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そして伝説へ…

しんせんぶのレベルは2にあがった!

 …


 雨は上がり、虹が見えています。でも…


 ブォォ!!


 速い速い!飛ばしすぎだって!!虹なんか見てたら僕は落っこちちゃうよ黒崎くん!

 あ、僕の名前は早良和輝です…ぁぁぁ!ふぅ。

 僕は現在、友人の黒崎健吾くんが運転するバイクの後ろにぃぃぃ!…乗って、二階堂高校に向かっているところでぁぁぁぁっ!!


「ほい到着。ん、みんなが」


 はぁ…はぁ…みんな…?


 門前でバイクを停めた黒崎くんがそう言ったので、彼の肩越しに前方を見やる。おぉっ!?クラスのみんなに、担任の門司先生!それに我が新撰部の後輩達や生徒会長の飯塚さおり先輩まで!

 そっか。今日は終業式だから半日経たずにそれが終わって、みんな待っててくれたんだ!


「ほらほらぁ!あたしの言った通り、ちゃんと帰ってきたでしょ、先生ー?」


 学内のアイドルで僕らのクラスメート、新撰部の仲間である久留米理沙さんがそう言いながら飛び跳ねている。

 ぴょんぴょん。ぴょんぴょん。…鬼カワ。


「早良先輩!」


「早良くん!」


 むほっ!バイクから降りたところで、僕に二人の美女が駆け寄ってくるぅ!一年生の新撰部員でイギリス人とのハーフ、朝倉うきはさんと生徒会長の飯塚さおり先輩だ。


 むぎゅ。


「先輩!黒崎先輩を連れ戻して下さったんですね!さすがです!」


 あぅ!?うきは!?腕に絡みつかないでっ!


「早良くん、ぼくは心配したんだぞ!あぁっ!ケガしてるじゃないか!ひどいことされたんだなっ!?痛いの痛いのとーんでけぇ!」


 ひぁっ!飯塚先輩!傷を撫でないでっ!?大丈夫ですから!


「うぅ…」


「両手に華で良かったな、和輝」


 黒崎くん!他人ごとだと思って!


「健吾ぉ!」


 ドンッ!


「うおっ!?」


 チッ…学内最強の呼び声高い久留米さんまでは僕の胸には飛び込んで来ないか。


「なんだよ、りさっくま!飛びついてくんな!」


「健吾ぉ!おかえりぃ!」


「あぁ!?話聞けよ!すりすりすんな!絶対鼻水こすりつけてんだろ、お前!」


 なにっ!?学内のアイドルのイメージを崩壊させるなって!

 もう一人の新撰部員、大牟田翔平くんは…?あ、遠目に見てますね。いや、いるならイイんだよ。ありがとう。


 いつの間にか、門司先生がそんなやり取りをしている僕らの目の前に立っていました。穏やかなようで、どこか厳格な面持ちです。


「黒崎!早良!」


 バチン!バチン!


 門司先生の平手が僕と黒崎くんの頬を打ちます。そりゃそうだよね。とてつもなく迷惑かけちゃってごめんなさい。盛り上がっていたみんなも静まり、その様子を見守ります。


「もじぞー…悪い。学校辞めるのをやめる」


「門司先生、本当にすいませんでした」


「ふん。ちょうど退学届を無くしてしまってな、助かるよ」


 門司先生…!


「だが、黒崎!速度超過!早良!ノーヘル!」


 バチン!バチン!


 ぐぁっ!?そこを叱るんだっ!?


「なら一回目のは何だ、おらぁ!」


 バキッ!


 やあぁぁ!なぜ殴り返すし黒崎くん!?ビンタの数にこだわる必要ないだろ!?


「ごふぇぁふぁ!」


 門司先生が大量の吐血!相変わらず打撃の効果は抜群だ!


「一回目…は…その場のノリ…がくっ」


 ノリかい。


「とりあえず教室戻ろっか?部活も再開しなきゃだし」


「はーい」


「くまぁ」


 クラスメート達も帰宅なり部活なりで解散し、飯塚先輩は生徒会室に戻っていきました。あ、門司先生は…いいや。



学校の屋上。新撰部、部室。


「いやー、大尉には驚かされたぜ。あんなに食い下がって連れ戻そうとしてくれるなんてよ。結局、千佳って女は無事だったんだけどよ」


 黒崎くんが久留米さんたちに事の経緯と僕の活躍を説明してくれています。ふっ。ザクとは違うのだよ、ザクとは。


「まさか早良先輩が暴走族の人たちを倒したんですか?」


 うきはが驚いて蒼い目で見つめてくる。綺麗な色だなぁ…まるでグフのようだ。


「いや、うちの兄者」


「なぁんだ」


 あからさまにガッカリしてますね…よくよく考えたら僕がそんなに強いわけないじゃないか、グスン。


「わが輩の解析によると、あの人の戦闘能力は、一人で陸上自衛隊を壊滅させる数値です」


 そんなわけないでしょうが!日本の国防が危ういわ!


「お兄ちゃん来てくれたんだ!愛されてるねぇ」


「よせやい」


「あたしも健吾を愛してるんだよぉ」


「よせやい」


 なんすかそれ。

 さりげに久留米さんは告白らしき発言放り込んで距離詰めようとしてるし。もちろんそんな感じじゃ黒崎くんには冗談にしか聞こえてないだろうけど。


「とにかく、最終的には何事もなくて良かったよ!」


 これで、僕たち新撰部の結束も一段と強くなった気がするよ!微力だけど、初めてみんなを助けることが出来て僕は満足さ!


「マジでみんなありがとうな。俺たち新撰部は逆境に打ち勝ってレベルアップしたんだ!」


「くまぁ!」


「うふふ、そうですね!」


 カタカタカタ。


 大牟田くん、聞いてますかね?


「温泉旅行は夏休みの間の強化合宿に変更しねーか!キャンプとかよ!」


「それある!」


「賛成です!」


 カタカタカタ。


 大牟田くん?参加しよっ?ねっ?


「あ、でも和輝とは別のテントな。コイツやっぱりホモだったから」


「ちょっと!違うって!」


「ホモは嘘つき」


「誤解だってばぁぁぁ!!」


 笑い声の絶えない部室。明日からは長い夏休み。



 僕たちの青春は、まだ始まったばかりだ!



おしまい。






 とカッコつけて終わらせたいところですが…




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