筑後國
・筑後国
筑後国の風俗筑前に替り、実儀なる者十人に八人如斯。
(筑後国の風俗は筑前国に替わって、十人に八人は誠実である)
常に義理を談し、得失を沙汰し、費を慎て、言語に飾ること猶以て鮮し。
(いつも道理について話し合い、損得を判断し、費用を慎んで、言葉を盛ることはとても珍しい)
雖然下劣は一涯にして理非を弁る者少なく、無体の事のみ多し。
(そうではあるが下劣が精一杯で、世の道理を弁えている者は少なく、無理矢理な事ばかりが多い)
譬ば其の堅固なる事鉄石を以て是を云に、鉄に非ずして如石。
(其の固い事を例えば鉄石を使って言うならば、鉄ではなく石のようである)
其の練れる事無くして、分かれて二度遇うと云ことなきは石なり。
(練れる事は無く、分かれたら二度と合うという事は無く石である)
武士も大形此風儀に和あるものと可知。
(武士も大方この風儀に和があるものであると知られている)
・超意訳
筑後の人は筑前と違って十人に八人は誠実である
いつも真面目に話し合い、損得を考え浪費を慎んでおり、大袈裟な事はよほど言わない
そうなんだけど、精一杯やってる割に品が無く、道理が分かって無くて無理が多い
その固さを鉄と石に例えるなら石だね
鉄は練り上げてくっつけたりできるけど、石は割れたらくっつかない
武士も基本的にはそんな風で、それに和を加えた感じかな
・私評
前半はいつも通り、上げつつ落とすと
しかし…なぜ後半で突然固さの話をしだすんだ?
・一言要約
頑張ってるけど品が無い




