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25. 森の中の出会い

 アネスタに向けて出発してから早3日。

 俺とブルーは順調に森の中を進んでいる。


 昨日から徐々に魔物との遭遇率が上がっているが、ゴブリンやオークなどの低級しかいないため対処は容易だった。


 どうせならワイバーンくらい出てきてほしい。

 低級ばっかり相手してもつまらん。素材も魔石くらいしか採取できる物もないし。

 欲を言うならファイヤーバードの羽が欲しい。ファイヤーバードの羽を使って特殊加工した家具はこれから寒くなる季節には欠かせない。

 火山の周辺に生息しているし、ここらにはいないか。残念。


 のんびり休憩を挟みながら歩いていると、オークの集団を探知した。


 またか。

 さっきからやたらオークの集団に遭遇するが、もしやこの森にオークの集落でもできたのか?

 もしそうならさっさと殲滅しないと。低級魔物の集落なんてろくなもんじゃない。

 採取できる素材もないし、魔石も大して使い道がないし売っても高値では売れない。素材としての価値は皆無。

 本当に、もっと強い魔物出てきてくれないかな。


 内心ぶちぶち文句を言いながら炎の弾をオークの集団に発射。

 炎の弾が集団に届くと小規模の爆発が起こる。

 これが貴重な魔物なら素材を駄目にしないように慎重に攻撃するんだがな。


「な、なんだ!?」


「いきなり爆発したぞ!」


 どうやら人がいたようだ。

 商人のものらしき馬車がオークの集団に囲まれており、護衛が奮闘している。身なりからして冒険者か。


 炎の弾の射程からずれた位置にいるオークに土の槍で串刺しにして息の音を止める。


 全部で10体か。護衛は3人だけっぽいし、思いの外苦戦してたから加勢して正解だったかな。


「大丈夫か?」


「誰だ?誰がやった!?」


「明らかに魔法だよな……お前、あんな芸当できたの?」


「できる訳ないじゃない!私が使えるのは風と水よ?炎系の魔法は相性悪くて使えないわ」


 無視された。声が小さかったかな。


「おい」


「だよなぁ……じゃあホントに誰が倒したんだ?」


「あそこまでの火力を出せるって、相当優れた魔法使いよ。でも詠唱は聞こえなかったから近くにはいないのかしら?」


「俺らの視界に入らねぇとこから正確にオークを狙い撃ちしたってのかよ」


「おーい」


「さっきからうっせぇんだよ!ノンバード族は引っ込んでろ!」


 3回目でようやく気付いてもらえた。

 だが冒険者の口振りからするに、もっと早くに気づいてたけど見てないフリをしていたっぽい。

 おまけに振り向き様にこの台詞か。

 本当にノンバード族は差別されてるんだな。新鮮だ。


「……まぁ、誰が倒してくれたか知らねぇが、こいつは貰おうぜ」


「だな。取りに来る気配もねぇし」


「いや待て。それは俺が倒したんだから俺が貰う」


 オークの魔石はゴブリン同様使い道はないし高値では売れない。

 だがそれはそれ、これはこれだ。こういうことはきっちりしないと。


「はぁ?お前が?」


「ノンバード族が、オーク10体を?……ぷっ」


「「「あははははっ!」」」


 突如笑い出す護衛3人。

 明らかにこちらを馬鹿にしている目だ。


「おいおい、冗談も大概にしろよ!」


「ノンバード族が魔物を倒せる訳ねぇだろうが。しかもこーんなガキが!」


「ヒヨコちゃん、人の物横取りしちゃ駄目よ……くくっ」


 種族関係なく、こんな子供が魔物を狩れるとは信じ難いか。

 あと女性冒険者よ、それはこちらの台詞なんだが。


 うーん、困った。この様子じゃ口で言っても信じてもらえそうにない。

 手っ取り早く実力行使するか?


「間違いなくその子供が倒したよ」


 こいつらの身体に直接叩き込むか、オークの集団に単身突っ込んで一網打尽にするか真剣に悩んでいると馬車から人が出てきた。


 虎の耳と尻尾が特徴の獣人だ。

 白髪混じりの茶髪が老齢であることを告げる。


 老いた虎の獣人はこちらに歩み寄り、俺と目線を合わせるためか少し屈む。

 人好きのする笑顔を俺に向けた。


「初めまして、小さな命の恩人よ。助けてくれてありがとう」



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