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永訣のとき

作者: 秋葉竹


  


死ぬというのは

汚れることだと想っていたときがあった


永遠に終わらない生命を

欲しいと想っていたころ


だれもが永遠を望むのだろうと

なぜか信じていたころ


だが

そんなとき

小学生のころの

クラスメートが亡くなった


まだ中学生だったのに


あの子の「時」は

永遠に止まるんだ


あの子の美しさは

そこから衰えることがない


遺影をみながら

そう

想ったんだ


死んでしまえば終わりだけれど

記憶も意識も消え去るのだけれど


あの子と触れ合った人々のなかには

その姿が永遠に残るんだ


そしてその人々すべてが死んだとき

永遠が終幕するのかもしれない

あるいはその人々のなかに

残っているあの子の美しさが

べつのかたちでその人々のなかに

残っているのなら

その人々の周りの人々も

あの子にかすかに触れたことになり

それこそがほんとうの意味での

永遠と呼べるのかもしれない

あの子は永遠に拡散しつづける

のかもしれない


そんなことを考えていると

涙が溢れて止まらなかった


あの子の美しさのまえで

崩れ落ちてしまったんだ








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