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私を忘れたあなたへ  作者: じゅな
第一章
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4.姉のデイジー

私にはデイジーという姉がいる。

しかし、家族での食事はいつも4人である。

姉は来ない。来れない方が正しいが。

兄と私は正妻の子。姉は愛人の子。その違いがあるからである。

姉の母である父の愛人は、庶民で1人で姉を育てていたが病に倒れ、姉を残し亡くなってしまった。

その後、姉は自分の母親の遺品を頼りに、この家までやってきたのだ。

姉が最初、家に来た時は大変だったと覚えている。

父に愛人がいて、しかも子供も居たのだ。騒動にもなる。


異母姉妹でも、姉は姉。

私から見てもデイジーの現状は悲惨なものだ。

部屋は汚い屋根裏で、私の母と兄は冷遇され、それを父は傍観している。

私には優しい家族だから、虐待までは考えたくないが…

使用人達の態度も気になる。


私はため息をつく。

自分の食事を終えた私は、壁に控えるアンナに伝える。


「アンナ。お姉様の食事を用意して。今日は、私が持って行くわ。」


アンナは困惑しながらも「はい。」返事をして下がった。


「マリー。いつも言ってるけど、そんなことしなくていいのよ?」


母は私の行動に困った顔をする。


「あいつはうちの面汚しだ。家に置いてもらえるだけありがたいと思ってほしい。」


兄は怒った顔で言った。


「私は、慈悲の心を忘れたくないのです。神様に笑われたくありませんわ。」


笑顔でこう言えば大丈夫でしょう。


「マリー。優しいのね。マリーがそう言うなら許すわ。」


よし、母から許可を取った。


丁度戻ってきたアンナから食事を受け取り姉のとこに向かった。


普段は使用人に任せてはいるが、姉に話したいこともある。

アンナは同行しようとしたが断った。

多分、隠れてついてくるとは思うが。





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