6.姉と取引をしよう
「現状のままでいいなら、このまま居てください。変わりたいのなら。私と取引をしましょう。」
「取引?」
「はい。私があなたに生きる為に必要なスキルを手に入れる環境を作ります。代価として、あなたには聖女になってもらいます。」
デイジーは口を開けて驚いている。
「聖女?」
「はい。あなたには神聖力があり、私にはあなたを聖女にする力があります。どうしますか?」
デイジーは更に驚いているが悩んでいる。
「確かに、測定では神聖力があるとでたわ。それはあんたにとってどんなお得があるのよ。」
「私にお得しかありませんよ。」
私は笑顔で伝えた。
測定とは5歳と15歳になると国民は受けるもの義務があるものである。
そこで、その子の特化した性質と能力をみる。
因みに私は魔力の性質があり、3種類を操る能力があるとなっている。普通は出来ないが、5歳の時に自分の測定を操作した。
そのまましちゃうと後々、面倒になるので。
「信じられない。あんた、確か魔力の性質よね?神聖力がないのにできるわけないじゃない。」
デイジーからの厳しい指摘。
ごもっともである。
「取引しますか?しませんか?」
「妹じゃなくて、悪魔と契約する気分ね。取引…するわ。」
お、おしい。私は悪魔ではなく、元魔王です。
取引はしてくれるから、気にしないようにしよう。