見えても どうしようもないことの方が多いし

 力になりたいと思っても 実際には・・ね

 

 もちろん自分の為にも使わないよ、人の心って複雑だから」ミューズ


「あー だから、 わしは あのカップルに介入するのはあきらめたのじゃ。

  たとえ 清明から仲介をもとめられてもな。


 むしろ キャラハンが 生まれて初めて 己に手の中にある「自由」を使って出奔したいというのなら、

 その行動により 彼女が 今以上の苦境に立たされぬように、新たな重荷を背負い込むことのないように、手を貸してやろうと思った。


 ま、本来は これが家族・身内の役割ではあるがな。

 そういう健全な役割を果たす家庭に生まれてくることができなかったのは、

 キャラハンの不運ではあっても

 キャラハンの責任ではないからな。」コンラッド


「と言って 君は、

  キャラハンが 王宮官吏規則にのっとって 正規の休暇をとり


  タウンハウス管理会社を一時休業が無理なら業務縮小するできるように、

  彼女が雇用している4人が 彼女の留守中 それぞれの役割を果たしながら円滑に彼女の不在をサポートし


  なおかつ 彼女が 気楽に 王国内を旅してまわれるように、各種手配をしたんだよね」ミューズ


「そうそう 僕には王宮内への手回しを要請し」スカイ


「僕には ドワーフギルドによる全面的支援の実行をやらせ」ボロン


「ドワーフギルドが 個人の観光旅行の支援までするって知らなかったよ、ぼく」ミューズ


「あのさ 王国内の運輸・郵便業務を 一手に引き受けているんだぜ、うちのギルドは。

 おまけに、王国内の全領土の開発とインフラ整備をやって来たのがドワーフだ。


 だから その所属メンバーが 目的をもって 王国内を移動するなら、

安全な移動手段と宿の確保、さらに料金次第で快適さも保証するのも うちの業務の一つだよ。


 ついでにいうと キャラハンは「タウンハウス管理組合」の運営によりドワーフ社会に貢献した功績を認められて、今や 立派なドワーフギルド正会員なんだから。


 なにしろ、ドワーフギルド始まって以来のドワーフ外種族(人間)が、準会員になり、ギルドの業績に寄与したことにより

 ハーフドワーフのギルド内地位向上にも貢献したという 追加ボーナスまで僕たちは受け取ったんだ」ボロン


「それは 知ってたけど」ミューズ


「旅の手配をするための知識と経験をフル活用して 旅の準備をしたのがボロンだったわけだ」スカイ


「久しぶりに ドワーフギルドの配達員時代の生活を思い出して、少し興奮したな」ボロン


「そして 僕は キャラハンのお供ができて 旅のお相伴にあずかれて楽しかったな」

ボロンの口調をまねて笑いながら話すミューズ


「護衛を兼ねて君に同行してもらえたので、

 キャラハンだけでなく 二人の見守り役のぼくも心強かったのだけど、

 君の同行を知った清明が嫉妬で荒れ狂って、ほんと大変だった。」スカイ


「お疲れ様」いたわりのまなざしを向けるミューズ。


「まあ 清明の気持ちがまだキャラハンにあるなら

 ミューズの同行を知ったら、清明は嫉妬のあまり、

 つまんない意地を捨ててキャラハンを迎えに行く気になるだろうとは思ってたけど、


 彼の激情の連発には参ったよ。

  ほんと 次から次へと、お見合い以来 毎回 毎回、 ことあるごとに」ボロン


「それは 僕も思った。

 清明って もっと落ち着いた 静かな人だと思っていたのに。

 キャラハンとの交際が深まるにつれて 感情の動きが激しくなる一方で

 ほんとにびっくりしたよ」ゴン


「世の中には そういう人もいるんだよ。」スカイ


「だから 清明の激情の連打を、ま近で 直接 び続けたたキャラハンが消耗しちゃったのも 無理ないと思う。


 これはもう キャラハンでなくても、真面目な人なら大概(たいがい)参ると思うよ。」ボロン


「だよね、

 愛情のあるなしに関係なく、あんなふうに感情をぶつけられてばっかりだったら対応しきれなくなるのも当然だよ。

 あいつ 口に出さなくても 激情駄々洩れだもん。 

 口を開けば きついし一撃だし。


 第三者の僕たちですら その対応に困ったり疲れたりしたけど

 当事者の彼女は もっと大変だったと思う。」ミューズ

 

うなづくボロンとスカイ。



「しかしあやつも頑固じゃったのう。


 キャラハンが旅に出て1か月たってもまだ、

 キャラハンの方から 詫びに来るまで許さない。

 詫びに来ても 相応の罰を与えないと気が済まないといきがっておったのは。」コンラッド


「一人の人に対して あんなに強い感情が、

 それも いろいろな感情が湧きおこることがあるっていうことにもびっくりした」ゴン。


「たしかにな。

 だから 恋愛問題は ややこしいと 人は言う。」しみじみと語るコンラッド


「それでも 最後は 清明がを捨てて、

 キャラハンと一緒に 憧れの結婚生活を作っていきたい、

 と心に決めて、そのためにと気持ちを引き締め 行動に移せてよかったね」ボロン


「まあな、人は 人生における新たな旅立ちの前には

 必ず 「過去に解消できなかった思い・感情のしこり」という「やり残しの課題」にも直面させられるものじゃから、

 これまで 己の過去の感情に触れることなく生きてきた清明には

 良い経験であったろうよ。」コンラッド


「苦労の無い人生はなく

 なんでもスッキリ片付くわけもないのが人生だというのに・・」

(ああも意地だ面子だとこだわった清明には、ほんと参った)ボロン


「これまで 意識してなかった感情が、

 キャラハンとの結婚生活に向かう中で 次々と浮かび上がってきて

 過去にとらわれたままの感情が、

 今 目の前にいるキャラハンとの間で紡ごうとしている気持ちを押しのけてしまったんだよ

 清明は」コンラッド


「でも キャラハンも、『過去に~があって 今は~できない』みたいこと言っていたじゃない。」ゴン


「彼女は いつも 『現在につながる過去』『過去にとらわれてしまう今の自分』の両面を見据えて

『今の自分の考え』を清明に話しつつ、

『これからの二人の関係』をより良いものにするために、『今の自分の気持ち』を変える努力を重ねておった!


 それに比べて 清明ときたら、『過去の感情』に支配されおってからに!


『今 現在、自分とキャラハンとの間で起きている感情的かかわり』を直視することを拒み、

『過去の自分の満たされたなかった思い』のままに『キャラハンを支配』しようとして、

行き詰れば

『己が今、キャラハンに対して抱いている好意』すら否定して

『キャラハンが自分の期待に応えていない』と責め続けていたのだもの。


キャラハンと清明が過去を語る時の、

『心と意識のありよう』・『理性の働き具合』は まったくことなるものぞ!」


そう言って コンラッドは、ゴンをじっと見つめ


「もっとも 生きてきた年数の短いお主が、

 生きてきた年月の重みに(きし)む大人の苦悩を学ぶのは、まだ早い。


 というか まだ数年しか生きていないお主が こういう大人の苦しみをわかるようでは

 「親や社会の子育て責任」が問われる養育環境でしかなかったということになるのであるから

 わからなくて当たり前なんじゃが、


 こんな説明しかできなくてすまんな。」

と言って コンラッドは 少し頭を下げた。


「つまり 長く生きてきた分、大人には大人の事情がありやすいってこと。

 そんなのに関わるのは お酒と一緒で子供には害だということ」

そう言って ミューズはゴンの背中を軽くたたいた。


「ねえ、ボロンも 子供の頃 大人の事情に首をひねったことある?」ゴン


「あー なんか 大変なこと多いのが 大人なんだと、

 深入りしても 自分の頭の中までこんがらがってしんどくなるだけだと悟ったよ」ボロン


「そっかー。納得いかないけど そういうもんなんだね」ゴン


「だね」ボロン

 


「ふむ わかりやすく言うとだ、

 己の『今の心』を直視して動くこともできず、己の弱さも受け入れられず、

 かといってキャラハンとの関係も諦められず、

 その時々に揺れ動く感情のままに彼女を非難して追った清明に わしは腹をたてたということじゃ」

コンラッド


「うん そこは わかった」ゴン


「それでも、 結婚という 新しい人生のステージに進む清明が、

 己の心の中にあった過去のしがらみへのわだかまりをいささかなりとも片付けて


 これまでよりはすっきりとした気持ちで 己の人生へむきあうことはできるようになり


 結果として『つまらぬ意地・己の面子をかけたこだわり』を張ることをやめたのじゃから

 わしらの苦労も 無駄ではなかったということであろ」コンラッド


「たしかに へんちくりんな意地とこだわりを捨てたら、清明ってい奴だよね」ミューズ


「さすが 年長者、うまくまとめましたね」スカイ



といった感じに大人たちの夜はすぎ、

「それでも やっぱり よくわかんない」と思ったゴンでありました。


「君が大人になってからでいいよ、

  そのよくわからない大人たちのことで頭を悩ませるのは。

 今の君は まだ子どもだから、 子供である今の時間を充実させて。


 子供時代っていいうのは、大人には許されないくらい『学ぶ時間がふんだんにありと試行錯誤が許される時期』なんだから」ボロン


「あは、その分 注意とお叱りもいっぱいあるんだけど」ゴン


「無償で、注意してもらえたり 叱ってもらえることのありがたさに気が付くのは、

 そういう特典が無くなった大人になってからなんだよな、残念ながら。」ボロン


「それは 僕も 大人になってから気が付いた。」ミューズ



「それじゃ お先に」

ボロンは 皆に挨拶して、ゴンを連れてその場を抜け出し

すっかり体の大きくなったドラゴンと一緒に温泉に浸かりに行きました。


 ゴンは 久しぶりに ボロンを 自分の頭の上にのっけて空を飛んだり、

 広々としたお湯の中を泳ぎまわって、ゴロンとのふれあいを楽しんで大満足♬


 幸せな気分で 眠りにつきました。



ー第2章 終わりー


あわただしい終わり方ですが、とりあえずは 第2章はここで閉めさせていただきます。


「犬も食わないはない話」を物語に仕立てるのが 思ったよりも本当にむつかしくて。


テーマ的には書きたいのだけど、シリアスは嫌い、かといってコメディにするだけの筆力もなく

すみません。

 読者様的には すでに結末がハッピーウェディングとわかってらっしゃるので、

 そこだけは 安心して読んでいただけるかと思い 頑張ってまとめました。


第3章は 現実味はあるけど、「読んで楽しい」要素を増やしてまとまるように

頑張りたいと思います。 そのための時間を しばらくくださいませ。


たいそう未熟な私ですが、今後とも 読みに来ていただけると嬉しいです。


明日からは、別の異世界物語、こちらは 「肩の凝らない軽い読み物」を用意しておりますので

続けて 読みに来ていただけますと とてもありがたいです。

  今後とも おつきあいのほど よろしくお願い申し上げます。

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