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私を忘れたあなたへ  作者: じゅな
第一章
5/6

5.私と姉

デイジーの部屋に着いた。扉を軽くノックする。


「ローズマリーです。お姉様の食事をお持ちしました。開けてください。」


返事はない。が、扉は開けてくれた。

姉であるデイジーはこちらを見ると睨んでくる。


「私の行動が理解できない…というところですか?」


私は笑顔でデイジーに近づく。デイジーは睨みながら頷く。


「食事、無駄にしたくないので食べてもらえますか?」


私が押し付けるように渡すとデイジーは渋々受け取り、警戒しながら食べ出した。

姉を観察する。ハニーブラウンの髪を見ながら思う。

前回会った時より痩せてる?

私は毎食、使用人に姉の食事の準備を依頼している。

おかしい。


「お姉様、食事はちゃんとされてますか」


デイジーの目つきが更に鋭くなる。

私は、めまいを覚えたが片手で自分の頭をおさえてしまう。


「今後は家族の食事の時間に降りて来てください。」


「嫌よ」


デイジーは私の勢いよく拒否する。

気持ちはわかるが、このままではよくない。

どうにか説得できないかな。


「お姉様は悔しくないのですか?部屋に閉じ込められ、無い物扱いされるために、ここに来たのですが?違いますよね?あなたは自分で選んだのです。この家の子になることを…この意味わかりますよね?」


「仕方ないじゃない。こんな風になると思わなかった。」


デイジーは俯いてしまう。


「あんたはいいよね。家族に愛されて。好きな物を食べて、好きな物を着て、自由にしてる。だから、アタシの気持ちなんてあんたにはわからないわ。」


そうね。私にはわからない。

それでもあなたは選んだこの家に来ることを。



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