51/80
隠岐國
・隠岐国
隠岐国の風俗柔弱にして放逸なる国なり。
(隠岐国は弱々しく勝手気ままな国である)
知夫利の郡の者は実儀にして頼ある所あり。
(知夫利郡の者は誠実で頼りになるところがある)
海部・周吉・穏地の郡は風に従う草の如く、善にも悪にも否と不謂して相従う風儀なり。
(海部・周吉・穏地郡は風になびく草の如く、善も悪も否定せずただ従うところがある)
遠島なれども石州よりははるばる上なり。
(離島ではあるが、石見よりはよほど上である)
・超意訳
隠岐国の人は芯が弱い。
それでも知夫利郡の人は誠実で頼れる。
他の郡はその場の空気に流されて、善いも悪いも言わず言い諾々と従う。
離島だけど石見よりはよほどマシだ。
・私評
…作者は隠岐の中でも知夫利郡の人にしか会ってないのではなかろうか?
そこで聞いた『他の郡はダメダメでさぁ~その点ウチの郡はさぁ~…』
という話をそのまま書いたのではあるまいかと推察する。
・一言要約
芯が弱い