表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キャラハンと清明:結婚生活の準備編  作者: 木苺
   (その2)妻の同僚(部下も含む)
22/33

ブランチ

朝寝坊した休日の朝ごはん兼昼ご飯は ブランチ。


といっても、合理主義のコンコーネ家では、料理人たちの手間を減らすために、作り置きのきく料理がメインだ。


つまり いつ起きてくるかわからないご主人様、

なのに 起き出すとすぐに朝ごはんを食べたがるご主人様のために、

あつあつのオムレツやらパンケーキやらを出すのは無理があるので、

 (なにしろ 使用人達にも休日は必要なんだから、しかも休日交代制をとるほどの余分の人手もないので)


|ゆでたお肉のもりあわせ《ボッリード・ミスト》とブロード(ゆで汁)を使ったスープが中心となるイタリアンか、


涼拌三絲リャンバンサンスーなどの冷菜と中華粥や花粥(白米と雑穀・豆のおかゆに白糖をかけたもの)などの中華風


といった、多彩な組み合わせができ なおかつ統一感のある作り置き料理が供される。



そして 本日のブランチは


寝不足気味のキャラハンは、野菜と水分とさっぱり感を求めて

酢の物系の小鉢に 冷ややっこ おひたしに花粥。


「この 冷えたおかゆに砂糖をかけて食べる背徳感♡

 豆の甘味 お米の甘味 そして 砂糖の甘味

 とろりとした舌ざわり

   まるでスイーツのよう♡」


うっとりと花粥を楽しむキャラハン。



一方 夜中に刀を使った鍛錬もした清明は がっつりと 中華がゆに

お肉系の総菜を食べていた。


「牛舌・牛のモモ肉・若鶏・コテキーノ(豚の腸詰)、それぞれを別ゆでして じっくりと柔らかく煮込んだお肉は おいしいですね。


 朝は やっぱり やわらかい歯ざわりが ほっこり来ます♪

 それに サルサ・ヴェルデ(野菜ソース)もうまい!


 しかも 子牛の胸肉にナツメグやチーズに香草を詰めたチーマまでついて、

 仕上げが コッパのトマトサラダ。酸味が何とも言えません♫」


ご機嫌な清明。


「だけど それ、1品1品がすごっくてまがかかっていますね。

 清明さんは 一切れ二切れをつまむだけだけど、

 その一品一品を作る方は、何時間も煮込んだり 下ごしらえも入れたら

 2日がかりで用意するコース料理に相当するんじゃないかしら?」キャラハン


「そうなんですか?」

そばに控えていたコックに尋ねる清明


「キャラハン様のおっしゃる通りでございます。

 もともとは 王宮の晩餐会でお出しする料理なのですが

 こちらでは 出来立てを特別の保存袋に入れて保管しておりまして

 このように ご領主様のブランチに 暖かく柔らかいままお出ししたり、

 あるいは 不意のお客様のおもてなしにと 活用させていただいております」コック


「そうか。

 もともとは 友人から教えてもらった料理なのだが

 宮廷料理だったのか。

 (さすが 元王子・現国王のスカイだ)


 キャラハンは 王宮の晩餐会によく行くの?」清明


「私は 予算や食材の手配などの打ち合わせに参加したことがありますので。

(わがまま貴族の接待に駆り出されたコックたちのフォローに駆けずり回ってたのよ。)


 父が生きていた頃は 母からお手伝いしながら調理方を習いました。」キャラハン


「君って ほんと いろいろな業務にかかわって来たんだねぇ」清明


◇ ◇


(注:特別な保存袋:

  マジックバックのこと

  王国では マジックバックは大魔法使いだけが使える特別な袋とされており その存在もマル秘である。


  コンコーネ領には たまに国王スカイが遊びに来るので

  スカイの接待用に極秘で下賜されたことになっており

  これまた 部外秘の極秘事項であった。


  実は「龍の庭」での生活中にマジックバックに慣れ親しんでしまった清明のために スカイが特別に貸し出したものである)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ