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志摩國
・志摩國
志摩国の風俗凡そ伊賀伊勢に替わる事なく
(志摩の国は伊賀・伊勢とほぼ同じ)
侍は兵器を身躰よりは結構にして、我館に並べ置き、諸朋友に是を見せて己も驕の気を内に含み、人もさけしみ、我を立る事上下ともに皆如斯。
(侍は体を鍛えるより武器を大事にして、自分の館に陳列し自慢げに友人たちに見せつける、上も下も他人を蔑み、自分が上に立とうとする)
下々はそれに応じて意地汚し。
(その家臣も同じくらい意地汚い)
不及書記の也。
(他に書くほどのことが無い)
・超意訳
志摩国は伊勢や伊賀と変わらない。
武士は鍛錬よりも武器のコレクションに忙しく、人に自慢してマウントを取りたがる。
その家臣も同じくらい意地汚い。
その他に書くことがないな・・・
・私評
『他に書くほどのことが無い』と間接技を用いてくる一節。
作者は何か一言付け加えねば気が済まない様だ。
尾張国で『伊賀・伊勢・志摩の三国が束になっても敵わない』とあったが、まともに相手できるのが北伊勢くらいだからと言ったところか。
・一言要約
武器コレクター