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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
二章

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第83話 討伐依頼

「それにしても、原因を探れと言われても何が何やら……」


 ステシア王国辺境にて、調査を任された宮廷魔導師は任務の難易度の高さを嘆く。


 調査隊は騎士や治癒師を加えた精鋭揃いなのだが人数が少ない。


 通常、この手の異変を察知するには大人数をかけて調査するのが有効なのだが、国内の各所から溢れたモンスターのせいで戦力が分散してしまっており、それも不可能だった。


 それでも、一応出現に関してはある程度法則があった。


 国境をぐるりと回るようにモンスターの目撃情報があることから、もし次に何かが起きるとするならここだろうという場所を押さえてある。今の所成果はないのだが……。


 ーードクンッーー


「おい、どうした?」


 騎士が宮廷魔導師に声を掛ける。


「今の禍々しい魔力はなんだ?」


 宮廷魔導師の全身に汗が流れている。


「勘違いか? かなり遠く、それこそ山脈の頂上から届くわけがない……そんな存在がいるわけが……」


 必死に自分の感覚を否定していると、


「おいっ! あれは何だ?」


 遠くに大量のモンスターを発見する。


「撤退だ!」


 全員の顔色が変わり撤退をする。


 その数刻後、新たなモンスターの出現情報にステシア王国城内は騒然となるのだった。


          ★


 パーティーから数週間が経ち、慌ただしさも落ち着いた俺は、色々助力してくれたマルグリッドさんを訪ねて国家冒険者機構の本部を訪れていたのだが……。


「何やら、忙しい時に来てしまったかんじですかね?」


「ああ、ちょっとバタバタしていてな」


 冒険者機構本部は慌ただしく、物々しい雰囲気を醸し出している。


「一体何があったんですか?」


 ただ事ではない様子に、俺はマルグリッドさんに事情を聞いてみる。


「実はとある地方でコカトリスの群れが大量発生していてな、討伐依頼が国家冒険者機構にあったんだ」


「コカトリスの集団って……最悪じゃないですか!」


 普通のモンスターと比べ、石化攻撃がある分戦闘には注意が必要だ。


「今のところ街道から離れた場所で目撃されているが、このままでは商人が街道を行き来できなくなってしまうだろう」


 そうすると物資の流通ができなくなり、村や街は孤立してしまうだろう。


「どうしてそんな……急にコカトリスが……」


 俺はアゴに手を当て考える。


 俺が考えている間にもマルグリッドさんは地図を広げる。


「コカトリスが生息するのは森や岩礁地帯だ。やつらはその手の場所を好んで生息しているからな」


 地図を見る限り、目撃地点はどちらにも当てはまらない。


「ところが、どうやら大量のコカトリスが森を抜けて移動してきたらしいんだ」


 Bランクモンスターであるコカトリスが大量になだれ込んで来たら村ではひとたまりもないだろう。早急に討伐しなければ犠牲が出てしまう。


「本来なら騎士団を派遣するべきなのだが、他でもモンスターが活発になっていて出払っているらしい」


 突然の事態に王国軍が他に動かせないのだとマルグリッドさんは言った。


「そのせいで王国は人手が不足していてな、今回のコカトリス討伐は我々国家冒険者に役割が回ってきた」


「なるほど、そういうことですか……」


「確かに国家冒険者であればBランクモンスターでも対処は可能だが、流石にコカトリスともなると参加させるメンバーの選定には気を使う」


 頭を悩ませるマルグリッドさんに俺は申し出た。


「それ、俺も参加させてもらえませんか?」


「何だって?」


「話を聞いたからにはじっとしていられません。参加せずに後日犠牲が出たと聞いたら俺は自分を責めずにいられない」


 事故ではあるが、過去にセリアが両親を失った時の姿を見たことがある。あのような不幸な人間を出してはならないのだ。


「その言葉はありがたいが、君はこの国になくてはならない人物になりつつあるのだぞ?」


 マルグリッドさんは思い直すようにやんわりと告げる。


「俺だって国家冒険者です」


 女神ミューズとの約束もある。ここは譲るわけにはいかない。


「わかった……君もメンバーに入れておく」


「ありがとうございます」


 俺が御礼を言うと彼は思い出したかのように、俺が同行する条件を告げる。


「君を連れて行くのは問題ないのだが、フェニックスやレインボーバタフライは連れてこないでもらえるか?」


「それは、希少モンスターを失うわけにいかないからでしょうか?」


 確認をすると彼は首を横に振った。


「強力なモンスターの存在は討伐依頼に不利に働く。Sランクモンスターの姿を目撃したらコカトリスは決して近寄ってこないだろう」


 生物としての格が本能に染み付いているらしく、基本的にモンスターは上位クラス程格上に逆らうことはしない。


「わかりました。確かに石化攻撃とは相性も悪そうですし……待てよ?」


「どうした、クラウス?」


「いえ、ただ……逆に相性が良いモンスターもいるのではないかと考えたもので……」


 俺はそう答えると、準備のため屋敷に戻るのだった。


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