プロローグ:清明の懊悩①
「王宮よもやま話」を手にした清明の心境は複雑だ。
「確かに キャラハンの侍女選びについて、私と彼女のとの間で見解の相違はありました。
公爵である私と結婚する予定のキャラハンが いずれ 王妃にお目通りする必要があったのは 理解できます。
でも なぜ このように 大々的な話になってしまったのでしょうか??」
久しぶりに 龍の庭にやって来た清明は ボロン相手にこぼした。
「なんだ 婚約者の活躍ぶりに 妬いてるのかい?」ボロン
「そうではなくて・・・
最初はね、私の考え方を応援してもらおうと思って、スカイに相談したんです。
だって ミューズとコンラッドにかかれば、いつだって 『私の考え違い』って気づかされる結果になってしまうのですから。
それとね キャラハンにも 女性の相談相手がいたら 彼女もあそこまで頑固にならずに済むかなぁって思いもあったんです。
なのに・・結果がこれですもん」清明
「これじゃから 男女の問題は 犬も食わん、仲介無用なのじゃ」
フラッと部屋に入って来たコンラッドが、そのまま清明の元まで歩いてきて
ピシリとしっぽで清明の足をひっぱたいた。
「まったく なんで 私はいつも あなたのしっぽにひっぱたかれるんでしょうか。
いつまでたっても あなたからのしっぽ攻撃を避けられないなんて、剣士としては悔しいです!」清明
「歳の差じゃよ。受け入れろ」すました顔でお座りをするコンラッド。
「と・に・か・く、このままでは いつまでたっても キャラハンが私の腕の中に納まりそうもない気がしてきました」
そう言って コンコーネ領に戻っていった清明であった。




