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キャラハンと清明:結婚生活の準備編  作者: 木苺
   (その3)妻の時間・夫婦の時間
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スカイの仲裁

清明は 普段なら おとなしく門前払いされるような男ではない。


しかし、相手が気が強くがっしりとした体格をしているとはいえ 女性ならば、礼儀正しい清明。


そして 華奢で小柄なハーフドワーフの男性を前にすれば、、、

 清明は 自分が一番苦しかったころに助けてくれたドワーフギルドには恩義を感じているので、相手がハーフドワーフであろうとも ドワーフに対するとき同様にても非常に礼儀正しい。


というわけで、ケビン・マリーゴールド夫婦から、「タウンハウスの管理規約により、タウンハウスの住民からの招待状を持たない人間を 敷地内に入れることはできない! 速やかに退去を。敷地周辺をうろうろしているようなら通報する」と告げられれば おとなしく引き下がらざるを得なかったのである。


「まったく なんなんでしょう!!

  もうお手上げです><」


清明は 仕方なくスカイに連絡を取った。

 キャラハンにつなぎをつけて欲しいと。


スカイと、王都のクランハウスで落ち合った清明。


「いったい 全体どうなっているんだい?」

問いかけるスカイに、清明は コンコン会から送られてきた資料を見せた。


「私にもわかりません。


 キャラハンからは面会を拒否されていますし。


 もう2度目ですよ、キャラハンから婚約解消の申し立ては」不機嫌な顔で話す清明


「ていうか そこがおかしいんだよ。


 あのさ 清明って かっとなると記憶がとぶことあるじゃない。

 最近 ちょっと煮詰まってたみたいだから、

 彼女と見解の相違が生じた時に・・なんか 自分が言ったこととか忘れてるって可能性は?」


スカイの言葉に、むっと押し黙る清明。 やがて一言

「そういうことは無い!と断言できないところがつらいですねぇ。

 そんなことない!って断言したいですけど」清明


「これってさ、僕が立ち会うから 君とキャラハンの二人で一度 話をすり合わせて

 コンラッドに判定してもらったらどうかな?。


 君たち二人は 確かに理性重視派だけど、実はすごく感情も豊かだろう。


 もしかして お互い 相手に誠実であろうとか 理性的に対処しようとかって頑張りすぎて、変に感情がどっかで滞っていたり、過敏になったあまり 無自覚に口にした言葉を覚えてなかったりなんてこと あるんじゃないかい?」


「キャラハンは そういう失言をしなさそうなタイプだとは思うんですけどね。

 あの人 自分にとって価値が無いと思えば すっぱりと相手の存在を切り捨てて、ついでに 自分の記憶まで消去してしまいそうですけど

 まだ付き合いのある相手に対して自分が言ったことは 忘れるタイプではない気がします。


 でも 私の場合は・・ はぁ クランでの先例がありますからねぇ。」清明


「そうそう 君 癇癪玉を破裂させた時のことは たいてい忘れるから。

 幸いにも 僕たちはいつも集団で活動しているから、

 言った言わないの話になると 3対1で、君が降参してたよね。」


「だって しょうがないじゃないですか、

 あなたたちは そんなしょーもないことで結託して 私をだますような人達ではないとわかってますから」

スカイの言葉に苦笑いで応えた清明。


「だったら 次のキャラハンとの話し合いの時には、彼女の人柄に対する信頼感を

 しっかりと持ったうえで 彼女の言葉に耳を傾けるように。


 君 1対1だと、自分が正しい!自分が絶対だ!って感じでけっこう突っ張るところがあるの、自覚してる?」スカイ


「えー そんなこと言われたことないですよ、」清明


「いや 一時期 ぼくたち いろいろな場面で君にそう言った。

 でも ぜんぜん 君は耳を貸さなかった。

 で、ぼくとボロンとミューズの3人で困ったなぁとぼやいていたら、

 『あれは そういう性分しょうぶんだとあきらめろ』ってコンラッドから言われたよ。」スカイ


「あー それで 大事な話は 毎回全員集まった所でするようになったんですか?」


「君の社会人としての良識に期待して、裏切られたことはないよ。これまでのところ」スカイ


「うわー ずるい!、俺のいないところで 示し合わせて!!」


「示しあわせたのではなく、君と良い関係を維持していくための傾向と対策を考えただけさ」スカイ


「私は あなたやボロンに対して そんな裏で傾向と対策を話し合った事なんかありません!」


「そこは まあ それ、お互いの性格ということで。

 だけど 君だって キャラハンと付き合い続けたいから、こうして僕たちの所に相談に来ているんだろう。


 僕たちだって 君をクラン仲間として認めていたから

 君との良い関係を維持するために互いに相談していた、それだけのことだよ」


「たしかにねぇ。

 悪口大会 陰口をたたいているわけではないから

 スカイたちの僕への傾向と対策は許します。


 それにしても 良い関係を構築するための相談ごとも

 赤の他人から見たら 陰口をたたいているようにしか見えない点が むつかしいですね」清明


「そこが 当事者と 相談相手との関係性も考慮しなくてはならんってことなんだよ」スカイ


「つくづく あなたやボロンたちの居るクランに所属していてよかったと思います。」


というわけで、清明は コンラッド・スカイの立ち合いのもと話し合いたいとキャラハンに申し込むことにした。

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