エンドロール(おまけ)
脳内BGMは鎌田行進曲でお願いします。
…
僕の名前は早良…もう良くない!?せっかくのエンドロールなのに、エンドレス自己紹介が特技になっちゃうよ!
それよりも聞いてほしい。今、このヤンヲタ!という作品は危機に瀕しているのです。夏休みに入る前に一つの区切りがついたところで「そして伝説へ…」とか言ってカッコつけて、一応の目標だった十万文字突破して一学期のお話を〆ようと思っていたのに…なんかちょっとだけ文字数足りなかった…
なので一瞬だけ世界観をやりたい放題にぶち壊し、夏休み編に備えて私、早良和輝が新撰部の面々を改めて紹介しようという特別企画なのである!メタいとか言わない!今に始まったことではないのだからな!はっはっはっ!
ではさっそく、まずはこの人物!そう、早良和樹…あ、はい。僕です。イケメンすぎて全米が泣きません。聖地、秋葉原に行っていろんなグッズをお買い物するのが夢…三十路を超えるころにはすべてを超越した存在として君臨し、この星の全人類から賢者としてあがめられる予定の存在であり、その力を恐れた政府機関から命を狙われることになってしまうという悲しい運命を背負っている…土星の衛星タイタンに向かう事で難を逃れることを科学者に提案されるが…?
「しかしタイタンを土星の衛星ではなく、遊園地、スペースワールドの名物ジェットコースターと勘違いした彼は北九州に…」
「和輝、さっきから何を壁に向かってぶつぶつ喋ってんだ?」
「あぁ!ちょっと今入ってこないでよ!エンディングなんだから!」
「なんのエンディングだよ!ちゃんと合宿の内容考えろよ!ほら…テントとかランプとか探せよ、お前も!」
お前も、って言ってる割に黒崎君のスマホに映ってるのはゲームの画面なんですけど!?
「うきは!この水着超かわいいよ!絶対に合うからこういうデザインのやつ持ってきなよー!」
こらこら、久留米さん、今は水着の…仕方ない許可しよう。特別だぞ。
「先輩…」
「ん?なぁに?」
「なぜか、私…三年ぶりぐらいに喋ってる気がしてなりません…まるで誰かが私たちの事を書き綴るのを止めていたかのような…なんなんでしょうこの気持ちは…」
やめろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
「よし、それではこれよりエンディングの予定を変更して合宿の段取りについて話し合おうと思う!異論は認めない!」
「だからなんのエンディングだっつーの!」
「さ…早良先輩、大丈夫なんですか?さっきの私のよくわからない発言で壁に激しく頭をぶつけてらっしゃいましたけど…本当にすいません」
「いきなりアニメみたいなタンコブ作って、しまらない部長だくまぁ」
こらこら…それは唯一、空気を読んで〆ようとしていた人物に向かって吐くセリフじゃないぞ!それと黒崎くん、タンコブを指でつつかない!
カタカタカタカタ…
大牟田くん、参加しよ?このクソ騒がしい中でのその集中力、もはや尊敬に値するよ?
「まずは、合宿は海にするのか、山にするのか決めねぇと」
「うーん。僕は山がいいなぁ」
「えー?なんでくまぁ?」
「山の方が涼しいからね。ほら、熱中症でも引き起こしちゃうと大切な思い出が作れないじゃないか。部長としてはみんなの安全を第一に考えたいと思ってる」
うむ、我ながら「キリッ」という擬音が出ていてもおかしくないくらい完璧な言い訳だ。二人の美女の水着を拝めないのはまったくもって残念だが、海は苦手なんだよね。日焼けしながら熱い砂浜を海パン一枚で駆ける自分の姿なんて想像もつかないよ。紳士とは、常に落ち着いているものなのさ。それに、泳ぎもそんなに得意じゃないし…ビーチでパラソル下に避難してても黒崎くんか久留米さんに連れ出されて海に放り投げられるのは目に見えている。ふっ…やはり僕は天才だ。
「却下、海な。やっぱ暑いし泳ぎてぇ」
話し合い、とは。
「あたしも海がいいなー!スイカ持っていこうよ!あと花火!」
「わが輩は、電波さえ届けばどちらでも良いです」
くッ、圧倒的不利な状況…!これを打破するには、うきはに援軍を頼むしかない!この、僕の熱い視線を読み取ってくれ!山がいい山がいい山がいい、ヤーマン。
「じゃあその間をとって、島でどうでしょうか?あまり大きなものではありませんが、父がひとつ、所有しているので」
…え?うきは?
「海辺はプライベートビーチだし、内陸には山もありますよ?どちらも堪能出来て良いのではないでしょうか。もちろん、テントでキャンプをするなら使わなくても構わないのですが、海沿いにペンションがあるので、そこから島中に電波も飛んでるはずです。飛行機代なども必要ないので、みなさんで楽しみましょう!」
あ、あの…てか、レベルが違いすぎるってば。今話してるのは、高校生の合宿についてだよ?ハリウッドセレブのバカンスじゃないんだよ?
「いいじゃん!そうしようよ!やっぱすごいんだね、うきはの家は!」
「決まりだな、和輝」
「くぅぅ…!」
「なんで嫌そうなんだよ!山もあるって言ってるじゃねーか!」
確かに、その島に行けば海、山、電波と全員の希望が叶っている。しかし、何か逃げ道があるはずだ、海だけは絶対に嫌だぁ!
「ぼ、僕!海水に当たると死んじゃうからさ…!島では山の方にいるよ!」
…よし。逃げ切ったな。みんな、ポカーンだ。
「えっと、じゃあそういうことで…」
「和輝くん、嘘が適当すぎ」
「殺してやるから海も参加な」
えぇーー…自然と、物騒な事言われたんですけど…
「出発は二日後な!明日はバナナボート買いに行こうぜ、和輝!」
「えぇ…そんなぁ…!」
僕の悲鳴が絶えない部室。明日からは長い夏休み。
僕たちの青春が始まるのが、怖すぎてたまらないのです。
今度こそ、おしまい!
え?夏休み編ですか?中の人は書いてもいいよとは言っているのですが、需要あるのかねこれ、という気持ちでもいるらしかったり、そうでもなかったり…読みたいなら何か言ってください!それでは!