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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
三章

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第96話 キングス四世

本日より1月6日までは毎日更新していきます!



 室内に重苦しい空気が流れるのを感じる。


 王城の奥にある、滅多に使われることがない会議室にて、俺は後見人とテーブルを挟んで座っていた。


 俺の左右の席にはダグラスさんとマルグリッドさんが座り、正面には財務卿のエグゼビアさん・軍務卿のドワイトさん・宰相のニコラスさんが座っており、上座は空席となっている。


 国の中枢を担う重鎮たちに囲まれて気まずいことこの上ないのだが、それに拍車がかかっているのは全員が無言だったことだろう。


 まるで、何かを待っているかのように張り詰めた空気を出しているので、息が詰まりそうだった。


「キングス四世の御成」


 その言葉と同時に重厚な扉が開き一人の人物が入ってくる。


 壮健な四十代半ばのヒゲを蓄えた男性。ステシア王国現国王のキングス四世だ。


 全員その場で立ち上がり敬礼する。俺は皆にならうように頭を下げるとその体勢を維持した。


「面を上げよ。楽にするが良い」


 数秒程が経ち、許可をいただくと彼らが姿勢を戻す気配がする。改めて顔を上げて見るとキングス四世と目が合った。


 身体を鍛えているようには見えないが健康そうで、顔に刻まれた皺が印象的だ。


 思っていたよりも威圧される感じはなく、優しかった街の領主様を思い出す。


「さて、初めて会うな? クラウスよ」


 そんなことを考えていると、彼は俺に声を掛けてきた。


「はっ! お初にお目にかかります。国家冒険者をしておりますクラウスです」


「そう硬くなるな。公式の会議とはいえ、ここにおるのはお主の後見人のみ。無駄に緊張する必要はないゆえ」


 俺の緊張をほぐすために気を遣ってくれたことに感動する。


 ほんの一年前まで、俺はただの街人だったのだ。国王と会えるのは貴族の中でも一部の爵位を持つ者のみだと聞いている。


 いきなりこのような場に連れてこられたので相当緊張していたのだが、国王が声を掛けてくれたことでいささか和らいだ。


「はっ! 陛下の御心遣いに感謝致します!」


 俺は国家冒険者になる前に指導で身につけた言葉を返した。


 無事に初の顔合わせも終わり、会議が始まった。全員が席に着くとキングス四世が発言をする。


「さて、今回は緊急招集によくぞ応じてくれた」


 その、緊急会議とやらになぜ俺が呼ばれているのか理由が知りたく注意して彼の言葉を聞く。


 マルグリッドさんに連れてこられたのだが、どう考えてもこのメンバーに混ざる意味がわからない。


「先日の会議でそこにいるクラウスについてさまざまなことを話し合ったわけだが、かの者の持つ力は未知数。いっそ本人に色々聞いてみたいと思ったのだよ」


 経緯についてキングス四世が説明をしてくれた。


「はっ! 何なりとお聞きください」


 失礼があった場合、俺だけではなくセリアや両親にも迷惑が掛かってしまう。

 俺は細心の注意を払い、彼の問いに答えることを誓った。


「報告にあるが、お前は『孵化』のスキルを持ち、どのような卵でも孵すことができるとか?」


「何の卵かによって難易度は変わりますが、概ね陛下のおっしゃる通りです」


 試したことがないものはまではわからないが、現時点でフェニックスの卵は孵しているのでできるのだろう。


「ふむ」


 キングス四世はアゴヒゲを撫でると俺を観察する。


「過去に国民調査の魔導師がステータスを読み取った際、お主にはスキルがなかった。つまり、その『孵化』は後天的に備わったということで間違いないかな?」


「はい、その通りです」


 この国では年に一度、適正を見るための調査団が街を訪れる。

 高価な魔導具を運び、その者がスキルを持っているかどうか確認をして国民情報として記録管理するのだ。俺もセリアも今から五年前に調査を受けた。


 だが、当時の俺にスキルは備わっていなかった。今ある『孵化』のスキルは女神ミューズから授けられたのだが、正直に告げたとしても正気を疑われるか、神の信徒を名乗ったと大罪を科せられるかもしれないので誰かに話したことはない。


「彼の経歴をもう一度説明してくれ」


 キングス四世はニコラスさんにそう言うと彼は立ち上がり書類を読み上げた。


「クラウス十七歳。父親のポール、母親のタリス。義理の妹のセリアと四人暮らし。昨年王都に拠点を移した後、国家冒険者試験に挑み合格する。テイマーギルドにも所属しており、現在はフェニックス・レインボーバタフライ・プチゴーレム・クリスタルコカトリスの四匹を従魔にしている。 現在、王都でもっとも勢いがある有望な若者として民衆から支持を得ている」


 本人がいる目の前で改めて読み上げられると恥ずかしい。


「まるで物語の英雄を彷彿させるような活躍だな」


 キングス四世の言葉にその場の全員が頷く。


「しかし、物語の英雄は皆、もっとわかりやすいスキルを備えていた。人々を率いてモンスターと戦い人類を守ってきたのだ」


 女神ミューズが力を与えてきた者たちのことだろう。彼ら彼女らは俺と違い力を得てから強力なスキルを振るい活躍していた。


「さて、クラウス。何か欲しい物はあるか?」


 キングス四世がそんな質問をしてきた。

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