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キャラハンと清明:結婚生活の準備編  作者: 木苺
   (その1)キャラハンの配下選び
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マリリン

「王宮よもやま話」の効果もあって、キャラハンのもとには、侍女や秘書を志願する多くの者達からの応募が集まった。


その中の一人が、マリリンである。



・マリリン・ストラディバリ子爵令嬢

  代々優秀な文官を輩出する子爵家の長女

  上下に兄と弟がいる一姫二太郎の真ん中


  なので 利発で学力優秀、気立ても良いが、話す場を選ぶタイプ。


  できれば家を出て独り立ちしたい18歳なのだが、

  実家が王都。しかも王宮勤めとなれば家を出ることもむつかしい。


  というわけで、この際 思い切ってキャラハンの侍女となり、コンラート領へトラバーユするのも良いカモと思い、思い切って応募した。


◇ 面接にて ◇


「18歳、この4月から王宮で働き始めたばかりなのに 転職を希望するのはなぜかしら?」キャラハン


「私は 子爵家の娘として、王宮官吏に求められる知識も、 宮廷侍女として将来の侍女長を目指すにたる教養も身に着けました。

 一方 私は 兄と弟に挟まれ、何かと窮屈な思いをして育ちましたので、

広い世界に出てのびのびと暮らしたいという夢もありました。


 しかし 現実的判断として 今の職に就きました。


 この度、キャラハン・テクノクラート子爵位継承者様が、コンコーネ公爵のもとに嫁がれるにあたり、貴族としての教養及び社会人としてしっかりとした知識と常識を持ち、コンコーネ公爵領に骨をうずめる覚悟のある侍女を募集していると知り、

好機を逃したくないと考え応募しました。」マリリン


「どのような点が 好機だと考えたのですか?」


「まず キャラハン子爵位継承者様が信頼に足る人物であると 母后殿下が評価されたこと。

 また コンコーネ公爵のことを悪く言う人がおらず、公爵もまた 信頼に足る人物だと王宮での評価が固まっていることです。


 やはり侍女として使える場合、ご家庭内に深くかかわることになりますから

務め先のご一家への信頼と評判は 応募の際の重要な判断材料となります。


 私としても 両親が不安を感じることのない 確かなお家に勤めたいと思っておりました。


二点目としまして、私は王都から外に出たことのない ある意味箱入り娘でございます。また 我が家も 代々 王宮官吏を務めてまいりましたので、

いくら私が外の世界にあこがれを持っているからと言って、

どなたかの紹介で まだ会ったことのないお家に奉公することにはためらいがございました。


今回 キャラハン子爵位継承者様は、公募により採用面接会を開いてくださいました。

ですので 応募前から採用条件を詳しく知ることができ、また こうして直接お話する機会も与えていただき 大変ありがたく存じます。

 それが 今回の募集に応募した理由です。」


「正直に 慎重な胸の内を話してくれてありがとう。」


「ところで ご両親は このことについてなんとおっしゃっているの?」


「面接まで進むことができておめでとう。

 悔いのないように しっかりと臨みなさいと言われました。」


「なかなか 良いご両親ね」


「ありがとうございます」


「ところで コンコーネ領に骨をうずめる覚悟でということは

 現地で出会った人と結婚するか あるいは 生涯独身であっても良いという覚悟をもってという意味でもあるのだけど、そのあたりは大丈夫?


 お見合いをするから 結婚が決まったから コンコーネ領を出ますというのは

ちょっと困るのだけど。


まあ コンコーネ領で よその方と出会って どうしてもその方と結婚したいからということになれば、それは 人の心の動きを止めることはできないので仕方のないことだけど。」


「私は第二子なので 家を継ぐ予定はありません。

 ですから 基本的には 全国どこで暮らそうと、どなたと結婚するのもしないのも自由です。


 それにまだ若いですから、新天地を求めて旅に出て 新しい場所に根をおろすのなら 今のうちだと思っています。


 そういう意味でも 今回の募集は好機だと思いました。

これが 王宮に勤めて3年くらいたっているときならば、

すでに王宮で紡いだ縁を重視するかもしれませんが、

今はまだ 何もかもが始まったばかりの時ですから。」


「そう聞くと 若々しく初々しくていいわねって思うわ。」


◇ ◇

今回の侍女&秘書の募集には 多数の応募があった。


それゆえ書類選考でふるい分けたあと、筆記試験・口頭試問と一般的な採用面接の3本立てで審査した。


筆記試験で、マリリンには 王族の侍女が務まるほどの教養と 有職故実の知識もあることを確認し、

本人の個性と、若さと情熱という将来性も加味して、キャラハンの侍女として採用することにした。

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