中世女子の初婚事情
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「一般則を話そうとすると例外がいっぱい発生する」
という話で思い出したのですが
ショコラ編12話目のあとがきで
「中世貴族女性の平均初婚年齢は18歳」
と書いたのですが
あれは17~18世紀フランスの、貴族というよりは同輩衆の統計なので
厳密に言うと中世ではないのですな
ではなぜあの結果を中世一般のように取り上げたのか? といいますと
14世紀以前の中世社会だと平均初婚年齢を算定するのが極めて困難であるから
と言うよりほかはありません
なんとか推測できそうな情報が出てくるのは14世紀前後なのですな
では14世紀ごろの貴族女性がどうだったかというと…。
16世紀イタリア女性が18歳
14〜15世紀だと1歳下がって17歳
という感じでした
”たとえば一三四〇年から一五三〇年にかけてのフィレンツェのブルジョア階級では、百三十六人の女性は平均一七・二歳で結婚している。”
(中世の人間 ジャック・ル・ゴフ P345)
”たとえば一五〇〇年ごろでは、フィレンツェの女性は一四○○年以前より平均一年遅く結婚している。”(P346)
その当時のイタリアの貴族女性というと
ルクレツィア・ボルジアなんかが有名ですが
彼女は13歳で結婚でしたでしょうか
(聖職者の庶子なので厳密に言うと貴族ではないのですが…)
大貴族の女性が12、13歳ぐらいで結婚した記録はちらほらあります
ただ、だからといって農民も13歳で結婚したかというとそうでもなく、
大貴族が全員そのぐらいで結婚したかというとこれまたそうでもない…
みたいな感じであるようです
作中の後書きでも書きましたが、中世の農民の平均初婚年齢は二十三と
意外にもかなり高めでした
これは
「そもそも『結婚しない』というのが中世世界での最大の避妊法であったから」
ということだそうです
引用元は後書きに載せたのでそちらを参照してください
シェイクスピアのロミオとジュリエットには
ジュリエットがもうまもなく14になり、胸も張ってきた(セクハラ!)
というようなことが書かれていますが
実はこの女子12歳で成人とする、という規定は
12世紀ごろの教会が定めたものなので
それより以前の初期中世の部族では
四歳でも五歳でも結婚させていたらしいです
12世紀にもルイ7世の子がそのくらいの結婚でした
さすがに肉体関係はないですし、
当時としても政略を狙った例外的なもの扱いされていたようですが…。
マルグリット・ド・フランス (1158-1197)
で検索すると一部始終がWikipediaで読めます
Wikiだと「婚約」となっていますが
当時の結婚の法は前述の通り整備されていなかったので
「婚約だか結婚だかはっきり区別がしづらい」
というようなケースが結構あります
婚約と結婚の違いについては作中でも書いたので
もしよかったらそちらも合わせてご覧ください
元記事
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/249964/blogkey/2016172/




