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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
二章

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第94話 援軍駆けつける

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 二日が経過した。その間、リッツさんとハンナさんが食事を運んできてくれた。


 パリストンさんは本部に連絡をして、現状を報告している。


 もし駆け付けた時に、素材がなければ困るので俺はこうして孵化に専念している。


「援軍が来たぞっ!」


 午後になり、半ば意識がもうろうとしていると、リッツさんの声が聞こえた。


「待たせたな、クラウス」


 上空に黒い影が差し、空から何かが降りてくる。


 レッドドラゴンの背に乗っているのはダグラスさん、フェニとパープルに運ばれているのは、タバサさんとロレインだった。


「どうして……?」


 魔導具とタバサさんを運んできて欲しいと頼んだが、なぜダグラスさんとレッドドラゴンが一緒なのだろう?


「状況を聞いちゃったからね。キャロルはファンも多いから、王都の人間が慌ててたんだよ」


 タバサさんは王都の状況をそう告げる。


「私にまで人員を運ぶように依頼がきたからな、こうしてダグラスにお願いして、スカーレットで錬金術の魔導具を運んできた」


 確かに空を駆けるのが一番早いが、まさか貴重なレッドドラゴンまで出してくれるとは思わなかった。


「それで、肝心の素材なんだけど……?」


 タバサさんはキョロキョロと周囲を見る。


「これがクリスタルコカトリスの卵です。もうそろそろ孵化できると思うんですが……」


 魔力を流し込む時に感じる感覚から、本当に後少しな気がする。そんな話をしていると、次の瞬間卵が割れ青いヒナが生まれた。


『コク……リコ?』


 生まれたばかりのヒナはヨタヨタと歩き首をプルプルと振る。


「うん、半信半疑だけど本当にいいタイミングで生まれたわね」


 若干引いた様子を見せるタバサさん。


「このヒナの爪を素材にすれば、クリスタル化を解除できるポーションを作れますか?」


 俺は期待に満ちた言葉をぶつける。


「セリアちゃんからレインボーバタフライの宝玉を受け取った。確かにこれなら今まで作れなかった数倍の効果を持つポーションが作れると思うよ」


 タバサさんは言葉を続ける。


「でもね、生まれたばかりのヒナから素材をとってもとても足りないよ」


「そんな……」


 ここまでやっても足りないというのか、俺が絶望していると……。


「そこの卵の殻を砕いて素材に加えてはいかがでしょうか?」


 ロレインがそんな提案をする。


「確かに、これ自体クリスタル属性を持っているみたいだし、効果を反転させることができれば可能性はあるけど、本来の素材ではないからどれだけ効果を増幅させてもきついわよ」


 後一歩足りない。タバサさんはそう告げる。


 彼女がそう言うのなら事実なのだろう、皆が眉間に皺を寄せ、キャロルの復活が不可能だと考えていると……。


「スカーレットの血を提供するならどうだ?」


 ダグラスさんがそう提案するとタバサさんの目の色が変わった。


「ドラゴン種の血はありとあらゆる薬の効果を最大まで引き上げることができる。使えばギリギリ効果を得られるのではないか?」


「……断言はできないけど、それなら可能かもしれない」


 タバサさんはダグラスさんの言葉を肯定した。


「でも、いいの?」


 これまで、レッドドラゴンの血を素材として提供した話を聞いたことがない。この提案は前代未聞だった。


「我々テイマーは従魔が嫌がることはしないのがルールだ。この件に関してスカーレットも了承している」


 スカーレットは爪先を出す。ダグラスさんが短剣で刺すと、容器を差し出したタバサさんが血を受け止めた。


「フェニ、癒しを」


『ピーィッ!』


 スカーレットの傷が塞がる。


「ロレイン、魔導具の準備は?」


「完了しておりますわ」


 ここからは彼女たちに任せるしかない。俺たちはタバサさんとロレインが作業を終えるまで祈るような気持ちで見守り続けた。


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