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1.召喚されたけどそんないいものじゃなかった


味気ない日常、刺激のない毎日学校と家の往復。

しかし遅かったのか早かったのか、その味気ない日常が恋しくて泣きながら眠ることもあるのだと18歳にして初めて知った。

そして人生は一瞬で誰にも予想できない方向に進むのだと。




期末テスト最終日、夏休みが近いが高校三年になると全員がカラオケだゲーセンだとはしゃぐわけにもいかない。

クラスの半分ほどが夏休みも勉強に埋もれるだろう俺もその半分の内の一人だ、手早く帰宅準備を終わらして、ゲーセンに誘ってくる友達を躱しながら塾に向かう途中で昨年より猛威を振るう太陽が一層輝いたと思った瞬間目の前が真っ白になった。




意識が戻って貧血かと思いながら寝心地の悪いベットの中から周りを見渡すが


「え!どこだここ?」


ベットはマットレスが敷いていないのか、固く掛布団は重いが非常に豪華な装飾がされていてる。

薄いカーテン、天蓋と言うのだろうか、天蓋の奥には綺麗に掛けられている制服のブレザーが見えるがそれより部屋がすごい。

上半身を起こして天蓋の隙間から覗く、広い部屋に机、椅子 チェストが見えるがどれも一目でわかる高級感がある。

ベットに座り困惑して動けなくいると、静かに扉が開いて女性が入ってきた。

女性は少し驚いたようで


「お初にお目にかかります、わたくし勇者様の身の回りのお世話をさせていただきます。メアリと申します」


ロングスカートを摘み優雅に挨拶するが、何より驚いたのがメアリと名乗った少女が美少女で外国人っぽい外国人、つまり金髪で青い瞳に彫りの深い顔立ちをしながら流暢な日本語を話す以上に俺のことを勇者様と呼んだことだ。

俺の名前は三浦 義一で勇者とは似ても似つかない名前だし顔もよくいるクラスの地味な男だ、言わずもがな勇者に間違われる要素などない。


思考を停止して一分ほどたっただろうか、一つの可能性に気づいた。


「い、異世界召喚・・・」


「さようでございます、魔王が猛威を振るい1年、勢力を拡大しております。世の乱れを売れいた国王陛下が秘伝の勇者召喚の儀により勇者様を召喚されました」


十分に間を置いて美しい声で語りかけられた内容に心の中で小説かよ、と突っ込みながらもバクバクと鳴り続ける心臓をさすりながら何とか飲み込む


「謁見は明日となります、ゆっくりとおやすみなさいませ」


同い年くらいだろうか、メアリという少女はもう一度優雅な礼をすると扉を音もたてずに出て行った。



メアリを見届けてからすぐにベットの外に出て窓を見る。

窓といっても分厚い牛乳瓶の底のような、丸いガラスの集まったすりガラスの様なもので非常に外が見えにくい。

赤と青でそろそろ日が落ちることは分かる。窓枠も確認したがしっかりと付けられているようで全く動かない。


召喚されたことを再認識して、ベットに寝転がる。

冷静になると元の世界のことが頭に浮かぶ

両親のこと、友達のこと、おそらくもう会うことはできないだろう。

魔王と戦うことになるんだ、どんなチートがあっても100%じゃない、死ぬかもしれないし帰れるかも分からない、

元の世界のことを思えば思うほどに、涙が流れて後悔とやるせない怒りがこみ上げる、次々と溢れ出る涙を拭う事もできずに必死に掛布団を噛んで嗚咽を抑えながら一分でも一秒でも長く生きると決意を固めた。

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