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人国記を読む  作者: 三河
西海道11ヶ国
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大隅・薩摩國

薩摩国は今の鹿児島県西部地域

挿絵(By みてみん)


大隅国は今の鹿児島県東部地域です。

挿絵(By みてみん)

大隅(おおすみ)薩摩(さつま)

大隅・薩摩両国の風俗違う事なし。

(大隅・薩摩両国の風俗で違う事はない)


是もみな死を以て表とし、唯男子は死するを道とすと覚えて、五常の道と云う事一段外の事と覚え、仏法といえば、死て後の詮鑿にして、生死を可知為となれば、用いるに不足と自見して遠り、常に主下の作法もありてなく、主と云名を知って祿を受る士は主とのみ覚て、百姓は地頭とのみ覚て、不礼の行跡挙而不足言也。

(ここでも皆、死こそが主要であるとして、ただ男子は死ぬことが道であると心得、五常の道という事は一段外の事だと思い、仏法と言えば、死んだ後の事を詳しく調べる事で、生き死にを知るためのものであれば、役立たないと見て遠ざかり、主従の礼節もあるようでなく、主は禄を授けてくれる人だと武士は心得、百姓は領主であると心得、無礼の行状を挙げるに不足は無い)


武士の於戦場死するも、忠義に因て死する所の節を以て善とする工夫なく、唯武士は於戦場死を致す者とのみ覚て、死するは可論様なし。

(武士は戦場で死ぬとしても、忠義による死に場所・死に時を善としようとはせず、ただ武士は戦場で死ぬ者だと心得、死ぬ事を論ずる様子は無い)


蓋し泰平(挙歟)の時は主安坐して席を正うしてあるに、臣は足を伸ばし、或は立ちながら主君と問答するの類多し。

(泰平の時は主は正しく席に着き、座っているのに、家臣は足を伸ばし、あるいは立ちながら主君と問答していることが多い)


末代以て是風俗なるべし。

(末代までこのような風俗だろう)


・超意訳

薩摩と大隅の風俗は同じ。

この国でも男は死ぬ事が一番大事、道徳なんてほったらかし。

『仏法なんざ何の役にも立たない』と見切り、主従の礼節もあって無く、武士は主君=給料くれる人、百姓は主君=年貢を取り上げる人だと思っており、無礼の行状は枚挙にいとまがない。

戦場で死ぬのも、唯々戦場で死ぬのが武士だとして、死ぬ理由を論ずるべきでは無いという様子である。

平和な時も主君は姿勢を正して座っているのに、家臣は足を伸ばしたり、立ったりしながら主君と話したりする。

この国は世が終わるまで変わらんな。


・私評

まぁ薩摩のイメージ通りだね。

・一言要約

死が一番大事

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