表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/232

第13話 テイマーギルドで従魔登録

 国家冒険者の受付から離れた俺は、Cランクモンスターを討伐する前にまだやることがあった。

 冒険者ギルドを出て区画を二つほど跨ぐと、農業・畜産をしている区画へと足を運んだ。


 『テイマーギルド』


 冒険者の一部には、冒険の途中で出会ったモンスターと心を通わせた者も多く存在している。それらの人間を纏めてテイマーと呼ぶ。

 これは希少な職業ゆえ、その関連を取り扱う部署は王都にしか存在していないくて、主にモンスターを使役するテイマーのために設けられている。


 モンスターを従魔にできることがわかったのは、この百年以内と歴史も浅いのだが、本来は害をなす存在の力を利用した際の効果は絶大のようで、少数のテイマーしかいないにも関わらず、王都内に広い敷地を用意してもらえる程度には優遇されている。


 そんなテイマーギルドの門を潜った俺は、


「すみません、従魔の登録をしたいのですが」


 早速、パープルの従魔登録をするつもりだった。


「はーい、冒険者カードの提示をお願いします。どのようなモンスターを手懐けたんですか?」


 係員さんの質問に、俺はバッグを開けると、中に手を突っ込む。

 一瞬、じたばたともがく動きをするが、すぐにおとなしくなった。意外とずっしりと重いなと考えながらも、俺はパープルを出した。


「ほほぅ……これは珍しい。マジックワームですね?」


 係員さんは目を輝かせるとテーブルに乗せたパープルを興味深く観察した。


「一応、王都ではマジックワームの飼育に成功していると聞いているんですけど?」


 主流は天然のマジックワームの糸らしいが、一部の服飾店では人工的に孵化させたマジックワームの糸を使った布が出回っているとか……。


「見ての通り、マジックワームはただ食べた餌の魔力をその身に取り込んで糸に練り込むだけですから。環境に適応できず死ぬことも多いですし、従魔登録する人間はいませんので」


「……なるほど」


 そう言われて納得する部分もある。

 マジックワームが好んで食べる餌がハーブだということまでは知っていても、従魔にした時に存在位置を教えてくれるようなことまでは知らないのだろう。


「それに、従魔にするにはモンスターを手懐ける必要がありますけど、テイマーを目指す人たちは有用なモンスターを狙っていきますからね」


 確かに、肩に乗せて歩かなければならないので、マジックワームを手懐けるメリットはなさそうに見える。


「今のところ、テイムされている最大のモンスターってなんですか?」


 ふと俺は、興味を持つと聞いてみた。


「えーと、確か……レッドドラゴンです」


「ドラゴン!?」


 ドラゴンと言うと、空を駆け火を噴く最強のモンスターだ。

 戦士や魔導師が数十人単位で束になってようやく退けられる強さを持つ。一体どのような無謀な試みをすれば、手懐けることができるというのか?


「その方は、たまたまドラゴンの卵を発見して、孵化する場に居合わせたらしいんです。生まれてきたばかりのドラゴンに刷り込みをして、世話をすることで自分を親と認識させたらしいですよ」


 ドラゴンを使役した時の凄まじさは他では言い表せないらしく、国の内外様々な事件や問題を解決したのだという。


 それゆえ、今でもドラゴンの卵を手に入れ、自分もドラゴンテイマーになりたがる人間は多いらしい。


「実はこのテイマーギルドは、その方が創設者でして、今では貴族になって内側からこの国を支えています」


 係員の人はそのような背景を俺に語ってくれた。


 そんな余談を交えつつも、係員さんは俺の前に従魔登録に対する規約が書かれた紙を差し出す。


「それでは、こちらの規約に目を通してください」


 パープルは顔を突き出し糸でなぞるように紙を走らせた。


「なんか……可愛いですね?」


 その仕草がツボに入ったのか、係員さんはパープルを可愛いと評する。

 セリアに見つかれば撲殺されかねない見た目で、俺も内心ではどうかと思っている。確かに懐いてくれている点と甘えてくる様子を加味すると可愛いと思うのだが、それを知らない一般人はどちらかというと気味悪がるだろう。


 やはり、こういった場所で働くからにはモンスターに忌避感がないのだろうか?


「差し支えなければ触ってみてもよろしいですか?」


「それは、危険がないかの判断で?」


「いえ、撫でてみたいなと思いまして」


「どうぞ」


 俺が規約を読んでいる間、係員さんはパープルと戯れている。

 パープルも係員さんに悪意がないのを知ってか指に糸を絡めては御機嫌な様子を見せていた。


 規約を読み終え、内容を整理する。従魔登録でテイマーが守らなければいけないのは以下の三点だ。


・テイマーは従魔が人に危害を加えない安全な存在であると保障しなければならない

・テイマーは従魔を犯罪に用いてはならない

・テイマーは従魔の特性についてレポートを作り提出する必要がある


 最初の二つに関しては治安を守るための義務で、従魔が人に危害を加えたり犯罪をした場合は処分がくだることになる。

 後の一つは、モンスターの生態の解明だ。


 従魔という存在には謎が多く、後進がより安全にモンスターと共存するためには、そのモンスターの生態を良く知らなければならない。

 エサは何を好むのか、夜行性なのか、連れ歩く時に何をさせているのか?


「また、レポート内容とあっているかどうかの確認をするため、こちらで預かることもあります」


 なんでも、この施設にはそれぞれのモンスターの環境に対応した、預かるための場所も用意されているらしい。

 モンスターを連れて行けない場所に向かう際、テイマーもここに預けていくらしく、実績は十分のようだ。


「その時に、上手く世話をできないと困るので、気付いていることは詳細に書いてくださいね」


 結局、俺はこの日、夜遅くまでレポートを作成するため、この部署に拘束されることになるのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 「パープルは顔を突き出し糸でなぞるように紙を走らせた。」 全くどんな様子なのかわかりません。紙が走るんでしょうか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ