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なろう小説と史実のヨーロッパ ~活動報告の再録集~  作者: くまだ乙夜
バームベルク編

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4/8

執事はいつ頃から存在したのか問題


皆さん、執事はお好きですか?


執事っていい響きですよね

私も大好きです


せっかくの異世界ファンタジーですから

執事は絶対必要だろうと思ってバームベルクのほうにも出しておりましたが

作中の、執事のお仕着せを着ている執事のイメージは

中世というよりも、もうちょっとあとの、そう、ヴィクトリア朝期ぐらいのものでございます



では中世の執事はどうなっていたのか? といいますと


厳密に言うと中世には『執事』という役職はなかった


という回答になってしまうかと思います


…。


これだけだと何なのでどうなってるのかもう少し詳しく説明しますと…。


フランス語の執事は『マジョルドム』ですが

これの語源はラテン語の『マヨルドムス(宮宰)』でないかと思われます


古くはメロヴィング朝の時代、宮廷で宰相のような役割を果たしていたのが宮宰です


つまり、中世では宰相と執事と家令は一緒くたに同じ単語で呼ばれていたんですね


中世ものにそのものズバリな宰相があまり出てこないのもそれが理由です

ほとんどの場合はフランス語でセネシャルといえば領主の代官であり

国王の宰相であり執事であり家令であったわけです


セネシャルという一語がこれらの仕事をする人たちの総称になっていました



このあたりが分化しておのおののプロフェッショナルな職業意識が芽生えていくのは

ルネッサンスよりもっと後です

絶対王政期ぐらいまで行くでしょうか?



この『セネシャル』という職を務めていた人たちの身分も色々で

初期は貴族が務めてもいたようですが

中世中期ぐらいからこの貴族たちの台頭がネックとなり

庶民の登用を重んじる傾向にあったようです


つまり中世の執事とは、どの役職をどう訳すかの問題となってくるわけですね


例としてフランスを挙げましたが

教皇庁あたりはまた違った組織図を持っています

完全に対応する語句を見出すのは難しいですが

supracochis 料理監督官が

ファンタジーで一般にイメージされる執事に一番近いのかなと思います



中世にも酒樽の管理を専門にしていた人はいるでしょうが

彼はセネシャルではありませんし、その他の家事を取り仕切っているわけでもありません

セネシャルがやっている仕事のうち、料飲部門を引き継いで統括するようになったのが

フランス語マジョルドム(執事)であり、メートル・ドゥテル(料理長)なのですね


なので正確に書くとすれば


ハリムが家令であり執事でもある

そしてセバスチャンもまたもう一人の家令でもあり執事でもある


この家令でもあり執事でもある職を表す単語には

セネシャルやマヨルドムスなどが一番近い



といった感じになるのでしょうが


お嬢様ぐらい大きな公爵家ともなると屋敷の管理人も土地ごとにいるだろう

それなら本邸を管理している人のことを暫定的に日本語で執事としてもいいだろう


というような感じで設定されておりました



…。


中世に 執事がいたって いいじゃない

そこにロマンが あるんだからね(字余り)


元記事

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/249964/blogkey/1725212/

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